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Butterfield Blues Band 「East-West」 (1966)

個人的にはブルースってジャンルはそれほど好きでもなく。ただ以前にアル・クーパーの「Super Session」ってアルバムを聴き込んだ際に、マイク・ブルームフィールドというギタリストのことが気になり、当然のことながら本作に行き着いだ次第。
強烈なブルースの中にも、面白い楽曲、いろいろな気付きもあったりして、やっぱり音楽にも温故知新が重要であると思い知りました…。

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本作はバターフィールド・ブルース・バンドのセカンドアルバム。メンバーはポール・バターフィールド(Vo、Harm)、マイク・ブルームフィールド(G)、エルヴィン・ビショップ(G)、マイク・ナフタリン(P)、ジェローム・アーノルド(B)、ビリー・ディヴィンポート(Ds)。マイクとエルヴィンの熱いギターバトルがあまりにも有名な名作。

アルバムトップはロバート・ジョンストンの①「Walkin' Blues」。熱いブルースです。ポールのこってりしたブルースハープとマイクの乾いたギターのバトルがしびれます。

キャノンボール・アダレイの粋なジャズをブルージーにアレンジした⑤「Work Song」。ただしベースは4ビートジャズ的に弾いてます。エルヴィンとマイクのギターバトル、そこに絡むポールのブルースハープ。名演奏ですね。

本作では地味な存在の⑥「Mary Mary」。全く予備知識なく本作を聴き始めて、一番ビックリしたのがこの曲なんです。なぜか…。この曲、モンキーズマイク・ネスミスの作品なんですよね。カントリーロック界では著名なマイクですが、そのマイクの作品をバターフィールド・ブルース・バンドがカバーしていたなんて驚きです。一体どういう繋がりで彼らはマイクの作品に行き着いたのか…すごく気になります。
モンキーズは「Mary Mary」をセカンドアルバム(1967年発表)でリリースしていますから、若干こちらが先にリリースされてますね。バターフィールドの方がサイケ感覚強いです。ちなみにモンキーズのバージョンのバック演奏はレッキング・クルーの面々(ギターはジェームス・バートン、グレン・キャンベル、ベースはラリー・ネクテル、ドラムはハル・ブレイン)。

本作中、一番のハイライトがタイトルトラックの⑨「East-West」でしょうね。ベースはひたすら同じパターンでメロディを奏で、ドラムもどちらかというと、リズムキープに徹しています。そこにラガロック風のエルヴィンのソロ→ポールのハーモニカソロ→マイクの官能的なギターソロと続きます。このソロのバックにマイクがシタールのような音を奏でてます。実にサイケな感じですね。この曲はブルース臭が薄く、サイケロックといってもいいかもしれません。

1曲1曲粒ぞろいで聴きごたえがあります。たまにはブルースもいいものですね。

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