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夢と現実や時間感覚に関する映画

いつも決まって出発地点は、昔数年通っていた仙台の小学校からだ。その風景に放り込まれた瞬間私は飛べることを確信する。校舎から校門へと続く低い四段程の階段を降りながら、だんだんと身体を前のめりに倒してゆき、地面ギリギリのところでスーッと身体が地面と並行に浮くのを感じる。そこからだんだんとスピードを上げて校門を出て、一気に宙まで上がるのである。空を縦横無尽にくるくる回ったり、平泳する様に寝そべってみたり。時折本当に高くまで行き過ぎて初めて怖さを感じると同時にそれが夢であることも分かっている。

私はいっとき常に枕元にノートを置き、夢日記をつけることにどっぷりとハマっていた時期がある。夢という無限な広がりの中で遊び、気付けば実際の睡眠時間以上の時間を夢で過ごすことがあった。
一晩の眠りが夢での2日間という時間の流れである。

思いきり泣いて目が覚めたり、怖いと思う対象から逃げていたのにいつの間にか自らその対象に向かって走っていたり。
だんだん怖さ半分面白さ半分、夢や時間の概念についてとても興味を持ちはじめました。その興味を満たしてくれた本は、フロイトやユングやベルクソンでした。
しかしもっと直接的に映像として、その興味を満たしてくれた映画を思いつく限りいくつか載せてみたいと思います。

『コッポラの胡蝶の夢』
→荘子の「胡蝶の夢」自体に強く惹かれていたため、同じ用語を含むこの映画に手を伸ばしました。現実と思っていたことが夢で、夢と思っていたものが現実であるかもしれない。 そしてやはりこの映画の大元は荘子であります。現実に夢が起きるような作品。


『マルホランド・ドライブ』デヴィッドリンチ監督
→時系列がひっちゃかめっちゃかな上に、夢と現実がシャッフルされていて面白いです。

『イレイザーヘッド』上記と同監督
→モノクロ映画で、現実の幻想の狭間にずっといるような作品。

『メメント』クリストファー・ノーラン監督
→こちらも時間感覚が狂わされる面白い作品です。

『パプリカ』今敏監督
→夢が犯されてゆく。キャッチコピーから最高でした。
フロイトやユングからの引用も要所にありとても惹かれた作品です。

『エルム街の悪夢』ウェス・クレイブン監督
→この作品も上記の映画と似ていて、人の夢に入るわけですが、こちらでは、夢で殺されると実際にも死んでしまうという事。
インセプションにも近い楽しさを感じました。

『マルコヴィッチの穴』スパイク・ジョーンズ監督
→これは違うかもしれませんが、好きなので混ぜちゃいます。笑
自分の意識を他人にもし乗っ取られたら、、、話です。
とってもシュールなので、時計仕掛けのオレンジが好きな方は好きそうな。

『waking life』リチャード・リンクレイター
→トリップムービーです。夢とは何か、夢から目覚めるとは何か、についての作品。

『サヴァイヴィング ライフ』ヤンシュヴァンクマイエル監督
→私が一番大好きな、アニメーション作家であり映画監督であるのですが、 
絵画・彫刻・写真といった方法でなく、映画という動く表現方法でのシュルレアリスムを確立した人で。
アニメーションと実写が同居した映像が何より斬新で心惹かれたものです。
沢山の短編作品があるのですが、今回のテーマにもどんぴしゃりな映像作品がありました。この作品は彼自身がいうように“精神分析的コメディ“です。
夢をみることが生きることを支えているということを感じる作品。


ヤンシュヴァンクマイエルは何より好きな映像作家さんなので、
今度は一番好きな彼の作品について書きたいと思います。

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