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衣装の小話(19-25)

衣装スタイリングに関して話してほしいという質問・意見が1番多かったので、気ままに更新。

個人的にも全身トータルコーディネートすることが殆どなので、折角だからバランスを見て欲しいという気持ちが少しでも伝わったら本望です:)

細かく書いたら永遠語れるので、息抜き程度に書きます。
出せる情報の範囲内で書くので、伝わらないところがあったら申し訳ない。

【記事を書く上で読者との約束】
画像や文の転載・二次加工はどの記事もNGです。
2020年に公表されたものからスタート。それ以前の衣装は割愛。
※どうしても過去のスタイリングで気になる方がいたら、いつか書くかも

今回はライブ衣装の小話。
担当している2人組のユニット衣装に関して書きます。
流れもあるので、6ポーズをまとめてご紹介。
書く前から長い気がしているのでお暇なときに見てください笑
【衣装の小話 19-25】
UMake 3rd Live TRIPPERS!! DVD/Blu-ray 参照

・1ポーズ目

まずはこちらの衣装から。
1曲目の「TRIPPER!!」というMVでフォーマルなタキシードが印象の楽曲からスタートして、「SUMMER☆MONSTER」など夏のソングまで駆け抜ける構成でした。
衣装の視点だと1曲目が最重要ではあるけれど、その曲以降はフォーマルな印象がない楽曲が続くので今回この衣装が一番悩んだ思い出です。

当初構成を知らないときは白のタキシードと黒タキシードに差し色でピンクのアイテムなどをメインで考えていたのですが、案を外して一から考え直しました:)
最初しかフォーマルな曲がないなら「じゃあ脱がせてしまおう」と思いついたのがこのスタイリング。ジャケットをずっと着ているのも暑いし、自分のタイミングで脱いで成立する衣装にしました。

まず向かって左手のグレーのジャケットの衣装から。
黄色のインナーは薄手タオル地の肌触りの良いノースリーブのカットソーで、ちょっと首周りの空き具合を切って調整しました。
その上に1サイズ大きいシャツを羽織らせています。
これは脱ぎやすさと、シャツを開けて着たときになびきやすかったりします。
ちょっと肩を落として色気を出しても良いかなとも思ってのサイズ感でもあります。
脱ぐ仕様なので、シャツのボタンはライブのとき早着替え用にマジックテープに変えることもあるのですが。この衣装では見えることもありそうなのでしっかり留めています。
パンツは足首が窄まった太めのパンツ。シルエットがとても可愛くて色もグリーンでちょっとポップな仕上がりになりました。
膝に文字入ってるのもポイントです。

次に向かって右手の黒ジャケット衣装。
ピンクのTシャツにブルーストライプのフード付きのロングシャツを合わせました。
個人的にレイヤード(重ね着)したコーディネートが得意なので、丈感のバランスを重視しています。
パンツは動きやすいジャージ素材のパンツで、
ラインがオレンジなのもポイントです。

さて、二人のバランスについても書こうかと思います。
シャツボタンの開け具合も一応拘っていて、二人が並んだときに一番綺麗に見える空き具合でスタートしています。
インナーの色が見える分量をなるべく揃えることで統一感を出したり。
両方ともシャツを閉めたときと開けたときで印象が変わるようにしています。
脱いだときに左はインナーが長め、右はトップスが長めになる仕様。

使っている色もバラバラで、モノトーン以外は同じ色を使わないようにしました。また、フードの有無やアクセサリーの有無、柄・プリントの有無など
どこか異なっても足下やアイテムを揃えてしまえばユニットとして纏まることがあります。
まぁ、組んでみて「たまたまそうなった」みたいなことも無きにしも非ず。笑

文章で表すと普段なんとなくでやってるところの理由づけができて自分でも勉強になります。

今回は全アイテム(靴以外)がブランド違いで。
作りではない在り物で衣装を組むと、思いがけないところで繋がったりするところもスタイリングの魅力です。

・2ポーズ目

この衣装は印象を変えるために黒ベースでまとめました。
黒ベースでまとめたのは曲調もがらりと変わって落ち着いた印象になるので
全部の流れに違和感を与えないように曲の流れを中心にスタイリングしています。
その中で、いろいろと遊んでみました。

まず向かって左手の衣装。
黒のストライプのシャツにラインの細身のパンツを合わせています。
1ポーズ目とシルエットを変えることでも印象を変えてみたり。また、シャツが縦ストライプなので、パンツも縦のラインを合わせることでまとまります。短靴も白黒。個人的にバランスの取れた組み合わせになったと思います。
向かって右側はほぼオールブラックで、ポイントで白のスカーフを入れました。演出で座りもあるこの衣装のときのために、靴下を全通しで白にしています。
早着替えで靴下までは変えることができないということもあり、全コーデにはまる色としても優秀でした。

ワンポイントで白のスカーフだけでも2人が並んだときはもちろん良いのですが、ソロの際にどこかにちょっとでも白が別の場所にあると全体がまとまった印象になります。
個人的にアクセントカラーは、見えているパーセントによってリンクさせて魅せる方が纏まる印象なので。
できたら率先して組み合わせています。

また、素材もシャツは光沢感のある比翼仕立て(ボタンが見えない)シャツで黒でもエナメルの短靴で存在感を出しています。

このシャツは早着替え仕様で脱ぐことはないので、比翼の部分はボタンで留めずにマジックテープになっています。
1部と2部の間の着替え時間がギリギリで、裏で冷や冷やしていた思い出。

二人のまとめポイントは黒ベースというだけでも十分かもしれませんが、雰囲気とテイストを揃えています。
全体的には綺麗目なカジュアルのスタイルで、足下は短靴にして上品に魅せています。
右のライダースはチャックなど金属部分がシルバーだったので合わせて左も1ポーズ目の流用に加えて長めのシルバーのアクセサリーをつけてまとめました。
この衣装の特にの拘りは、地図柄を入れていることで。
左のブルゾンと、右のスカーフにそれぞれ地図の柄が入っています。
今回のテーマは「旅」ということでただの自己満足で仕込んでみました。
今手元に衣装がないのですが、柄までは流石に見えなかったと思うのでもしかしたら需要あれば追加で写真載せるかも。

・3ポーズ目

さて、3ポーズ目はこちら。

今回はデニムベースのポップなスタイリング。
1ポーズ目とも印象が違う雰囲気でまとめました。

向かって左手のスタイリングから。
注目はオーバーサイズのデニムジャケット。
古着をリメイクした服で、2着をドッキングしています。裏地も写真ではちょっとピンクが見えていると思うのですが面白いジャケットでお気に入り:)

カラフルなカットソーと合わせて、パンツも動きやすい明るい印象のものを合わせました。

続いて向かって右手のスタイリング。
注目して欲しいのはペイントデニムパンツで、これは蛍光の黄色とピンクを筆で飛ばしてリメイクしました。
パーカーのプリントに黄色とピンクが入っていたので、そこに合わせて色選びをしています。実は後ろ側にスプレーでピンクを入れてよりポップな印象に仕上げました。
両面インク飛ばすのは面白味がないと思ったのと、表だけだとちょっと味気なかったので遊び心です。
デニムパンツはサイズ感が不安だったので、サイズ違いで2本リメイクパンツを作ったのだけれど、もう1本も出来が良かったので履いて欲しかったなー笑

このスタイリングに関しても、2人が並んだときを中心に組みました。
まずわかりやすいところで言うと「ダブルレインボウ」という楽曲のMVでも印象に残る靴を使用してライブでも実物を使うことで楽しめるようにしています。
この靴は個人的にも気に入っていて、再度使う機会をうかがっていたのもあり。
ちょうどハマるスタイリング組めてうれしかった思い出。ハイカットとローカットで虹色を差すポイントが違うのがとても良い。

今回ライブのグッズでリストバンドがあったので、
アクセサリーがわりに左には2つ重ね付け、右には1つだけつけています。
※あくまで主観なイメージで個性と単純に袖が長めで見えにくいので数を変えました。

デニムにも色々種類があるのですが、左のデニムジャケットに合わせて、右のデニムパンツの色合いを決めました。

デニムをベースにして、今回ピンクと黄色をそれぞれに入れることで最初のスタイリングとの差別化もしています。
互いに同色が入ることによってわかりやすくリンクコーデになります。

また、最初の衣装にピンクと黄色が入っているのも狙いの一つで。
ちょっとストーリー性が出るかなとも思ったりしてたけど、着用者も気付いていないはず。

わりと細かいところは自由に遊ばせてもらい感謝の気持ちと、満足のいくスタイリングができて嬉しいです。

・アンコールT

ライブの醍醐味でもあるライブTシャツのリメイク。
メンズに関してはやれること少ないのですが、いくつか手を加えたので紹介。
スワロフスキーを手付けしてキラキラさせています。これは裏にもつけているのですが、あまり見えることはないのでさりげなく。
インナーをカラーのタンクトップにしてレイヤードできる仕様にしました。

そのため、若干見えるように首元をいつもより少し広めにカットしています。

左はインナーを出して着せて、右に関してはタンクトップが見えたらあまり綺麗にバランスが取れなかったので敢えてしまって肩の部分だけ少し色が見える程度にしています。
※参考画像がなく分かりづらいので、是非LIVE映像参照にしてください。


この時期なので中々ライブ自体が開催できない中、こうして衣装に携われたのは本当に幸せなことで。

今後またライブ衣装ができる環境になることを心待ちにしています。

今回はここまで。
読んでいただきありがとうございました:)

記事に需要があればサポートをよろしくお願いします:)今後の衣装や写真、作品に役立てます。