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【米国株】急成長株の崩壊パターン

成長株の崩壊パターンには一定の型があります。

まず急成長株は投資家の期待を超える高い成長率を背景に株価は急上昇します。その時は、まだ赤字か、もしくは損益分岐点を少し超えた程度であり、利益はほとんど出ていません。

成長率が同じ銘柄を比較して、一方はPERが100倍を超えている、もう一方は60倍だから、100倍は割高と判断してしまいがちですが、それは各銘柄の損益分岐点の超え具合の進み方が違っているだけであり、PERという一つの指標だけを当てはめて割安・割高と判断することは上手くいかないと思います。

話を戻しますと、急成長株の上昇の初期段階ではPERは極めて高い傾向があります。市場平均の数倍であることはザラです。2020年の相場のリーダー銘柄であったテスラ(TSLA)は1000倍を超えていました。

この高いPERの値だけを見て、この株は割高すぎると判断して買わない判断をしていた投資家は少なくなかったと思います。 しかし、急成長株はよっぽどのことがない限り安値では買わせてくれません。テスラも例に漏れず急上昇局面ではPERは一回も市場平均まで落ちてきませんでした。

ランボルギーニやフェラーリは半値割引で売り出されることはないのです。仮に半値で売られていたのならば、むしろ何か問題が隠れているのでは?というかブランド価値が暴落していて更に値崩れするのでは?と疑うべきです。今、テスラのPERは38倍に下がってきていますが、これはテスラが全然成長の出せない企業に成り下がったとマーケットが判断していることを意味します。

2020年のリーダー銘柄であったズーム(ZM)も急上昇局面ではPERは極めて高いままでした。

今では両方の株価も崩れてしまっていますが、これはPERが高くなりすぎたからではありません。その証拠に株価が崩れ始めるかなり前からPERは下がってきています。これは成長が進んだ結果、大きな利益が出始めPERが急速に圧縮されたからです。

成長株においてPERは利益成長によって大きく変動します。急成長株はPERだけを見ても割安・割高を判断できないのです。

株価が崩れ始めたのは、その銘柄が投資家の期待する成長を出せなくなったからです。投資家の期待を超える成長を出すたびに、投資家の期待は上がっていきます。それでも本物の急成長株は上がったハードルを何度も超えてきます。最後は、到底超えられないところまで投資家の期待が吊り上がってしまいます。その頃には急成長株も旬が過ぎ去りかつてのような成長率を出せなくなっています。そして吊り上がった投資家の期待を超えることに失敗し、失望売りで株価が崩れるのです。

一度崩れ始めた株価は、成長性が急改善しない限り、膨れ上がったPERを維持できません。PER圧縮とともに株価も下落していきます。以上が急成長株の崩壊パターンです。

ここからの教訓は、急成長株を買う良いタイミングは上昇の初期段階であり、その時PERの高さを恐れてはいけないのです。

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