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#24 弓削多醤油

こんにちは。

be-en代表のゆうかです。

蔵元巡り第24弾は、埼玉県坂戸市多和目にある今年で創業100年の弓削多醤油を訪問しました。
弓削多醤油の本店は醤遊王国という施設となっており、一階は販売所、二階はカフェと醤油桶見学スペースになっています。
蔵見学も可能で、1日数回実施されています。予約不要で当日参加も可能です。
今回は、蔵見学と見学スペースにお邪魔しました。

全工程を学べる蔵見学

蔵見学では、販売所裏の製造所を見せていただきました。
はじめに製造現場が見られる小部屋に案内され、醤油の原料となる丸大豆や小麦、麹に関してご説明いただきました。

醤油麹

大手企業では原料に脱脂加工大豆を使用しますが、弓削多醤油では丸大豆を使用しているため、口当たりの良い醤油となるそうです。
また、製造工程のビデオを視聴し、醤油作りの説明をうかがいました。


見学小屋


醤油作りでは、蒸した大豆、小麦、麹を混ぜたものに塩水を加えて諸味を作ります。水は工場のそばを流れる湧水を使用しているそうです。

醤油に使用する湧水


弓削多醤油では、杉で作られた木桶で諸味を自然発酵させており、木桶に棲む微生物が美味しい醤油を作り出してくれています。
諸味の発酵期間は2年が良いとされていますが、その理由は香りと味のバランスが整うからだそうです。2年以上発酵させると味が強くなり、香りは弱くなってしまうとのこと。
諸味から醤油を絞り出す圧搾工程では、濾布で諸味を包んだものを重ねて並べ、約70tもの圧をかけ、醤油を絞り出します。

圧搾後の濾布


1つの木桶で9000ℓの諸味ができあがり、その約7割が液体の醤油となります。残りの搾りかすは牛の餌になるそうです。

醤油の作り方は三原屋さんの記事にも記載しております▼

1階の小窓から蔵の中を覗いた後、2階の見学スペースに案内していただきました。
ガラス越しに発酵途中の桶の様子を見ることができました。ナンバリングされたボタンを押すと、同じナンバーの桶にライトが照らされます。発酵期間が長いものほど濃い茶色の諸味となっているのが見て取れました。

木桶上のライトのスイッチ
桶のライトアップ

国内第一号の生醤油

弓削多醤油では、圧搾後の火入れも濾過もしない「生醤油」を製造販売していますが、生醤油の販売は弓削多醤油が日本で初めてだったそうです。

2階の見学スペースで、生醤油の搾り体験と味見をすることができます。
全体重をかけて圧搾機の棒を押下げ、醤油を搾ろうとしましたが、ほんの数滴しか落ちてきませんでした。昔は手搾りでこの作業をしていたため、本当に力作業であったのだなと実感しました。

手動圧搾器

一生懸命搾った醤油を味見させていただくと、醤油の香りが口いっぱいに広がり、奥深い味わいを感じました。
市販の生醤油のほとんどは、菌をフィルターで濾過して保存性を高めているため、常温保存が可能です。一方、弓削多醤油の生醤油は濾過をしないことから、菌が生きており、要冷蔵となっています。

100周年を迎えて

弓削多醤油は2023年12月5日に創業100周年を迎えます。
100周年を迎えるにあたって、同年3月からさまざまなイベントを実施しています。
また、「100周年記念木桶づくりプロジェクト」をクラウドファンディングで実施されるとうかがいました。
蔵の外には100周年を記念した2年仕込みの木桶があり、中を覗かせていただきました。
濃い茶色をした諸味がたっぷり入っており、中を覗くと同時に醤油の芳醇な香りに包まれました。

100周年記念の木桶
2年仕込みのもろみ


この記念醤油も近々販売されるとのことで、是非味わいたいと思っています♪
2023年は弓削多醤油さんにとっても重要かつ大切な年となること間違いなしです。
皆様も是非弓削多醤油さんを訪れてみてください!!

イベントスケジュールはHPからご確認いただけます▼


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