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【嗜好音楽 #6】扇愛奈の「うれしい昼寝」がくれる幸せ

今回は、扇愛奈の楽曲から一曲。

扇愛奈「うれしい昼寝」

みなさんは"扇愛奈"というシンガーソングライターをご存知でしょうか?
私は2006年公開のホラー映画「輪廻」の主題歌で初めて扇愛奈を知りました。当時高校一年生、ホラー映画が大好きだった私は、友人とこの映画を観に行き、めちゃくちゃにビビりまくった記憶があります。

そんな私の青春にトラウマを植え付けた映画の主題歌が、同じく「輪廻」というタイトルがつけられた扇愛奈の楽曲でした

ホラー映画の主題歌の代表的なフレーズとして、リングの「来る きっと来る」というのがありますが、「輪廻」の「マワルマワルマワル」というフレーズはそれに匹敵するほどの強烈な印象を与えてくれます。退廃的なサウンド、扇愛奈の強めのビブラート、更にホラー映画の主題歌ということも相まって、その歌声はどこかおどろおどろしくも聴こえます

そんな扇愛奈の1st full album「ニッポンの150cm」の中に、「うれしい昼寝」という楽曲があります。

この楽曲は、「輪廻」とは全く異なるとても優しいアコースティクナンバーになっています。アルバムは全編を通してロック色が強く、基本的にはバンドアンサンブルで構成されているので、アコギ一本で歌われるこの曲はある意味異質な存在です。

「うれしい昼寝」はタイトルの通り、晴れた昼下がりに窓を開けてまどろんでいるような、とても柔らかい空気が流れています
実際にこの曲を聴くときは、そんなシチュエーションがおすすめです。

サウンド的にも、部屋の空気感までまるごと閉じ込めたような耳触りの良い仕上がりになっています。イメージですが、実家の自分の部屋(最大6畳)で一発録りしたような空気感になっています。いや、きっとそうでしょう。そうであってほしい。

歌詞を見てみると「この時間だけはすべてが 間違っていないとそう思えるよ」「幸せって素敵だな」という優しい言葉が散りばめられています。ただ、能天気に幸せを叫ぶようなことはなく、決して大風呂敷を広げるわけでもなく、あくまで忙しい自分の生活の中の「昼寝」という小さな幸せを歌った楽曲のように思います。その素朴さが、とても心地よいです

ぜひ、休日の昼下り、窓を開けて聴いてみてほしいです。


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