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カウントダウン

いつもと変わらない日常。
寝る準備をしようと思っていたとき、後ろから妻がパッと見せてきた。
細長い棒にハッキリとIの字が。
「子どもができた」


その瞬間にいろんなことが頭をよぎる。
すぐに笑顔が浮かばなかったかもしれない。
真っ先に浮かんだのはお金のこと。
養っていけるのか?今の仕事を続けていく不安。
そして一人目が出来てからの産まれる前と後での大変だったこと。

その浮かぶ全てが自分本意なわがままなことに自分自身が情けない。
慌てて喜んだ自分も情けない。
きっと妻には見透かされている気がする。

来週、病院へ行ってくる、という言葉に何と答えたのか…正直、覚えていない。
それくらい感情がごちゃ混ぜになっていた。
ほんと情けない。
子どもが生まれたからこそ現実を知り不安がリアルに押し寄せてくる。

妻からそろそろ2人目を、と言われたときからこうなる日はいつかくることになったのだろうけど。(このこと事態が最も情けないことだろう)
そんな中、自分は付き合っていたあの頃のようには戻らない子づくりという行為に変わったのかと昔の少女漫画のような恥ずかしい頭をしていた。

全く眠れない。
挙句の果てにお腹が痛い。これが自分の弱さ。
ただ、妻のことが大切な気持ちは変わらない。
その日が来るまで自分がどうあるべきか、どうしていくか、とことん考えていく。
まだ時間はある。
子どものいる生活の喜びは知っているのだから。

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