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少しの支援が生む成功体験

冬になるとなぜか大縄跳びが流行り出します
当然のことながら経験を重ねた子は上手に跳べて、そうでない子は上手には跳べないわけですが、タイミング良く入れない子に対して跳べる子が背中を押してタイミングを教えてあげると、いつからかタイミングを覚えて跳べるようになります。

この例に限らず、野球でもサッカーでもけん玉でもお手玉でも同じで、子どもたちの中で何らかのヒントや手がかりを与えてできない子をできるように導いている姿は指導者のお手本そのものです。

というのも、これらの促発行動は心理学者レフ・ヴィゴツキーの「最近接発達領域」や運動学の権威である金子明友氏の「促発起点構成化」という概念に照らし合わせて考えられるかと思います。

最近接発達領域とは簡単に言えば自力では難しいまたはできないが、誰かのサポートがあればできることの領域のことで、促発起点構成化とは指導者側が学習者の運動体験感覚に入り込んで、学習者側の能力に応じていつ、どんな状況で、何を、どのように促発したら学習者の能力発達に寄与できるかという促発身体知の一つと説明されます。

子どもたちがこれらを理解しているとは思いませんが、こうして考えてみてよく観察してみると、子どもたちのコミュニティ内の自治活動において、こういった場面はよくあるんだなということが見てとれます。

放っておいてもいつかはできるかもしれないけども、支援者が適切なタイミングで適切な支援をすると他者の能力はより伸ばせるということを示しています。これは特に大人が学ばなければいけない視点で、これができるとできないでは大きく違いがでてくる気がします。最初は支援があるとはいえ、小さな成功体験はきっとその子を大きく成長させます。

ジャン=ジャック・ルソーが提唱する完全消極教育も理解はできますが、やはり少しの支援が他者にとっては大きな助けになるという事例があるのも事実で、こうしたことからお互いにそういうことができる関係性、コミュニティができるとより良い社会づくりに繋がっていくのだろうと少し絵を広げて考えたのでした。

「相手の気持ちになって考える」が指導の第一歩なのかもしれません

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