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京都芸術大学(KUA)通信イラストコース非公式芸術祭2022──スタッフ談&図録の全貌

※こちらの記事は以前私の個人ブログで公開していたものです。個人ブログをしばらくおやすみしますのでnoteにこちらの記事だけお引越しいたします。第2回以降の芸術祭の参考になればさいわいです。


#KuOG2022 (京都芸術大学通信イラストレーションコース非公式芸術祭)」の図録を担当しました。スタッフインタビューは4時間!図録16ページ分になってしまったので、一部を抜粋して掲載いたします。

虎硬先生の「これぞインターネット。」に全てが詰まった芸術祭

京都芸術大学(以下、「KUA」)通信イラストレーションコースにとってはじめての芸術祭。会場は仮想空間プラットフォーム「cluster」に作り、運営会議は全て参加者専用Discord、170点の展示作品はアナログ作品を含めて全てデジタル出力、みんなでお揃いの芸術祭ユニフォームを着たアバターでバーチャル集合写真。と、まさに完全通信制コースならではの芸術祭となりました。

記念すべき第1回にして大成功となった「KUA通信イラストレーションコース非公式オンライン芸術祭(KuOG=KUA unofficial Online Geidaisai)」の運営スタッフが、どんな思いで取り組んでいたかをふり返りました。


芸術祭発案のきっかけ

──通信課程の生徒にとって初めての芸術祭(学園祭)開催でしたが、発案のきっかけを教えてください。

あげりん もともと2期生の交流会で「作品を展示するショールームのような場所を作りたい」と話していて、交流会に参加していたそらさんから『cluster』を教えてもらいました。はじめは少人数のグループ展という話でしたが、夏期に入ってから通学課程の大瓜生山祭をSNSなどで見聞きするようになり、「通信課程の私たちも芸術祭できたらいいよね!どうせならcluster展示をみんなで集まれるお祭りにしよう!」という思いにいたり、Discordで“運営会議チャンネル”を立ち上げてみんなで芸術祭をやろうと言いました。ちょうどそのころ1期生の間では卒展どうする?みたいな話もされていたので、今回のバーチャル展示のノウハウが卒展にも活かせるんじゃないかと考えて、1期生のみなさんにも展示参加のお誘いをして、いよいよ本格的に全学年参加の芸術祭のノリになっていきました。ひとまずバーチャル展示を実行するというのが大目的にあったので、展示作品については極力出展へのハードルを下げるためにこれまでに提出した課題作品に限定しました。これなら休学中の人でも参加できますし。個人的に休学中の方も巻き込みたかったんです。疎外感を与えてしまうというか復学のモチベーションが下がることにはしたくなかったんです。あとは芸術祭の開催日を夏期の講評後の日程にすることで夏期の課題も出品できるようにしました。

エダホ あげりんさんのその「誰でも参加できますよ」っていうハードルを下げるための“課題縛り”のおかげで、必然的にフロアごとに同じ課題の作品が並んでテーマ展みたいで面白かったですよね。 

あげりん いろんな人の作品を参考にできる場でもありましたね。同じ課題でも「こういうアウトプットの仕方があるんだ」「こんな解釈があるんだ」みたいに見比べるのが面白かったっていう感想も多かったですね。

──他の人の作品を見たいという声は1期の間でも初期の頃から上がっていました。

エダホ そう、ありましたね。

あげりん 全体講評は多くても10作品程度しかないですし。本当はもっと受講生がいるはずなのに!もっと私の心に刺さる作品が他にもあるかもしれないのに!だからもっと見たい!!って思っていました。今回の展示でそれが実現できて、多くの刺激をもらいました。実際、私もまだ取り組んでいない課題の作品を見ることができてとても参考になりました。

──通信課程は普段生徒が集まる場所がなく、同級生たちの作品を見る機会がほとんどないですからね。

あげりん 1期の先輩方がTwitterで「#KUA課題評価」というハッシュタグであげていらっしゃったんですけど、それもまだまだ少数ですよね。あと、講評動画は先生の評価だけしか見られませんが今回の展示ではキャプションボードに本人の解説が書いてあったりするので、より深く作者の意図を知ることができますね。

「KuOG」というタイトル決め

──いつ頃ロゴやメインビジュアルを用意したのですか?

あげりん はじめは「京K都にある芸術大学の非H公式オOンライン芸G術祭」という仮名称で『KhOG』というロゴ制作を進めていたのですが、運営会議で「やるからにはきちんと大学名をつけたい」という意見が出て、事務局に交渉して許可をもらって京都芸術大学の名称を載せることになりました。初期段階では「非公式(hikoushiki)」の「h」を入れてデザインしていたのですが、エダホさんから「hってなんですか?」って言われて……。

エダホ そんなことありましたね(笑)

あげりん 最終的には会議の中で「hをひっくり返したらunofficialのuに見えますよ」という意見で着地したので、ハッシュタグも「#KuOG2022」になりました。

エダホ ロゴの“デジタル感”は僕らが通信課程とか、clusterでやるからっていう特徴を表しているんですか?描き下ろしてもらったメインビジュアル(*1)の雰囲気もデジタル感な方向に描かれていますよね。

あげりん そうですね。私たちの通信課程がネット完結型っていう特徴なのでデジタル感を強調しました。

*1:メインビジュアル。cluster会場のサムネイル、Twitterなどでの告知活動に使用。

全フロア異なる会場設計

──今年の会場コンセプトは『美術館』と伺いましたがその発案のきっかけはありますか?

そら cluster上にあった既存の会場をいくつか観てまわり、その中から参考にしたいと思った会場が美術館だったのがはじまりですね。白を基調にした空間で作品の見栄えがとても良くて感銘を受けました。

あげりん 美術館っていうテーマを決めてからもうひとつ思ったことがあって、美術大学の1つのコースとして成立するなら、もうイラストは新しいアートのジャンルとして成立しているんじゃないか?美術館に展示されてもいいものですよね?っていう確認という意味もありました。

──そらさんは昔からclusterユーザーだったのですか?

そら 1年くらい前からやるようになりました。ちょうどその頃からBlenderも始めました。clusterでのワールド作成は主にUnityを用いるのですが、Blenderも併用して会場を作りました。

エダホ フロアが実は横に並んでいるっていうのがいかにもバーチャルで面白いですよね。(*2)

そら 実際の建築物のようにフロアを上に重ねていくと編集しづらいのでこうなりました。

*2:Blenderによる会場設計の様子。左から1F, 2F, 3F, 4F, 5F(画像提供:そら)

エダホ テレビゲームなどのステージと同じような作り方だと思います。こういうフロア分けってそらさんとあげりんさんで話し合ってたんですか?

そら 課題によって出品数の偏りがあったので、年次でフロアは分けようっていう話は最初からしていました。例えば1年次TWが最多の60作品くらいあって、この3Fだけ左右両方の壁を使っています。

エダホ 僕が来場者目線で見て面白いなと思ったのは、2Fは片側の壁だけを使っているのでアバターの視点を固定したまま一方向にサーッと見れるじゃないですか。ところが、3Fで作品数が急に増えて。しかもTWだからひとつひとつの作品の描画密度も高くなっているのでメインディッシュがドドーンって来た!みたいな。そのあとの4F、5Fでゆっくりクールダウン……と、そのアップダウンが面白いなと思いました。

──フロアの形が全階とも違う意図は?

そら 最初は四角い部屋で考えていたのですがせっかくバーチャルな世界でいろいろできるので、おもしろい内装にしたいなと思ってフロアごとに形を変えました。

あげりん これはメタバースならではだと思います。

エダホ スケールもリアルというか、アバターの一人称視点でも見やすいサイズ感になっていましたね。

作品の展示方法

──作品のサイズも話題でしたね。大きくて綺麗で、どこまでも細部まで観ることができたのもとても魅力的でした。

エダホ 圧縮しているけど綺麗ですよね。作品自体の解像度は2000pxとかですか?

そら 2Kですね。圧縮をかけてもそこまで荒くならずに済みました。作品のサイズを決める際に参考にしたのは、別の展示会場で見た絵画作品がこの5倍くらいの大きさで見えづらかった、というところからですね。

あげりん アバター視点だとあまりにも上の方だと見えなくなりますよね。

エダホ この額縁もすごく良い。白枠ならどんな配色の絵でも合うし、黒縁だと絵が締まって見えますね。

そら 初期は紺色の額縁だったのですが全体をモノクロ基調にしたいと思って黒に変更して、床の線やワープゲートなどの文字も黒で統一しました。

会場の様子(画像提供:エダホ)

──キャプションボードも形式が統一されていますね。

あげりん はじめは自由に各自でお願いしようと思ったんですが、雛形を作って欲しいと運営会議でリクエストが出たので作りました。キャプションを統一したことで格式のある美術館っぽさを表現できて良かったです。名前の横にアイコンを表示することで誰の作品か一目瞭然ですし、QRコードは在廊できない人への感想を直接作者へ送ってもらうためと、仕事の依頼に結びつくかもしれないのでTwitterなどのリンクを貼ってもらいました。実際、学内で「推し絵師」を見つけてTiwtterをフォローしにいってくれた人もいますね。

そら キャプションボードの位置はイラスト作品を見た後にキャプションボードが目に入るよう、進行方向に沿って配置しているんです。イラストの方が先の方がいいかなと。

全員参加の内覧会/前夜祭

──内覧会はどんなことをしていたのですか?

あげりん いわゆるデバッグ(バグを見つけて改修する作業)ですね。出展者も来場者も全員がcluster初心者という前提で開催するので、どこかに抜けはないか、使い勝手はどうかなどを出展者のみなさんから意見を集めるために内覧会と言う名のデバッグ会を何度か行いました。

エダホ 内覧会ではエレベーターのボタン操作に迷った方が続出していましたね。

あげりん エレベーターの前でずっとそらさんが「ボタン押してくださ〜い」って案内していましたね。現実世界だと誰かがボタンを押したら動くけどここは自分でボタンを押さないと動かないよーって(笑)

そら あと、clusterの仕様上の問題で入場者が100人を超えると101人目からは『ゴースト』と呼ばれる透明のアバターになるのですが、そのゴーストになってしまうとワールド(clusterの会場のこと)に関与できなくなり、ボタンを押せなくなるということが判明しました。それで現在のワープゲートの仕様に変更しました。

エダホ 結果的に移動がしやすくなりましたよね。

あげりん あと、出展者の全員に、各自の作品やキャプションボードのチェックを徹底してもらいました。最初、試験的に作品をアップロードした時なぜかデータが左右反転してしまっていて。clusterのバグが原因なのかはわからなかったですが、とにかく170点全ての作品を二人でチェックするのは無理だなと。(*3)

*3:170作品が並ぶフロアの様子(画像提供:そら)

──描いた本人じゃないと気づかないこともありそう。

あげりん そうなんですよ。上下左右はきちんと表示されているか、縦横の比率が合っているか、キャプションボードの文字がちゃんと読めるか、なども。

エダホ あの内覧会は、“みんなで展示会を作ってる感”があって良かったですよ。

あげりん 内覧会中にDiscordを併用してclusterの操作方法を教え合ったり、リアルタイムでフィードバックもらってる感じでした。

エダホ あと前夜祭もやりましたね。 

あげりん 前日にDiscordで「不具合チャンネル」を作ってひたすら不具合だけを報告してもらうってことをやりましたね。デバッグは人海戦術なので「来れる人は全員来て!」って呼びかけて、不具合チャンネルに書き込んでもらったものをリアルタイムで裏でそらさんが処理するっていう。

そら 内覧会の時から会場の仕様が大幅に変わってしまったので、本当に怒涛の最終チェックでしたね。

──内覧会後に大きく変わった仕様とは?

そら 2Fの改修、1Fのロビー拡張、エレベーターがワープゲートになったこと、床の矢印、あと各フロアに『非常口』も設けました。

あげりん 各フロアが広いので、迷子になってしまった時や、自分が呼び出された時にワープゲート以外にもフロアの途中で移動できる手段が必要という意見が出たので、非常口を作って1Fに戻れるようにました。床にははじめから線を引いていたのですが、内覧会で「進行方向がわかる矢印をつけてほしい」という意見をもらったので改修しています。

そら 例えば3Fが左右両方の壁を使っていたので、アバターの視点を「一人称」にしていると自分がどちらの方角から来たのかがわからなくなっちゃうんですよね。

エダホ あと2Fは最初動線がクロスしていたんですよね。

そら そうそう(笑)動線が十字にクロスしていたせいで360度回転するので自分が歩いて来た方角へと戻ってしまって迷子になる、という方が多かったので改修しました。その改修ついでに壁の使い方を両面から片面に統一したり。あと大きな変更点といえば、1F入ってすぐメインビジュアルが見えるエントランスのみだったのですが、内覧会後にエントランスの横にもうひとつ広いロビーをつくりました。

あげりん 実際、このロビーは参加者から好評でしたね。誰とはなしに一時離脱する時のアバター置き場になっていたり、待ち合わせ場所になっていたりで。ロビーとメインビジュアルのスペースが分かれたことで、出展者の集合撮影もできたので良かったと思いました。(*4)

*4:1Fメインビジュアル前で集合写真(画像提供:そら)

──Youtubeの中継(*5)でもロビー活用していましたね。

そら ロビーには画面共有用の大型スクリーンとチャット欄を設置していました。このチャットは会場内で音声会話ができない人向けのチャットで、ライブ配信中のYoutubeのコメントとも連動していました。

あげりん 全170作品をひとつひとつ動画で紹介してもらえて、当日見逃した人にもアーカイブで見てもらえたのでよかったです。

エダホ 「この課題はこういう内容ですね」って課題の解説も動画内でしていたのも良かったですね。

あげりん 事前にいなばさんと打ち合わせをして、シラバスを見ながら各課題の説明も入れようってなりました。

そら わあ、そんなこともしていたんですか?!

エダホ あの解説のおかげで、学外の友達もすごくわかりやすいって言っていました。

あげりん イベント開場は20時からだったんですが、その30分前からライブ配信をスタートして、clusterのインストールや操作方法について解説も入れてもらいました。

*5:いなばさん(2期生)のYoutubeライブ配信

開催当日の会場の様子

──clusterの動作環境について

あげりん 時間帯によってなのか、動作が鈍くなる時がありましたよね。

そら clusterにアクセスが集中する時間帯は確かに重くなるかもしれません。会場の容量は、最初は圧縮をしないで作品を並べていたのですが合計で1GBくらいになってしまい、半分以下になるよう圧縮をしました。

エダホ 動作が重く感じたのは、ロビーなどの人が多く集まっているところに負荷がかかっていたかもしれませんね。こういうゲーム系の背景処理って、遠くにあるものの表示を自動で簡略化するんですが、実際にフロアの設計がロビーフロアと作品フロアとを離して正解だったかなって思います。処理負荷軽減の意味で。

そら 実際に見てないものを描画しないという機能を使ってワールド全体の軽量化をしました。壁で仕切ったりフロアを分けることで軽量化できていると思います。

エダホ 集合写真の時はもうどうしようもなかった(笑)

あげりん あの集合写真を撮るのに20分かかってますからね(笑)みんな並びたくてもアバターの操作に慣れていなくて「どうやって正面向くの?」みたいなね(笑)

エダホ 内覧会でも「後ろに振り返れない」って意見が結構ありましたよね。だから僕も頑張ってTwitterにclusterの操作方法の図解をUPしました。(*6)

*6:エダホさんがTwitterにUPした図解

アバターについて

──今回、専用のアバターも用意されていましたね。

あげりん なんか、軽いノリでしたよね?芸術祭のおそろいTシャツつくろうぜ!みたいな(笑)

エダホ まあ一回作るとね、他でも使えるし。楽しく作らせてもらいました。

あげりん 当日になって細かいギミックとか教えてもらって(笑)あのモニターの下の丸がしゃべると動きますとか!

エダホ ああ、あの誰も気づかなかったやつね(*7)

*7:Mayaによるアバター設計(画像提供:エダホ)

──アバターは何のソフトで作ったのですか?

エダホ Mayaです。ちなみに、あいうえおの「い」の時はちゃんと円が平体に「い」の形になるように作ってます。

あげりん えっ!それもちゃんと言ってくれないと!(笑)当日も見たのに、もったいない(笑)

エダホ いや、そんなに正確には音声認識したリップシンクしてないので(笑)顔部分にアイコンを投影できるっていうclusterの仕様を聞いていたので、アイコンを活かせるデザインにしようと考えてこんなテレビマンみたいな感じになりました。

あげりん その絵の作者だとわかりやすいように、キャプションボードと同じアイコンをアバターにも載せたかったので、そこの意見が合って良かったです。

エダホ clusterのデフォルトアバターが人型なので、僕たち出展者は人間じゃないキャラクターの方が目立ってわかりやすいかなとも思って作りました。

あげりん フォーマルな衣装もこの空間とマッチしてましたよね。そらさんの空間デザイン見ていたらちょっと格式高くしたくなっちゃいますよね。

エダホ そうそう。それとメインビジュアルの作者さんからキャラクターの立ち絵を見せてもらってアバターの衣装デザインをリンクさせました。金のラインや八角系の模様を入れたり。今回のアバターは一種だけ、性別の区別をしないのでユニセックスなデザインにしています。(*8)

*8:アバターのデザインラフ(画像提供:エダホ)

あげりん 後頭部の色も各自の色設定ですか?

エダホ そうですね。アバターはみんな同じ格好なのでちょっとだけ個性が出せるようにパーソナルカラーを設定しました。ただ影がつけられない単色なので、ワンポイントでしか活かせないから後頭部と口·胸の三か所だけにしました。後頭部は後ろから見ても認識できるように。

あげりん 私ずっと一人称視点だったので後頭部の色が変わってることに当日気づいたんですよ!

エダホ そういう告知してないのを仕込むのが好きなんですよ(笑)あと、ポリゴン数も6000いかないくらいでできましたね。clusterのアバターで凝ったものだと3万や5万ポリゴンとかいくものがあるんですけど、このアバターは大勢が着る前提だったのでと処理負荷がかからないようになるべく軽めに作りました。

来場者数について

──延べ753人の来場者数と聞きました。大成功ですね!

そら clusterイベンターのイベントでも多くて600〜650人だったので初めての素人にしては普通にヤバイくらい多いですね(笑)clusterのホームページのオンラインワールドリストでも4時間ずっと上位に表示が出ていました。

エダホ オススメのワールド紹介みたいな?

そら そうです。人が多いと注目されているワールドやイベントが表示されます。

あげりん え〜すごい!告知1ヶ月くらいしかしていないのに!clusterの仕様上、イベントのサムネイルを用意できていないとそのイベントが公式サイトやアプリ内のイベント一覧に表示されないので、メインビジュアルが完成してようやくイベントの存在を表すことができたんです。メインビジュアルの最終稿がお盆過ぎだったので告知期間は1ヶ月ちょいだったんですね。ともかくいろんなツテをつかって告知してもらいました。

──あげりんさんの“いろんなツテ”とは?

あげりん 他大のイラスト系学科の学生さんとか、イラストのフォロワー数の多い方とかにSNSで拡散をお願いしました。出展者でも大学垢と別のアカウントを持ってる人はそっちでの告知も積極的にお願いしました。あと同じ大学でイラストコース以外のコース生と知り合いがいる人にも拡散をお願いしました。大学の公式アカウントも告知ツイートにいいねしてくださってたので「もういいだろ」って思って最後の方は大学名をハッシュタグに使っちゃっていました(笑)もっと驚いたのが、前日に、コース主任の虎硬先生にメンションをつけてツイートした猛者が現れて!!(笑)もう本当にびっくりでしたよ!心臓止まるかと思っちゃった。

エダホ 虎硬先生どころか5〜6人の先生のメンション入ってて(笑)

あげりん でもそのおかげで、Twitterで反応してくれた先生(*9)もいたり、 本当に当日会場にいらしてくれたみたいなんですよね!主任の虎硬先生も、Twitterで「めちゃくちゃいいな。これぞインターネット。」っておっしゃっていて、(*10)本当にその通りだし、この言葉そのものが今回のキャッチコピーみたいな感じに思いました。学生主導でこうして楽しんでいるから学校でももっとこういう楽しいことをできたらいいなって思うんですよね。学校と学生、相互で刺激し合って新し物好きが集まって新しいものを引っ張ってきて見せ合うみたいことができないかなって思いました。

*9:「レイアウト・構図」担当、斉藤先生のツイート

*10:コース主任の虎硬先生のツイート

来年に向けて

──来年も芸術祭があるとして、来年の運営スタッフに必要な「心得」みたいなものはありますか?

あげりん ひとまず、言い出しっぺの人が最初にやることはスタッフの募集ですね!今回のような大規模の場合は最初に10名くらい人員を集めて役割分担を決めてしまえば、そこまで難しくないんじゃないかと思ってます。

そら 確かに、二人でやるものじゃなかったですね(笑)エダホさんも手伝ってくれましたけど、それでも手が足りなかった。

──今回の展示会ノウハウを資料としてまとめて、希望するKUA生に共有してくださるというお話を伺いました。

あげりん 今回はネット(仮想空間)でのイラスト展示のいいモデルケースになったと思うし、芸術祭だけでなくグループ展や卒展にも応用できるので、そういう展示会をやりたいっていう人に今回の運営についての資料を提供したいなって考えてます。今回の芸術祭用に作ったDiscordのサーバーも残すので、運営会議チャンネルの流れも見てもらえたら参考になるかなと思います。資料は今年の卒展にも活かしていただきたいのでそれに間に合わせるように、年内くらいを目処にまとめたいと思っているのですが、そもそも卒展は卒制のスケジュールがギリギリなんですよね。

エダホ ああ、確かに。

あげりん 卒制の作品締切は確か年内でその後の2月にプレゼン用のスライドというか動画の制作があるんですよね。そこから卒業式の前までに卒展となると卒展の準備期間は1ヶ月あるかないか。その短期間で会場を作ったり告知したり…1年後に自分が卒展をやる時はどうするか今からちょっと心配です(笑)仕事や家のこともあるし。

──よくぞ芸術祭運営してくれましたね!

あげりん いやいや、今回の開催は参加者のみなさんのおかげですよ、本当に。はじまりは小さなグループ展のノリだったのに、こんなたくさんの作品を預けてくださって、お友達をたくさん呼んでいただいて。アバターを作っていただいたり、メインビジュアルを描いていただいたり。来年もきっとこういう言い出しっぺ役さえいれば、きっとみんな乗っかろうって思うと思いますよ。

エダホ そうですね、言ってくれたら乗っかりますね。

あげりん なので、来年の言い出しっぺの人を募集しています!可能な限り、全力でサポートします!(笑)

そら 僕やKUAblender勉強交流会の方を使ってくれる方も募集中です!(笑)

あげりん きっとイベントプロモーターの実績としてポートフォリオにも載せられると思います。こういう企画運営の仕事できるよって、自分の肥やしになると思います。

──みなさん、本当にお疲れ様でした。特別な機会を作っていただいて参加者のひとりとしてとても感謝しています。これをきっかけに通信課程でも生徒同志の交流が活発になって切磋琢磨していくかもしれませんね。今後もイラストコースの活動を楽しみにしています。

以上、抜粋でした。

全文掲載のPDFはこちら

放談全文をご覧になりたい方はPDFをご用意しています。
※PDFは放談ページのみです。作品ページは含まれていません。

図録──ブックデザインの全貌

以上の放談は今回の図録の巻末にまとめて掲載することになったのですがその図録は展示に作品を出した参加者のみの配布ということになりまして。作品をここでお見せすることはかないませんので代わりに300ページを超えた(見開き161ページ)超大作の全貌を小さな小さなサムネイルでまとめてみました。

エディトリアルデザインのお師匠に倣っていた頃から10年以上経ちますがこの時ほどお師匠の元に転職してよかったと思ったことはありません(その前は広告でした)ブックデザイン、インタビュー、編集を全部ひとりでやったのはこれが初めて!編集って沼ですね。以下、少しですが図録デザインのポイントをご紹介します。

表紙+裏表紙

B5変型で組んでいます。PDF配布とはいえ冊子になることを想定しているので、表紙(右半分)と裏表紙(左半分)は通常の「左綴じ」の作り方ですね(下のイメージ図参照↓)帯の中央が少し空いているのは本来背になるところです。

メインビジュアルの女の子の顔が画面右側に配置されていたので表紙はもうこのレイアウトしかない!と思いました。“帯”感を出すのにキャッチコピー入れてます。某先生の賛辞Twitterから引用です!詳しくは本文参照ください。

見返し(H2)、トビラ

もし、最近流行しているリアルクローズ系の某画集をご覧になったことがある方ならこの見返しのデザインに見覚えがあるはずです。(BALCOLONY.さん大リスペクトです。)

もくじ

カリキュラムのショルダー名が似てて、何度も文字校正で泣きそうになりました。

中トビラ

中トビラは最後までデザイン悩みました。ただ、凝ったデザインにするのは今回の展示会コンセプトに合わないかなと思ったので最終的にすごくシンプルになりました。課題の詳細をテキストで書くことはできないのでトビラに何も書けないなあと思ったところ、お名前インデックス化やってみたくなり、文字校正でさらに自分を追い込む事態に(笑)

作品ページ

自分以外の作品は載せられないのでグレーで置き換えています

作品ページのレイアウトが図録の中で一番こだわったところです。(他の方の作品等は載せられないのでボカシ入れています。)1作品ごとにプロフィールを併記しなければならないのですが、作品サイズや文字量がバラバラなのをうまくまとめることができました。全員分のQRコード生成や全作品のコメントの手入力は執念(笑)

ヨコは見開きいっぱい。それ以外のレイアウトは単ページと揃えています。基本的にタテ・ヨコどちらのレイアウトも「1作品を見るため」のもので、かつ1ページだけを抜き取っても違和感がないように丁寧に仕上げています。

運営スタッフ放談ページ

実際にプリントアウトしても読めますがPDF配布に甘えて少し級数小さめ。自分がインタビュアーでもあるので、文字起こしの段階から構成を加えることができました。実際に会話順に段落が構成されているわけではなく読みやすくなるようにしています。なにせ4時間分の会話量ですから(笑)三人には何度も校正をお願いすることになりました。

奥付

奥付は冊子の醍醐味だと思うんです。シメっていうか。自分の名前もここでしか書けませんから(笑)冊子をイメージした写真は本来このブログのために作ったものですが、ブログを見ない方もいると思ったので図録の中にも載せました。ここしかなくて…。

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