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産業における電力供給の重要性と電力バブルへの期待 No.5

                           著:小松 祐一

5.IT業界、都市型現代社会、地域活性化と電力

業務をIT化してゆくことは付随する設備の電力消費も併せるとやはり電力消費量が大きくなることを意味します。

IT関連の産業の隆盛は処理速度の向上とともにありますが処理速度の向上自体は必ずしも電力消費の拡大に結び付くものではありません。

ただ付随するデバイスやインフラ設備、産業構造全体がデジタル化されていくこと等々絡んでくるとやはり全体的に社会の電力消費の拡大につながると推察されます。

これはITの効率運用が強く求められていくことだと思いますが最近はデータセンターなどで一括で仮想コンピューティングサービスを提供するなどマイクロソフトを筆頭に業界再編の流れが来ています。

ただこれは電力を抑制的に扱う事よりもよりデジタル産業の活性化を図る目的ですので電力の枯渇問題等々は少し懸念される事態です。

ここら辺はどこまで業務の集約化のプロセスが進むかにもよるのですがこの集約化のプロセスが成功させれば電力消費量の増大と共に収益化プロセスの道筋がつきます。

当然ながら各企業で収益化プロセスを増大させていくことは基本的な経済発展の根本であり重要なことです。

これにITやAIなどの導入による業務効率化を進めるかはそれぞれの足並みの乱れがあるのですが今の時代にIT化していないことは企業にとってはこれから先の業務集約化プロセスを進めて利益率の向上を図っていく上では大変なデメリットになります。

このIT関連の産業構造改革として詳しくは別著の『次世代インフラ(5G、AI)を向かえるにあたっての未来の産業構造像、経済底上げ、人間的尊厳の再構築』にまとめていますのでよろしければそちらをご覧ください。

もし今、大都市で大停電が起きITインフラ他各種インフラがうまく機能しないことに陥れば間違いなく全産業がストップして経済的打撃は散々たるものになる事でしょう。

こういう大停電の事態になれば通常の日常生活さえ送れなくなってしまう事は明白です。

このような大規模停電には実質対処できないのが現実ですが一部のインフラの破損により全体が機能不全に陥ることは最低限避けたいものです。

ここで重要になってくるのが冗長化という分散処理タスクですがそこには機能保全のために莫大な経費がかけられることは言うまでもありません。

そこでこういった分散タスク上で様々なエネルギー産業の隆盛が起こることも期待されます。

一つだけでより完全なエネルギー産業というものはなくエネルギー産業は各施設の補完関係によって維持されることは逆に言えば電力発電産業が様々に分散して派生することで経済的安定をより強固にしてゆく観点からもこれからの次世代エネルギー発電産業は大きな期待が寄せられるとともに大きな可能性があります。

また太陽光・風力を筆頭とする各地でのコンパクトな発電施設も充実してくれば環境保全と持続可能性の観点からも大きなメリットがあります。

これは都市部周辺を境にして様々な電力供給ネットワークがこれから発生してゆくことが予想されます。

そしてこれはまた地域の利を活かしたエネルギー施設を建設することによりその地域に活性化の道筋が見えることも示唆しています。

これにより地域の活性化を図るうえで一番の優先課題は地域独自のエネルギー産業を発生させるという答えが出ます。

そこでは2章の金融関連で述べたように金融産業が勃興して更にはそれに付随する形で人も集まり産業も発生して地域産業の活性化もまんざらではないかもしれません。

例えば現在もそこそこ賑わっている日本ではごく普通の自然資源である温泉施設などを中心とした産業隆盛なども地熱発電、またそれに絡めてメガソーラー、大規模風力発電所などを建設して行くことによりさらに加速してくれる可能性があることを示唆しています。

ここに高速通信網の5Gや衛星LANなどが加われば地域間格差は解消されていく可能性があります。

とにかく経済を活性化させたければエネルギーを発生させろという事です。

またそのエネルギーが地球環境に悪影響を与えないように配慮しろという事でもあります。

如何でしょうか?

このように既に経済は電力を中心としたエネルギーによってその経済規模の大小が別れていく時代になっています。

劇的に変化するIT業界とエネルギー産業の勃興は大きな経済発展の可能性を包含するものです。

少しはこれから少し先の未来に期待できますでしょうか?

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