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自分ごととして取り組めるようになるマネジメント

わたしが所属する部署は、案件の担当を決める際に皆で話し合いながら決める。「この時期は誰の業務量が逼迫するから、これはわたしが持った方がいいですね〜」という具合だ。

今までは上長から「この案件はあなたにやってほしい」という依頼が降ってきて対応するのが普通だった。


まあ特にこの案件が持ちたい!という希望はないのだけれど。
とはいえ、皆で話し合って決めるスタイルに変わってから「自分が“やる”と言った事実」が意外にもその後のモチベーションに大きく関わってくるのだとわかった。

もちろん自分で0から考えた企画はそれだけ力が入るものだが、毎回すべてを0から企画できるわけではない。



やれと言われた案件も全力でやらせていただきますという所存ではあるのだが、どうしても自分ごととして取り組むことが難しい。
どこか「やれと言われた案件だから」という枕詞がチラついてしまう。

自分で「やる」と選択した事実さえあるだけで、不思議とそんな邪魔なつっかえがなくなる。だって自分でやると言ったから。
子供騙しみたいだが、少なくともわたしには効果的だった。


将来マネジメント側の立場になったときを考えると、トップダウン的に依頼するのではなくて「自分が“やる”と言った事実」をつくるために部下による思考と発言を引き出せると良いのではと思った。



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2020年 高校サッカー選手権 東京都大会にて、堀越高校が29年ぶりに全国大会出場を決めた瞬間を覚えている。

コロナ禍になってはじめての大会だった。全国で一斉休校になり、部活も休止・大会も軒並み中止。高校生たちのメンタルが心配でたまらなかった。


堀越高校サッカー部では、選手たちが主体的にトレーニングメニューもメンバーも決めていくボトムアップ方式を取り入れているそうだ。

大人のスタッフたちは選手が表現したいと思うサッカーに近づけようと「補佐」をする役割だという。佐藤監督はファシリテーターとして積極的な発言を促し、先輩も後輩も関係なく活発な意見交換がなされるそう。


思考を変えれば、全ての学校が平等な条件下に置かれた。佐藤は《こんな時こそ自主性、主体性を強調して取り組んで来たことが強みになる》と予感していた。
(中略)
堀越の選手たちは、誰かから押し付けられて部活に取り組んでいるわけではなかった。もし指導者から一方的に指示を受け苦痛に満ちた日々を送っているなら、束の間の中断を歓び羽根を伸ばそうとしたかもしれない。
「毎日の部活が高校生活一番の宝物」 堀越高校サッカー部のボトムアップ物語



一斉休校中は、誰にも強制されることのない環境で各々が自主的にトレーニングをしなければならない。

いつ社会活動が再開されるのかわからず、いろんな情報も飛び交っていた。閉塞感に今にも息が詰まりそうだったあの時期は、ほんとうに日本中が皆戸惑っていた。


しかし学校が再開された約3ヶ月後、いきなり躍動する堀越高校生の選手たちの姿を見て、自宅待機中も全員が自主的に強度の高いトレーニングを続けてきたのは明白だったそう。



これってリモート環境下で仕事をせざるを得なくなった我々ビジネスパーソンにも同じことが言える。

リモート環境下になってからある意味ハッキリと眼に見えるようになった。上司に見られているから、怒られるから、と仕事を“やらされている”人にとってはなかなか厳しい環境だと感じる。

「やる」理由を自分の中に持っていること、自分の中に見出せることはアドバンテージになる。

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