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【米国株】売り抜け日

売り抜け日とは、著名投資家のウィリアム・オニール氏が考案した大化け株を見つけるCANSLIM分析で登場する概念です。CANSLIMにおけるMとは「Market Direction(株式市場の方向)」の頭文字で、市場の向き(強気・弱気)を指します。

一般的に、75%の銘柄が市場に追随すると言われています。市場が下落傾向なら4銘柄のうち3銘柄は下落するのです。ゆえに相場全体の方向性に注目することは極めて重要なのです。

売り抜けとは、機関投資家の株式の大量売りのことを指します。機関投資家は何かしらの情報(市場が弱くなるなど)を仕入れ、一般の投資家よりも先に株式を大量に売ります。これは上昇傾向の時に起こるとされています。機関投資家は運用資金が膨大であるため、一度に持ち株を処分すると自身の売りで株価を下げてしまいます。なので、上昇トレンドの時に、回数を分けて株を売っていくのです。多額の資金を運用する機関投資家の保有が減ることで、一般投資家だけでは上昇の継続はできなくなり、相場の下落が始まります。

売り抜け日に注目することで相場の下落を大まかに予想することができます。

1つの指数(S&P500もしくはNASDAQ)で、4~5週間で売り抜け日が3~5日以上、または2~3週間という短い期間で4日ある場合に、天井が近い(下落の)可能性があります。売り抜け日の増加・減少ルールは以下の通りです。

【売り抜け増加ルール】

  • 株価指数が前日より-0.2%以上& 前日以上の出来高で追加。

  • 出来高が増加(または前日出来高の100%〜95%)したが、価格はあまり動かない場合でも追加(失速日)。

【売り抜け減少ルール】

  • 売り抜け日追加から25営業日経過後、その売り抜け日はもはや関連性がないとして1日減少。

  • 売り抜け日の終値から5%以上の上昇で、その売り抜け日はもはや関連性がないとみなし、1日減少(5%ルール)。

  • 売り抜け日が蓄積し調整相場になると、売り抜け日はリセット(0日)され、調整相場の間はカウントしません。

売り抜け日のカウントを確認し、売り抜け日が増えると警戒が必要です。警戒する際には、以下の対処法を考慮すると良いとされています。

  • 新規の買いは慎重に行う。ファンダメンタルやセクターが良い銘柄を選ぶようにする。

  • 保有株が順調かを注視する。保有株に弱気なサインがないかを確認し、セクターも確認する。

  • 利益を確定する。保有株に利益が出ている場合、利益を確定する。

  • 含み損銘柄を整理する。含み損がある銘柄を優先的に売り、ポジションを小さくしていきます。

IBD(Investor's Business Daily)では無料でNASDAQ、S&P500の株価・出来高・チャートを見て売り抜けの確認ができます。
※有料版では売り抜け日数が表記されます。https://www.investors.com

しかし、売り抜け日も万能ではありません。売り抜け日が増加しても相場が崩れず、日数が経って売り抜け日のカウントが減少していくこともあります。

下落が始まったとしても、それが20%を超える下落であることは極めて稀であり、ほとんどが5%〜10%の調整に終わります。売り抜け日は判断材料の一つであり、他の材料も見ながら投資は総合判断すべきだと考えます。

2024/3/27現在、売り抜け日はS&P500が6日、NASDAQが8日です。かなり貯まってきています。

4/15の米国の確定申告前には税支払いのための売りが出ることが予想されます。23年の相場はかなり良かったので、売りは比較的大きくなると思います。確定申告の件も考慮するとそろそろ市場は下落するのではないかと思います。しかし、確定申告の件はあくまで手続き的なものであり、景気や金利、企業業績に影響を与えるものではないため、押し目は買いのスタンスを維持します。

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