【金融システム】サーキット・ブレーカーとは
サーキットブレーカー(Circuit Breaker)は、金融市場において急激な価格変動を抑制するためのメカニズムです。具体的には、市場や特定の銘柄の価格が短期間に一定以上変動した場合に、取引を一時停止することを指します。これにより、パニック売りや過剰な反応を防ぎ、市場の安定性を保つことが目指されます。
サーキットブレーカーの定義
サーキットブレーカーは、予め定められた基準(通常は価格変動率)を超えた場合に、自動的に取引を一時停止する制度です。これにより、急激な市場の動揺や価格の高騰・暴落を防ぐことができます。
導入された意味
サーキットブレーカー制度が導入された主な理由は以下の通りです:
市場のパニックを防ぐ:急激な価格変動により市場参加者がパニック売りをするリスクを減らします。
冷静な判断の促進:一時停止により投資家に冷静さを取り戻させ、適切な情報に基づいた判断を促します。
市場の安定性:価格が急激に変動することで市場全体が不安定になるのを防ぎます。
導入の経緯
サーキットブレーカーの導入は、1987年10月19日に発生した「ブラックマンデー」と呼ばれる世界的な株価暴落がきっかけとなりました。この日に米国の株式市場が急落し、市場の混乱が広がったことから、こうした急激な価格変動を抑えるための制度が必要とされたのです。その後、1990年代初頭から米国を中心に多くの国・地域でサーキットブレーカー制度が導入されました。
発動の頻度
サーキットブレーカーの発動頻度は市場の状況や設けられている基準によって異なります。例えば、通常時には数年に一度程度の頻度で発動されることが多いですが、特に市場が荒れる時期(金融危機やリーマンショック、COVID-19のパンデミック時など)には頻度が高まることがあります。
具体的な発動基準は市場ごとに異なりますが、一般的には以下のような基準が設けられています:
米国株式市場:主要指数(例えばS&P 500)が前日終値から7%、13%、20%の下落をした場合。それぞれの閾値に達するごとに異なる停止時間が設けられています。
まとめ
サーキットブレーカーは、価格変動が急激になる際に市場を一時停止することで、投資家に冷静さを取り戻させ、市場の安定性を保つための重要なメカニズムです。1987年のブラックマンデーを契機に広く導入され、現在では多くの金融市場で運用されています。発動頻度は市場や金融環境によって異なりますが、通常は数年に一度程度で、特定の金融危機時にはより頻繁に発動されることがあります。
日本株は先週、今週とサーキットブレーカーが連発しています。
特に銀行株がこっぴどく下げている点は気になります。日銀による利上げが影響していると思います。日銀関係者からは「インフレ率2%と同等の政策金利が自然」という発言が飛び出しており、利上げムードは高まっています。この利上げムードが和らぐまでは厳しいと考えます。ネットでは買いチャンスとの声がありますが、僕は安易なバーゲンハンティングには賛同できません。
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