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B.J. THOMAS「Raindrops Keep Fallin' on My Head」(1969)

雨の日にじっくり味わう「雨にぬれても」

ここ千葉も朝から雨。しかもしっかり降っております。こんな日は「Raindrops Keep Fallin' on My Head(雨にぬれても)」がぴったり。映画「明日に向かって撃て」の挿入歌、ハル・デヴィッド&バート・バカラック作の名曲。多くのカバーが存在しますが、やっぱりヴォーカル、アレンジ共にオリジナルのB.J.トーマスが味わい深い。

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この「雨にぬれても」は当初、レイ・スティーヴンスやエディ・アーノルド、果てはボブ・ディランまで歌う候補に上がっていたのですが、次々と断られ、最終的には同じセプターのディオンヌ・ワーウィックの推薦でB.J.トーマスに落ち着いたという経緯にあります。この1曲で一気にB.J.トーマスはスターの仲間入りを果たしたのですから、世の中わかりませんね。

力みのないヴォーカル、哀愁漂うメロディ、ちょっと物憂げなアレンジ、実に秀逸なバカラック・ワールド。それを見事に歌いこなしたB.J.トーマスですが、B.J.のベスト盤を聴くと、他の曲の中のこの曲に違和感を覚えます。

1968年のヒット曲「The Eyes of a New York Woman」をどうぞ。

恐らく「雨にぬれても」以前のB.J.のヒット曲で有名な曲といえば「Hooked On A Feeling」。こちらも多くのカバーが存在します。

この辺り、1968年頃からB.J.トーマスの黄金期が始まりますが、これらはいわゆるメンフィス・サウンド。メンフィス・サウンドで思い出すのが、エルビス・プレスリーの「Suspicious Minds」。この曲の雰囲気、分かりますか?? B.J.のこの当時の音は、まさにエルビスの「サスピシャス・マインド」と同じなんですよね。

ちなみに上2曲と「Suspicious Minds」の作者は同じマーク・ジェイムスです。B.J.トーマスは「雨にぬれても」のイメージが強いですが、立派なメンフィス・サウンドの牽引者でした。

当時のB.J.トーマスの容姿は、非常に端正な顔立ちでもあったことから、この「雨にぬれても」の大ヒットの後、映画界への誘いもあったようですが、B.J.トーマスはそれを一切断っています。ひょっとしたらB.J.トーマスがエンターテイナーの道を歩んでいたら、もっと日本ではメジャーな存在になっていたかもしれません。まあ、そういう一途な姿勢がB.J.トーマスのいいところなのでしょう。

そうそう、B.J.トーマスで忘れていけない1曲が「Rock And Roll Lullaby」。バリー・マン、シンシア・ウェルの名曲ですね。デュアン・エディの”トワンギー・ギター”、バリー・マン自ら弾くエレピ。コーラスはちょっとゴスペルタッチ風。アメリカ人が好きそうな曲ですね。

B.J.トーマスは「雨にぬれても」だけではありません!

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