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【決算】JPモルガンチェース(JPM)FY24Q2

【概要】
⭕️EPS $6.12 vs $5.88
⭕️売上高 $502億 vs $422.3億
売上高成長率+21.5%

消費者および地域銀行(CCB)

純利益: 42億ドル、収益: 177億ドル(前年比3%増)
新規投資家数が過去最高

企業・投資銀行(CIB)
IB(投資銀行)手数料が前年比50%増加、前四半期比17%増加
市場収益が前年比10%増加

資産および資産管理部門(AWM)
純利益: 13億ドル、収益: 53億ドル(前年比6%増加)

費用と信用コスト
総費用: 237億ドル(前年比14%増加)
信用コスト: 31億ドル(前年比62%増加)、純貸倒償却額22億ドル、純引当金積み増し額8.21億ドル

バランスシートと資本
CET1比率: 15.3%(前四半期比30ベーシスポイント増加)

株主リターン
四半期配当金: 1株当たり1.15ドルから1.25ドルに増額予定

〈所感〉
良い決算でした。FRBによる高金利政策が市場の予想以上に長く続いているため、JPモルガンはその恩恵を受けています。しかし、株価は決算発表後、軟調でした。これは貸倒引当金やクレジットカードの損金計上の大幅な増額を投資家が嫌気しているせいだと思います。カード・ネット・チャージオフ比率 (貸倒償却率)は3.50% (前年同期2.41%) でした。この比率は2.41%→2.49%→2.79%→3.32%→3.50%と四半期ごとにスルスル上昇してきており、上昇が止まりません。ナイキやデルタ航行などの消費関連株の決算も冴えなかったことを考慮すると、米国経済の中心である個人消費に陰りが見え始めていると考えるのが自然です。仮に景気支援のための利下げが近々行われる場合、高金利の恩恵を受けている銀行株には逆風です。また、クレジットカードの焦付きが更に上昇する場合でも業績には逆風です。ゆえに今回の決算は好決算でしたが、この株はスルーしたいと思います。

【決算コール】
Q&A
Q「消費者側について、クレジットカードの延滞率が安定するのを待ち望んでいるという点について何かお気づきのことはありますか? 明らかに、損失率は予想どおりで、30日間はほぼ横ばいで、90日間は少し下がっています。これは季節的なものでしょうか? 単に変化率の傾向として良いのでしょうか? 何かご意見はありますか?」

A「そうですね。カードの貸倒れや滞納に関しては、まだ目立った変化はないように感じます。悪化ではなく、正常化が進んでいます。予想通りです。

先ほども申し上げたように、私たちは常にコホート内、所得コホート内を非常に注意深く見ています。そして、例えば支出パターンを具体的に見てみると、低所得層で若干の弱さが見られるという行動の証拠が少し見られます。裁量支出から非裁量支出への支出のローテーションが少し見られますが、その影響は非常に微妙で、私の考えでは、私たちが目にしている経済環境のタイプと完全に一致しています。経済環境は非常に強力で、金融状況の引き締めを考えると、2、3年前に予測されていたように、誰もが考えていたよりもはるかに強力ですが、失業率はわずかに上昇し、GDP成長は鈍化しています。そのため、支出の一部で若干の弱さが見られるのもまったく驚くことではありません。つまり、ある意味では、実際にはあまり興味深い話ではないのですが、すべてがまとまっているのです。」


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