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稲垣潤一「246:3AM」(1982)

洋楽一辺倒だった私も高校・大学時代は結構邦楽も聴いておりました。特に心をワクワクさせてくれるような音楽は好んで聴いておりまして、その代表格が稲垣潤一さんです。

稲垣さんの音楽は、1982年のデビューから1985年発表の5作目「No Strings」までは、主に井上鑑のアレンジ、パラシュートのメンバーの名演奏によるジャパニーズAORの楽曲中心、それが1986年の「REALISTIC」からは、稲垣さん自身のツアーメンバー(TOPICS)による演奏、言い換えれば稲垣バンドが仕上げた極上のポップス中心といったイメージを私は持ってます。ただ自分が社会人となった以降の稲垣さんの作品については、全く聴いておりません、すみません(苦笑)。

ジャパニーズAORと極上のポップス、どっちが好みかと聞かれれば、どちらも大好きで、学生時代は極上ポップス集「Mind Note」ってアルバムを聴きまくってましたし…。ただここで稲垣さんの音楽を最初にご紹介するとしたら、やっぱりデビューアルバムですかね。

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私の世代の方々にとっては、稲垣さんというと「ドラマティック・レイン」ですよね。本作はそのヒットが誕生する前夜のアルバム。ちなみに「ドラマティック・レイン」の作詞は秋元康(作曲は筒美京平)。彼の作詞家としての成功は、この「ドラマティック・レイン」が初めてでした。
デビューアルバムである本作は、商業的には大ヒットには至らなかったんですが、内容はというと、実に当時のニューミュージックの音を反映した素晴らしい内容になってます。

参加ミュージシャンは今剛(G)、林立夫(Ds)、井上鑑(Key)。以上3人はパラシュートのメンバー。他、高水健司(B)、山木秀夫(Ds)等々。楽曲作家陣も杉真理見岳章(一風堂)、松尾一彦(オフコース)等ユニーク。これら面子の名前を聞くだけで、音は何となく想像出来ますね。

初期稲垣さんの代表作の①「ジンで朝まで」。秋元康作詞、杉真理作曲。タイトルもいいし、杉さんらしいメロディラインも素敵なアップテンポなポップス。パラシュートのメンバーとグルーヴィーなベース、最高にゴキゲンなナンバーです。特に間奏のギターソロなんかカッコいい。アルバムトップに相応しいナンバーですね。

続いてイントロのファンキーなドラムが印象的な②「バハマ・エアポート」。こちらは一風堂の見岳さんの作品。一風堂って土屋正巳さんの印象が強すぎるんですが、見岳さんもいい曲作るんですね。バックの演奏力が冴え渡ってます。

初期の隠れた名曲のひとつ、⑤「月曜日にはバラを」。こちらはライブバージョンをアップしておきます。稲垣さんのヴォーカルは好き嫌いが大きく分かれるかもしれませんが、私は稲垣さんのハイトーンでスィートなヴォーカルが大好きです。この曲は、稲垣さんのヴォーカルの魅力が発揮されたナンバー。

稲垣さん、この当時はオフコースの松尾さんの作品を結構歌ってました。デビュー曲の⑦「雨のリグレット」も松尾さんの楽曲。松尾さんのwikipediaには、オフコース以外に提供した楽曲一覧がありますが、アイドル系も含めて、結構活発な活動をされていたんですね。「雨のリグレット」はデビュー曲にしてはちょっとジミな印象ですが、良質なAOR系ポップスです。

稲垣さんの初期の、AOR的な音作りも大好きですが、リアルタイムに聴いていたのは極上のポップスを歌っていた時代の稲垣さん。「1969の片思い」なんかは、今聴いても、特に詞がいいなあって思います(一度ドラムの置いてあるスナックで、ドラムを叩きながら歌ったことがあります(苦笑))。アップした映像の稲垣さん、恐らく65歳前後かと思いますが、高音のサビの歌声も変わらない!


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