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Graham Bonnet「Line Up」(1981)
炎のヴォーカリスト、グラハム・ボネットは1979年、あのレインボーに迎え入れられ、名盤「Down to Earth」発表。もともとポップスシンガーであったグラハムは、彼の新境地でもあるハードロックという世界に身を置き、見事にブレイクを果たしたのは周知の通り。
しかし1980年8月、あの伝説のモンスターズ・オブ・ロックを最後に盟友、コージー・パウエルがレインボーを脱退。その最後のステージ、コージーのドラムソロのエンディングで、グラハムがコージーの名を連呼、絶叫したのは有名な話ですね。そしてもともとへヴィメタルが嫌いなグラハムも自然の流れでレインボーを脱退をしてしまいます。
本作はその後、1981年に発表された自身のソロアルバム。へヴィメタルが嫌いなグラハムが、本当にやりたかった音楽をやったという感じが現れているアルバムです。
レコーディングメンバーは盟友Cozy Powell (Ds)、Micky Moody (G)、John Lord (Key)、Gary Twigg (B)といった豪華メンバー。下裏ジャケ写真はそのレコーディングメンバーのスナップ写真です。かっこいい!
本作、正直根っからのハードロックファンにはあまりおススメできません。なにしろ本作にはあの「Be My Baby」が収録されているのですから。フィル・スペクターが亡くなり、ロネッツのバージョンがネット上を賑わせてますが、実はグラハム・ボネットもカバーしてます。 ドラマー好きな私としては、このロネッツの名曲のドラムがハル・ブレインであり、彼が名実共にこのイントロで第一級のスタジオミュージシャンとなったことは知っているので、コージーも気持ちよく叩いているんじゃないかなと勝手に想像してます。よく考えるとコージーのドタバタ的なドラムスタイルは、ハルと非常に似ているような気がしますね。
でもそれにしても、敢えてこの楽曲をカバーするあたり、よほどグラハムはポップス好きなんですね。ミッキーもジョンもコージーもよく付き合ってくれました(笑)。
本作のおススメトラックは何と言ってもハード&ポップな①「Night Games」です。我々世代にとっては西城秀樹のカバーバージョンが懐かしいのではないでしょうか。西城秀樹ヴァージョンとグラハムを比較すると、コージーのタイトなドラムが重要なキーとなっていることがよく分かります。
この「Night Games」の貴重なPVをアップしておきます。このPV、コージーのシンバルワークはあまりにもかっこよすぎます。またグラハムの容姿が、よく横山やすし師匠と混同されてしまっている理由もお分かり頂けるかと思います…。
秀樹バージョンもアップしておきます。秀樹さんもドラマーであり、かつハードロック好きでしたね。
そして本作は2曲目から段々とポップ色が強くなってきます。②「S.O.S.」はラス・バラードの作品。ジョン・ロードがポップなキーボードを弾いてます。レインボーの「All Night Long」と同系色的楽曲です。
あと70年代ポップス好きの私としては6曲目も聴き逃せません。それは「Liar」です。もちろんスリー・ドッグ・ナイトの大ヒット曲ですね。 この曲、実は②と同様ラス・バラードの曲だったんですね。ラス・バラードとはもちろんレインボーの「Since You've Been Gone」や「I Surrender」といったポップ路線の作曲者です。ここではかなりスリリングな演奏を聴かせてくれます。
⑦「Anthony Boy」はチャック・ベリーの楽曲。ここまでくると完全にグラハムの趣味の世界ですね~。あと⑪「Set Me Free」はキンクスのカバー。
グラハム、よくぞここまでやってくれました、という感じのアルバムです。
グラハムはこの後、イングヴェイにすっかりお株を奪われまくってしまうアルカトラスを結成します。このファーストも名盤ですね。
実はグラハム、当時ベストヒットUSAに出演してます。小林克也が果敢にもいろいろな質問を試みてますが、これが必聴モノ。リッチーとの髪型ケンカ事件の質問まで(笑)。しかもこれが実話だったことが判明!!! その貴重な映像がコレ↓。グラハム伝説は続きます…。
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