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想いは現実になった

寒い冬の日に恒例のスキーキャンプがあった

大勢のメンバーと一緒に一泊泊まりで
リーダーとしての責任も重大だけれど
スキーは好きだったから
リョウコは
とても楽しみにしていた

でも
行く数日前から

学校の用事やメンバーのことで何か悩んでいたようで
行くのが嫌になっていた

そして前の日に「私、行きたくない」と泣き出した

私はリョウコにはいつも
「何が何でもやり切れ」
あんたが始まるといったことなんやから
途中で投げ出すな
いつもいつも中途半端なんやから
と怒鳴った

いつもそういわれると娘はケロッとして
「そうやった」と真顔になって
そして頑張っていた
そう、コロッと変わるんだ

前日も泣いていた

そして、眠れないと言っていた

眠れない、私って

ふ~ん、別に大したことないやろ
って言い放っていた

私自身は眠れないなんてことは今まで一度もない
必ず眠れる

あんたが眠れないなんてことはないやろ
どうせ、気のせいやろ
必ず寝てるはずや

泣いている長女を見て
泣くな
としか言わなかった

そして
そのまま次の朝
あまり眠れていないからか
ぼんやりした感じのリョウコだった
車で送ったが、短いその時間でも
すぐにうとうとして眠っていた
おそらく相当寝不足だったんだろう

集合場所についたら、全くいつも通りのリョウコになった

そして私は思っていた

やれやれ、結構楽しそうにしてるやん
やっぱり当日になったら気分良くなるんよ
どうせ、いつもそうなんよ

とも思っていた

バスの一行は雪国へと
リョウコを乗せて
走り出した

そうして
私はいつも通りに忙しい一日を過ごしてた

夜の9時ころに帰宅したら
同居している母親が
リョウコと一緒に行っている人から何度も電話があったから
かけなおしたら?
というので携帯電話の受信履歴を見たら
何度も電話がかかっている

どうした?

かけたら
「リョウコさんの状態がおかしいんです
このままでは泊りが無理だと思うので
お迎えに来てほしい」
とのことだった

お迎え???

車で5時間くらいかかるところだ

「叫んだりしていまして、こちらの言うこともあまり耳に入らない様子でして・・・」
「今日そちらに帰る人間がたまたまいるので、一緒に送らせます」とのこと

何がなんだかわけがわからない

騒いでる???
どういう事?

とにかく送ってもらえるということで
ちょっと手間が省けるくらいに思っていたが
夜中の12時ころに
「車に乗らない、と騒ぐんです、やはりお迎えをお願いしたい」という

今からお迎えに?
そしてなぜ、帰らないというのだろう?

全く訳が分からない

旦那もわけがわからないようで
こんな夜中になんだ?と
イライラしていたが
こればかりはもう仕方ない

旦那と夜中に出発した

夜中の3時から車を北に走らせること4時間
山間にある宿泊所に到着した

その時のリョウコのことは
今も鮮やかに残っている
肩を抱かれて現れた娘は
目が虚ろでぐったりしていた

抵抗するかと思ったが
何も言わずに車に乗った

相当疲れ切っていたんだろう
しかし

言っていることが全く意味が分からないのだった
会話が通じない
顔つきがおかしい

あんなに元気だったリョウコが
豹変した

私が恐れていたことが起こったんだって
その時感じた

思考は現実化するって思った
いや
私の中だけじゃないのかもって思った
過去からなのかも



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