「日本遺産物語コンサート〜奄美/沖縄の風を、歌と演奏でお届けします〜」の個人的感想文(2022.9.11)
0 はじめに
2022年9月11日(日)。コロナ禍のなか2022年2月19日開催分を延期し、当初開催予定から半年を経ておこなわれたコンサートの感想を書いたこのnoteは、当該コンサートに行って来た記録です。
なぜ今更、過去のコンサートの感想を?というのには訳があります。
当初、この内容はTwitterで散発的に呟き、その後Twitterモーメントに掲げていましたが、Twitterの仕様変更によりモーメントが見られなくなってしまいました。
ピアニスト・ござさんを引き続き応援していくのに、Twitterに頼らずnoteに再掲という形を取らせていただいたため、時差のあるアップになってしまいました。noteに再掲するにあたり、Twitterの引用リンクは外し、スクショに変えましたこと、またTwitterに掲載当時より加筆したことをご了解ください。
なお、わたしは音楽関係者でもなく絶対音感もない、ピアニスト・ござさんを単推ししている一般人です。音楽的知識もないので、方々に間違い等があるかと思われます。その際には優しくご教授いただけますと幸いです。
1 ライブ直前・直後のつぶやき〜Twitterを惜しんで加筆〜
❶2022年9月11日 朝。ときめく旅の始まりです。
出演者の方々は、ビッグネームばかり(元ちとせさん、城南海さん、中孝介さん、黒木千波留さん)。黒木さん以外のかたをライブで拝見するのは初めてなので、沖縄・奄美の音楽と出会い直すことになる予感に、新幹線に乗る前からワクワクしてる。
ござさんどうぞ楽しんで演奏してくださいね…!!
❷(コンサート直後のツイ)とにかく異次元のピアニストでした!あつこさんと話してたんだけど、おそらくリハで音量合わせして音響さんが整えた1.5倍の音量でサビのfffとか弾いてますよね…
スタインウェイでめっちゃエモい演奏して、踊って、共演者の真ん中に入れられて写真撮って、帰った後でゲーム配信に参加してるんですからね…すごいよね…
❸実はもう一人のpf.黒木千波留さん、わたし昔から存じ上げてて何ならライブも追いかけオリジナル楽曲のCDとかも買っちゃって、さらに非売品のネスレのJAZZアレンジCDとかすら某オークションで買うくらい好きなピアニストさんです(早口)。歌い手さんに合わせて弾く感じも、飄々とした感じもわたしの好みです。
ちなみに工業系大学出身で音大出でないところ(これはプライバシーに当たる情報だけれど、ご本人がブログに書いてらっしゃるのでご容赦ください)とか、ちょっと偏屈なところとかはござさんに似た感じもある…
❹中さん他、大御所である朝崎郁恵さんのバックも務めてCD録音にも参加。他にも和楽器に合わせるCDにも参加していたな…(黒木オタクでもある)
そんなわけで、ペンタトニックをピアノの十二で演ってきた演奏家の一人が黒木さんで、若き日のわたしは三線以外でこんな演奏ができるんだーと、びっくりした記憶がある。朝崎さんや中さんのあの複雑なこぶし回しにピアノで合わせられるという信頼感があるんだと勝手に推測する。
❺ござさんに戻ると、ござさんのたとえば「ソーラン節」(ねぴらぼで演奏)は、より洗練された複雑なリハモにペンタトニックを落とし込んでたけど、このコンサートは、きっとござさんにも刺激ある公演となったのでは?とわたしは思っている。
少なくとも勉強家のござさんは、黒木さんの演奏を見られるだけ・聴けるだけは予習していると思われるし、同じく黒木さんもそうであっただろう。後で触れるが、コンサート中におけるござさんと黒木さんの、ピアノの前での交代の数秒に、そんな尊敬と親密さを覚えたからだ。
❻黒木さんのオリジナルアルバムは敷居が高いとして、ボタンアコーディオニスト桑山哲也さん(俳優の藤田朋子さんの配偶者)の「JOY」というアルバムの「pour ceux que j'aime〜愛しき人へ」、黒木千波留さんの作曲で、名曲です。この機会にぜひに。
2 「日本遺産物語コンサート」におけるござさんの演奏記録
会場は、葛飾シンフォニーヒルズ モーツァルトホール。正面ではモーツァルト様が見守る会場です。めちゃくちゃいいお天気!我らが推しの、晴れ男っぷり確認です。葛飾という場所も、ござさんのホームグラウンド感がある。
会場には、かりゆし着た方もちらほらいらっしゃって、気持ちが盛り上がる!コンサートの副題「〜奄美/沖縄の風を、歌と演奏でお届けします〜」にふさわしい。
全体として、ござさんのソロコンよりさらに年齢層高め。公共放送の「歌謡コンサート」的な感じなのかもしれない。
ござらーさんとお会いして交流したいけど、座席に着くように係の方に強くオススメされ、ござさんの評判を汚さぬようにみなさま従っていて偉かった。わたしも静かに座席へ。
緞帳が下りていたため、ピアノの位置もメーカーもわからぬまま座席へ。わたしの座席は一階後ろの下手側。ぎっちり人が入ってますが、前の方はぱらっと。
客入れPAは波の音。何を弾かれるのか、何曲弾くのかすら未知の、ゲスト出演のコンサート。自分ごとのようにドキドキとワクワクの中、客電が下ります…
ソロピアノ「ユイユイ」
ドン(緞帳)の内からリフが…😍緞帳があがると、薄い紫色の照明の中の人影。ござさん?と最初思うほどのイメチェン!!!しなやかな体(知らんけど)にピッタリのスーツに、襟足がスッキリ短くなってるぅ!!
思いきりよく指ならしのあと、軽やかでかわいい「ユイユイ」😍💕これ好きー!
キャスでも言ったけど、結果、沖縄・奄美の歌がさほど多かったわけじゃなかったから、このユイユイスタートは本当に別世界に連れて行ってくれる魔法の曲だった。いつもながら、拍子をとる楽器は他にないのに、リズムを刻み88鍵すべてに挨拶するような手の跳躍。力強く愛嬌たっぷり。
愛敬、ということで言うと、ござさん、ピアノの腕はもちろんだけど、愛嬌がなかったらこうはならない運命だったかもと時々考える。いまもペンギンYouTuberで介護士さんだった可能性だってあった。
もしも引っ張り上げてくれるピアノ仲間がいなかったら?…昔から支えてきた聴き巧者の古参のファンが、彼の才能を愛さなかったら?…
そう考えると、ござさんの愛嬌と愛され力は群を抜いてる気がする…
そんなござさんの弾く愛嬌たっぷりのユイユイのあと、なんとひとりMC!ゲスト出演でこんなご褒美が!!!
名も存じ上げないけれど、誰か偉い人に御礼申し上げます!!!ありがとうございます!!!
「ユイユイ」は、昔TVで見たって話、思わずにやける。ポンキッキーズね☺️
体に合った三揃いの涼しげなブルーのスーツに畳ネコのバッヂ(ネコ不在)、バーガンディのベルトと革靴、オシャレでした。
「島唄」
そんなふうにMCで場をふんわりさせといて、座って即バーーーン!!と低音のfffからの「島唄」。これ、本当にすごかった。凄まじかった。
スモークが焚かれ(公演全体を通じてスモークはここだけ)薄い黄色とナマの照明の中、聴いたことのないような激しい島唄。このピアノの震えるほどの音量は、多分リハの音量超えてるよねごめん音響さん(誰目線?)…と思うほど。
荒々しいほどのfffと跳躍を聴きながら、作詞作曲の宮沢和史さんが「ウージの森」について、ガマで自決した2人のことだからそこだけペンタトニックを使っていないと書いていたのを思い出した。ござさんは、歌詞のある曲を演奏するときは必ず歌詞の世界観を演奏に投影する。この荒ぶりは沖縄戦のことだと思うと納得がいく。そんな「島唄」だった。
むろんこの2022年が、沖縄返還50年であることをござさんが知らないわけがない。分かった上で、MCで解説を披露したりすることなく、「演奏で」魅せるスタイルを貫いている。
だからこそ、わたしはござさんをピアニストとして信頼しているのかもしれない。自分の音楽を信頼できるまでに練習を積み重ねている人だからこそ、音楽に全て預けている。聴く人の感性に委ねている。解説によらずに凛と音楽が立ち上がってくる。
先に、介護士さんの運命もあったかもと書いたけど、もちろんわたしはそうは思わない。こういう、芸術に生きる人の真摯な生き方を、愛嬌が包み込んでいる、それがござさんなんだと思う。凄まじい集中力と高い芸術性を有しながら、一方で愛嬌と茶目っ気が彼の裡に存在している。これは得難いことだ。
「Danny Boy」
ソロピアノ最後は、「ダニーボーイ」。これも一種の反戦歌なのだろう。出征した我が子を思うダニボを、「ウージの森」を経た後にこそ、ござさんは観客に伝えたかったんじゃないか…ユイユイで島の持つ明るさ軽やかさを、島唄で歴史を、ダニボで反戦を…そういう曲構成だとすると、奄美・沖縄にルーツを持たないござさんなりの「日本遺産物語」なのではないか。
その「ダニーボーイ」。弾き慣れている曲という曲紹介の後、ござの日ともEnVisionとも違い、あえてJAZZっぽさは封じた出だし。トリルが美しい。途中から、ストライドに移行しつつ、ペンタトニックを入れる間奏を挟み込んで、手をクロスしてベース音を力強くボーンと入れる見せ場!素晴らしい音響の中の、素晴らしいダニーボーイだった。
「answer」
ここでソロは終わり、中孝介さんが合流。
まずは、11/16発売のアルバム所収の「answer」。
ござさん、中さんを見ながら美しくも音数を控えたスタート。もうござさんのピアノの腕は充分見ているので、ボーカルを支えるピアノに移ったことはよくわかる。ベース音で内声をシンプルに支えてる。低めのところで、中さんの声と被らないように伴奏しているところがさりげない。
そのうち、ボーカルもピアノも独立したかのように各々のメロディとなりまた内声となって歌が立ち上がる。まるで二部合唱…そしてハッキリ言って難曲!歌い手さんの真の力量が試されるような、伴奏者の自立したテクニックが試されるような、凄いやりとり。どちらかが間違えば崩壊するようなバランスの上で成立する芸術…そんな感じ。ここ後で加筆したい。
アルバム所収曲だけど、タイアップ曲とかではなく商業ベースじゃないからこそ、純粋に「美」を求めてた者同士の曲、という気がする。
攻めたピアノ伴奏、でも多分中孝介さんはこれ、すごく気に入ってると見ました。芸術です!
ここで中孝介さんのMC。ござさん、身体を中さんのほうに向けて手は膝の上。うんうん、うんうんって頷いてる。 紹介されて立ってお辞儀する時、どうしても脚は開いちゃう、そのぎこちなさがピアノの超絶技巧とギャップがありすぎる!めちゃくちゃイケメンでめちゃくちゃ衣装キメキメなのに、足開いてペコリ!
最高です!
中さんから「(ござさんのピアノが)リハーサルも痺れたけど、今日も…」とご紹介。客席で(。˃ ᵕ ˂ *)ウンウンしていたのは、わたしだけではあるまい。
「花」
そして中孝介さん「花」。Twitterにあげた時には書けなかったけれど、実を言うと歌手のうち中さん、元さんはおそらく本調子ではなかったはず。お二人のライブを拝見するのは初めてなので確証はないけれど、高音部が出ないはずのないお二人なので。もちろんプロだなあと思うのは、それでも普通以上のパフォーマンスを見せていたところ。すごかった。
そして、そんな歌い手さんの高音部を、さりげなくピアノが補っていたことは見逃せない。メロディラインを弾くはずのないところで補うナイスアシストに、職人技を感じたし、実はそれは黒木さんもなさっていた。…え ピアニストみんな天才なの…
「花」の出だしはボーカルスタートだけど、こちらもさりげなくテンポを変えて中さんが歌いやすいテンポに調整。間奏では、わたしには分からないすごい和音弾いてた…職人技の伴奏のあと、エンディングのキラキラふりかけが美麗でした。
ここでまた中さんのMC。その間、足元から水を取り上げて後ろを向いて水分補給して、マスク直す。この一連の作業、見慣れてるけどついつい見ちゃう。
そしてさりげなく楽譜見てた気がする。なんか確認してるのかな…ここまでは暗譜だったけど、と思ったらここで中孝介さん作詞の、「声を聞かせて」。
「声を聞かせて」
この「声を聞かせて」は、黒木さんが弾いていらしたリリックビデオとあまり変わらず弾いていらした気がするから、楽譜をお預かりして弾いたのかな…(わかんない)ただ、celloの伊藤さんとアイコンタクトとりつつ、中さんと呼吸あわせながら、見事に弾いてました。歌い出しも、息ピッタリでした!
「寒月」
サン・サーンスの「白鳥」が原曲の「寒月」。これも11/16発売のアルバム所収曲。真っ白な衣装の城さんも登場して、歌い上げました。素晴らしかったー!
ここでもござさんのピアノがエモかった!!間奏美麗だし、celloが入ると上で、ボーカルが入ると中音域から下で内声を入れて、「リハモフェチ」時代を思わせる、豊かな音の粒…
アンコール「六調」
ここで、中さんとござさんは一度幕間に入り、わたしのメモも途切れたが、ござさんはアンコールで再登場。もう一人のpf.黒木千波留さんがピアノの前から立ち上がり、ござさんにピアノを譲る格好になりました。椅子を替えている最中、ござさんは「すみません」というような素振りで黒木さんは「どうぞ」という雰囲気。
この親密な、お互いを立てるような気遣いの見える数秒に、ピアニストとしての尊敬と矜持と親密さと…いろいろな感情が見えるようで、個人的にとてもエモい瞬間でした。
さてアンコールは「六調」むろんピアノ曲ではなく、踊りのある民謡!
「六調をピアノでって、難しいよね」と言われながら、ござさんは椅子を使わず、立ったままピアノを弾き、お祭り気分を盛り上げます。このあたり、ねぴらぼやPIANICの経験が生きてるのかも知れないなぁ…ごく上で、チラッと入れる音が的確だし、何より楽しそうなござさんにこちらもほっこり。
会場中、六調の手真似で楽しく大団円!楽しかった!
出演者が一列で並び、礼をして終演。
…だったんだけど、黒木さんが太鼓でリズムとりはじめ、自然、ピアノの前にいて、一番下手側のござさんが一番先に引っ込む流れになり… まぁ六調踊りながら退場するよねw わりとカワイイ感じでw
それを見て城さん爆笑しながら、「見てー」みたいに元さんを振り返って、キャッキャしながらの退場でした!
本当にいつも5353しくてスミマセン!
また、一部記憶があやふやで、間違えてるところもあるかもしれません!個人の感想ですので、何卒ご了承ください。これからますますのござさんの活躍を祈っております。ここまで読んでくださったことに感謝し、イマイチ気に入らずTwitterにも上げていない絵を初出し。イメージで描きました。
#日本遺産物語コンサート #ござさん
#goza
なお、このコンサート直後、うみいぬさんと行ったキャスも再掲。合言葉は、推し様の誕生日です。よろしければこちらもどうぞ。
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