私にとってのエース、あなたにとってのエース①

※2014年5月にアメブロに投稿したものを転載しました。
 内容や感情は当時のものです。

野球においての“エース”とは、国語辞典によると「チームの柱となる投手。主戦投手。」である。

“チームの柱”となるために必要なことは何だろうか。
スポーツという性質上、まずは結果を残すことが大切だろう。
それを大前提として、エースには国語辞典に表記されない様々な条件があると思うのだが「これとこれに当てはまればエース認定だ!」という明確なものがあるわけでもない。

そこで今日は「私にとってのエース」を勝手に考えてみようと思う。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

一般的にはどんな投手がエースと認識されるのだろうか。
エースと呼ばれる投手は多くの場合、シーズンの開幕投手という重要な役割を担う。
逆に言えば、開幕投手を任されるようになれば“エース”と認められたということだろう。

それを踏まえて、2014年の開幕投手を昨季の勝敗、防御率と共に見てみよう。

パ・リーグ

<楽天>
則本昴大 15勝8敗 3.34

<西武>
岸孝之 11勝5敗 3.08

<ロッテ>
成瀬善久 6勝4敗 3.00

<ソフトバンク>
攝津正 15勝8敗 3.05

<オリックス>
金子千尋 15勝8敗 2.01

<日ハム>
吉川光夫 7勝15敗 3.31


セ・リーグ

<巨人>
菅野智之 13勝6敗 3.12

<阪神>
能見篤史 11勝7敗 2.69

<広島>
前田健太 15勝7敗 2.10

<中日>
川上憲伸 1勝1敗 3.21

<DeNA>
三嶋一輝 6勝9敗 3.94

<ヤクルト>
小川泰弘 16勝4敗 2.93

なるほど。
開幕投手を任されるだけあって、昨季の防御率は全員2~3点台である。
“結果を残す”という第一条件においては、ほとんどがエースに相応しいといえるだろう。

勝敗に関しては打撃との兼ね合い他、いろいろな状況が考えられるので負けが多いから一概に悪いとも言い切れない。
勝ち運を持っていることがエースの条件のひとつ、という考え方もあるかもしれないが。

昨季は開幕前にWBCが開催され、エースが日本代表として出場していたチームもあった。
そのため、疲労が蓄積しているエースの代わりに二番手が開幕投手を務めたチームもあったわけだが、今年は何の懸念もなくエースを開幕投手にしたとみていいだろう。

中日が、昨季たった5試合の登板で一度自由契約にまでした川上を開幕投手としたことは話題になったが、過去6度開幕投手を経験し、新人王、MVP、最優秀投手、沢村賞などなど輝かしい功績を残していることや、他にフロントが心中を覚悟できるような投手がいなかったことを考えると、自然な選択と考える。

他にも、岸、成瀬、金子、吉川、能見、前田と、十分な実績のある中堅、ベテランの名が並ぶ一方で、則本、菅野、三嶋、小川とプロ2年目が4人も顔を揃えたことは今回の大きな特徴であった。

則本に関しては、昨季WBCに出場した楽天のエース田中将大の代わりに開幕投手を務めたが、他3投手は今年が初の開幕投手となった。
皆、昨季新人ながらチームに大きく貢献したことがわかる。
このような若手の活躍は、本当に喜ばしいことである。
今後のプロ野球界は、彼らが先頭に立って盛り上げていくのであろう。

が!しかし!

個人的には、喜びを感じる半面どこか受け入れきれないところがあるのだ。
なぜなら、それは同時に、今までエースとして君臨してきた投手がその座を奪われてしまったということだからだ。

どんな選手にも衰えはやってくるし、いつか引退もする。
新しいヒーローが現れるとスポットライトはそちらに当たる。
それが世の常。そう、わかっている。
でも…

エースとして十分役目を果たした投手については、納得ができる。
例を挙げればDeNAの三浦や西武の西口である。
しかし、今年開幕投手の座を奪われた投手の中には、まだまだエースと呼ばれるべき投手がいるのではないか、世代交代はちょっと早いのではないか、そう思うのである。

では「私にとってのエース」は誰なのか。


『私にとってのエース、あなたにとってのエース②』
に続く


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