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田原俊彦「ハッとして ! Good」(1980)

田原俊彦…、洋楽にどっぷりはまっていた私にとっては、彼の曲が好きなんて、とても表立っては言えませんでした(笑)。特に1980年9月に発表された彼のセカンドシングル、「ハッとして ! Good」。大好きでした。バカにしてはいけません。甘酸っぱいJ-POPメロディと、チャールストン・ミュージックが素敵でしたね。


当時、飛ぶ鳥を落とす勢いの存在となりつつあったアイドル歌手に、こうした楽曲を歌わせたディレクターのセンスも素晴らしいですね。ちなみに当時のトシちゃんと双璧をなす女性アイドル、松田聖子は同年7月に「青い珊瑚礁」を発表。先に大ヒットを記録しているのでした。この「青い珊瑚礁」はニューミュージックの香りを漂わせながらもビートはロックという、独特の世界観をすでに確立させた「らしい」楽曲なんですが、一方の「ハッとして ! Good」もリズムはちょっとバックビート気味(少なくとも「青い珊瑚礁」のように前のめりでない)で、グレン・ミラーを思わせるアレンジと、甘酸っぱいメロディが、ロック寄りな松田聖子とは違う、これまたトシちゃんらしい世界観を現していたと云えるかもしれません。

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そして私が以前から気になっていたのが、この作詞作曲の宮下智という方。実は女性でした。しかもこの曲が実質的な彼女のデビュー作品。なぜ彼女がジャニーズの、しかもトップアイドルに彼女は楽曲提供出来たのか? こんな素敵な曲を書く人って、どういう人なのだろうか? すごく気になってました。

本名、盛岡夕美子。学習院女子高1年のときにピアニストとして米国留学し、数々の賞を受賞。1975年にサンフランシスコ音楽学院に入学。1979年に同学院を首席で卒業、日本に帰国し、音楽活動を開始。彼女の父親が、トシちゃんのディレクターの羽島氏の父親と交流があったという繋がりから、彼女が書いたこの曲が羽島氏のところへ持ち込まれたらしい。当時、トシちゃんのセカンドシングルは9月に発表という状況にあったにも関わらず、8月になっても一向に楽曲が決まらない。そんな絶妙なタイミングで、この曲は持ち込まれたのでした。そしてあっという間に「ハッとして ! Good」は制作さたのでした。

アップした映像の最初の部分に例の、松田聖子と共演したグリコチョコレートのCMが使われてます。懐かしいですね~。
更に興味深いのは、当時のエピソードと宮下智に関する記事。恐らく2000年前後に書かれた記事だと思いますが、よく調べてますね。音楽マニアとしては非常に興味をそそられます。

宮下智さん、その後、数曲、トシちゃんとコラボしますが、やっぱりショービズ界には全く興味がなかったのでしょうね。米国人と結婚し、今は米国在住・・・らしいです。いい曲書く方でした。

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