青春プチロマン小説「女が日本一周する時」第17話
作 奈良あひる
満たされるとは…
こういうことなのかもしれない。
だれも傷つけない。
そして感謝される。
そして気持ちいい。
それはすでに知ってたことなのか。
人ってこんなに気持ちよくなれる。
清々しさとはこういうことなのだ。
このあとどんなことだって頑張れる気がする。
地下アイドルの活動だって。
会社の厳しいノルマのなかでの仕事だって。
同年代との争いだって。
女同士のあれこれも。
それを旅は教えてくれた。
いや、これは旅だからなのか。
私は旅で知ったのだから。旅ということにしておこう。
お湯が溜まるまでの時間は素敵だった。
遊園地より好きかも。
浅田は先にシャワーを浴びることをすすめた。
一緒に入るんじゃないの?
そう思ったけど、
一緒に入るのは、あとにとっておくんだと
そんなようなことをいっていた。
このときすでに加恵は無意識に浅田を信用していた。
素直にバスルームへと入っていった。
バスルームから出ると、浅田が加恵にかける言葉に
私は心酔してしまった。
つづく
奈良あひる
読んでいただきありがとうございます。田中屋の少年雑記に別の作品を寄稿してますので、そちらもお楽しみください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?