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FTMの治療について

この記事ではFTMの治療についてお話ししていきます。

純男さんに向けてお話ししているので、ご理解ください。


なぜFTMは治療するのか:私見


FTMはなぜ治療するのか?という根本的な疑問について、僕個人の感覚や経験から答えます。

FTMとは何?については下記の記事をご覧ください。

僕の性自認は男性で、女性の身体に嫌悪感があり、身体をなるべく男性に近づけたいからです。

また、見た目も書類上も男性として見られたいです。

治療をしても、書類を変えても、見た目が男になっても、染色体XXとして生まれたことは変えられません。

それでも、なるべく女だった部分はなくしたいんです。

ここで注意をしておきたいのは、この思いはあくまで僕の感覚によるものです。

FTMによってそれぞれ感覚や思いは違うし、治療段階も違います。

共通しているのは、生まれの性別である女の自覚はないということです。

僕は多くの純男さんと対局(営みのことです)してきましたが、性自認はまったく変わりませんでした。

女の自覚になることはありませんでした。

ですので、

「見た目は男でも女体が残っていて純男さんと対局するなら女じゃん」

という無知と偏見から投げられる純男さんの話には耳は傾けません。

それならなぜ純女と対局しないの?なぜFTMと対局したがるの?と僕が聞きたいです。

どのような治療段階をふむのか


話を変えまして、FTMがどういう治療段階を踏むのかお話します。

ジェンダークリニック以降は、人によって順番が異なる場合があります。

自分はFTMかもしれないと思う

ジェンダークリニックでカウンセリングをして、性同一性障害の診断書をもらう

ホルモン治療
胸オペ
改名

卵巣子宮全摘オペ(内摘)

戸籍の性別変更

タイでオペをする場合は、胸オペと内摘を同時にできます。

膣閉鎖、陰茎形成までする人はまれですがいます。

胸オペと内摘が自費のため高額で、オペ代を作るのに苦労します。

治療段階は人によって違う


改めて知っていただきたいのは、

FTMの治療段階は人によって違う

です。

ホルモンのみの人、ホルモン+胸オペをする人、ホルモン+胸オペ+内摘をする人、改名をする・しない、性別変更をする・しない、と人によって治療段階は異なります。

自分が生きる上で納得のいく状態がどこなのか、が人によって異なります。

まわりからいわれて決めるのではなく、本人が治療段階を決めていることを知っていただきたいです。

親や恋人からいわれて治療段階を決めているというのは、僕が知る範囲では聞いたことがありません。

本人が自ら治療の情報を集めて、当事者に相談し、親やまわりにカミングアウトした上で、治療を進めています。

ホルモン治療による作用


男性ホルモンつまりテストステロンを定期的に投与すると、個人差はあるけど、下記の作用が起こります。

・見た目の男性化

1年以上たつと完パスします。見た目の中性さはなくなります。

・性欲の増大

FTMが純男さんと対局したい理由です。性欲がかなり強くなります。

・声が低くなる

・体毛の増加

ヒゲ、足、アソコなど体毛が増えます

・食欲の増大

食欲の増大には個人差があります。
人によっては必要以上に食べてしまい、みるみる太ってしまうケースもあります。

・感情的にならなくなる

ホルモン投与をしていない時は感情的になりやすく、ヒステリックにもなりやすかったです。
今は感情的になりにくいです。

・体臭が変わる

女性特有のにおいがなくなっていきます。

・月経の停止

月経が止まります。いつ止まるかは個人差があります。
ホルモン投与をやめると月経は戻ってきます。

・卵巣の摘出で変わること

女体から卵巣がなくなると、女性ホルモンつまりエストロゲンを分泌しなくなります。

ですので、続けて定期的に男性ホルモンつまりテストステロンを補充し続ける必要はあります。

卵巣がないので月経がくることは2度とありません。

要するに、女性の閉経と同じことが起こります。

ホルモンバランスを崩すと更年期障害の症状が出る


閉経はホルモンバランスをかなり崩してしまうので、個人差はありますが更年期障害の症状が起こります。

・ホットフラッシュ
・倦怠感
・うつ症状

といったことが起こります。

僕はときどき、動くのがしんどくなるほどのだるさがあります。

いらないものを取ったのに、女性としての更年期障害に悩まされるのは矛盾ですよね。

それでも性自認に正直に男として生きたくて、治療を選びます。

なんで?と言われても、どうしてもなんです。

さいごに


FTMがなぜ高額の費用をかけてまで、身体の治療をするのか、ご理解いただけましたか?

生まれの性の身体への嫌悪感をやわらげて、性自認と身体をなるべく一致させるためです。

ひとつ言わせていただきたいのは、治療と対局はまったく別です。

つまり性自認と性指向は分けています。

FTMの中では分けているにもかかわらず、純男さんは2つをつなげてとらえているため、理解できなくてトラブルが起こる場合があります。

FTMにとって、治療と対局、性自認と性指向は別です。

ご理解いただけると、無用なトラブルや偏見が減ると思います。


この記事が、FTMを受け入れたい純男さんにお役に立てることを願っています。

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