画像1

ありふれた抒情をつづった詩/左部右人

芦野夕狩、柴田蛇行
00:00 | 00:00
作品URL
https://www.breview.org/keijiban/?id=4052

ありふれた抒情をつづった詩/左部右人

たりないことばかりが、
 日々の越境を、
さまたげるばかりで
 もういいかいって
声に、この不適切の
   この不適格の
   この不適正の
   この不適合の
   この一人の男
としての
たえがたきが、しげきされ
ました。

(37.5度の微熱を
 オブラートに包んで
 「38.5度もある」
         って
         口にした日の
             あの歪んだ唇が
             ふと思い、出されたのであります。
             この柔らかな唇を、含んだあとに。)
……(もういいよ)
…………(もういいって)
……………………(忘れました、よ)

あいするひとがふたり、
 いるんだってさ、
  でもねぶきようだからあのこ、
   ひとりしかあいせまんせんってさ

たりないことばかりが、 
 日々の越境を、
さまたげるばかりで
 もういいかいって
声に、( 男の感傷ほど醜いものはない
     男の感傷ほどみにくいものはない
     男の感傷ほどみにくいものはない
     男の感傷ほどみにくいものはない
     男の感傷は醜い)
わたしは最愛なる一日を見出したのであります。

   わたし#は、きみ#も、すき#で、す。

「ほんとうに」
「ほんとう、に」
「も、」
「が」

もう詩的な言葉なんかやめたいしそろそろ直感をあんてなに振り切って文字をうにゃうにゃと紡いでいたいんだけど
もう一人の言葉なんかやめたいしそろそろ二人であんてなを張り切って意味をにゃあにゃあと紡いでいたいんだけど

    わたし#は、きみ#が、すき#で、す。

言葉の重みに耐えきれずに轢死した、
    あの4丁目の
    曲がり角で
2軒隣の核家族
軒下には、言葉の骨が埋まっていたらしい。
    捨て場所に困っていたのやも
    しれませぬね

    わたし#は、きみ#が、すき#で、す

Moderato cantabile
Moderato cantabile

わたしは、きみも、すきでした。

Moderato cantabile
Moderato cantabile

わたしはきみがすきです

もしよかったらもう一つ読んで行ってください。