Delaney & Bonnie「The Original Delaney & Bonnie」(1969)
私の好きなスワンプの元祖、デラニー&ボニー。知る人ぞ知る存在。エリック・クラプトンが憧れたグループですね。
デラニー・ブラムレットとボニー・リンはロサンゼルスで出会い、1967年に結婚。デラニー&ボニーとして活動を開始し、そのR&B的サウンドが功を奏し、R&Bの名門スタックスレーベルから白人としては初契約、メジャーデビューを果たします。彼らの楽曲はR&B専門のラジオでオンエアされ始めましたが、彼らが白人だとわかると、オンエアに難色を示すラジオ局が増え、結局レーベルもスタックスからエレクトラへ移籍。1969年に本作が発表されます。
このアルバム、とにかくリズム隊の演奏が素晴らしい。もちろんそのリズム隊とはジム・ケルトナー(Ds)、カール・レイドル(B)。彼らの粘着質な演奏を聴くだけでも、本作聴く価値ありです!もちろんピアノはレオン・ラッセル。オルガンはボビー・ウィットロック。リタ・クーリッジもバックコーラスに参加。極上の演奏が堪能出来ます。裏ジャケにはしっかり参加ミュージシャンが映ってます。デラニー&ボニーが彼らをファミリーと捉えていた証拠ですね。
まずは②「Someday」。もうイントロのギターから粘着指数高いです(笑)。ギターはジェリー・マギー。ジェリーはこの当時はベンチャーズに在籍。もともとはデラニー&ボニーのデビューアルバムにも参加しておりましたが、1968年にベンチャーズに加入しておりますね。昨年残念ながらお亡くなりになられてます。
デラニー&ボニーの圧倒的なヴォーカルも素晴らしいし、豪快なホーン、ギターを中心としたグルーヴが尋常じゃないですね。
ちょっと渋めの1曲もご紹介しておきます。それが③「The Ghetto」。デラニーがソロでじっくりと歌うバラードです。力強いピアノはレオン・ラッセル。そのピアノにしっかりベースが付いていってますね。
デラニーと、ベティ・クラッチャー、ホーマー・バンクスの共作。ベティとホーマー、そしてレイモンド・ジャクソンの3人は、当時ソングライターチーム「We Three」として活動し、多くのソウルクラシックを生んでおります。
④「When The Battle Is Over」はドクター・ジョンの作品。この曲はデラニー&ボニーの当時の映像がありました。2人は確かに白人ですが、実にソウルフル!ベースがブンブン唸ってますね~。
ジム・ケルトナーのドラムが実にリズミカルな⑥「Love Me A Little Bit Longer」は、なかなかポップなソウル。ボニー・ブラムレットの単独作品。ボニーってある意味、ジャニス・ジョップリンっぽい。この曲ではリードのデラニーとハモリながらも、たまにシャウトしてます。その唱法がジャニスっぽい。畳みかけるようなエンディングの演奏も素晴らしい。
エンディングの⑩「The Gift Of Love」はデラニーの作品。ちょっとゴスペルタッチなコーラスとか、土臭い演奏が素晴らしい。ドラム、ベース、ギター、全ての楽器のアレンジもよく聴くと、かなり凝ってますね。
既にデラニーは鬼籍に入ってしまいましたが、ボニーはまだ健在。当時は多くのスターに影響を与えた2人でした。本作の演奏も、皆が楽しそうに演奏しているのが印象的なアルバムです。
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