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一般人、アートバーゼルへ行く(かもしれない)

世界のアートフェアのトップと言われるのが、スイスのバーゼルで開催されるアートバーゼル。
もうアートバーゼルという名が強すぎて、香港でもフロリダでもアートバーゼルが開かれているらしい。
そもそも、スイスのバーゼルという土地で開催されているところからの名前らしいけれど。

バーゼルと言えば、時計の見本市というイメージくらいしかなかった。
デパートで超高級ジュエリーを展示しているのを見に行った時に、いろいろ説明してくれた人がどうも外商部の人だったらしくて、「バーゼルでどうのこうの」という話を聞いた程度しか、日常でバーゼルという言葉は聞かない。これも日常的な会話かというと、外商さんが日常な人ではないので、非日常ですね……
(外商というのはデパートで上顧客さんのための部門で、店舗の売上の何倍もの価格のものをスッとお金持ちの家に持って行く係の人……)


昨年終わりから、美術展にいくのを再開し始めたことから、なんとなく現代のアート(現代アートとくくらず、今生きている人たちが作っている作品)をリアルに購入することも検討する視点で見ていこうという気持ちになっていった。
なので、アートフェアにいこうかなー、ギャラリーに行ってみようかなーという感じになったのだ。

で、「どこがいいですか」と有識者に聞いたところ、「スイスのアートバーゼルがいいですね」。

いきなりパスポートが必要な提案です。
国境超えるね。
私、電車に乗って観に行けるくらいの範囲を想定していたんだけどね。
いうて、パニック障害あるから、移動も結構ストレスあるタイプなんですよね。

「世界最高水準を見ておくのがいいでしょうね」
そりゃ理想はそうだけど。

そうだけど。

と思いつつ、ふと「いけない事もないか」ということを思う。

ブランドのバッグ、欲しいなと思った腕時計2本、1枚10万円のスカート、ジャケット。そういうものを通ってきて、かき集めれば渡航費は出せるかもしれない、高いバッグを買うような感じで……と思うようになった。


でも服は、金出しただけ返ってくるじゃん……「あっいい服着てますね!」ってそういうのが好きな人たちから高い評価を勝手にもらえるじゃん。でもアートを見にヨーロッパまで行ったって、それに何十万円も費やしたって、私に何か返ってくるだろうか。
心が豊かになりましたね、なんて曖昧なことに40万も50万円も払える?
何ヶ月分かの家賃にでもした方が心が豊かになるよ。
むしろ、貯金を捨てるようなものだよ。

しかし、人間、たまにそういうことをしないといけない。
意味のないことに、積み上げてきた金などをパーッと使ってしまう事を。


とはいえ。
パニック発作を抱えながら、何もわからないアートフェアに行って、ポカーンとしてただ帰ってくるというのは、厳しい。

まずパニック発作を少しでも抑えるトレーニングと、美術鑑賞スキルの大幅UPが必要だ。
しかし美術鑑賞スキルも、別に美大入学したいわけでも何でもない、ただの一般人、一消費者、一鑑賞者というポジションでのスキルUPだ。

これはむずかしい。
どちらも難しい。しかしパニック発作改善は、割と人生を賭けた課題なので、やった方がいい。
美術鑑賞スキルは、なくても何ら困らないが、あっても困らないので、あってもよい。

ということで、まだスイスにいくとは決め切れないけど、美術展に行きまくり、スイスへのフライトやホテル、旅程について割と細かく詰め始めている。

一般人、アートバーゼルにいく。実現なるか。

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