見出し画像

クリスタルキング「セシル」(1982)

その曲を聴くと妙に切なくなる曲ってありますよね?私も数曲、そういった曲があるのですが、この曲もそのうちの1曲。
中学時代に悪友から借りたシングルなのですが、何回も何回も聴きました。当時は松田聖子の「赤いスイートピー」とかアイドル全盛時代でしたので、こうしたニューミュージック系の音楽を聴いたときは新鮮でしたね。

クリスタルキングは通常はパンチパーマとサングラスのムッシュ吉崎と、クィーンのブライアン・メイを彷彿させる容姿の驚異のハイトーンヴォーカル、田中昌之のツインヴォーカルが売りです。
そしてクリスタルキングというと真っ先に思い浮かぶのが超名曲「大都会」ですね。この「セシル」はどちらかというと地味な曲かもしれません(この曲を知っているって方はそんなにいらっしゃらないかと)。

画像1

この曲、ギターの山下氏が作った佳曲で、クリキンとしては珍しく、ヴォーカルは作曲者本人の山下氏が担当しています。このヴォーカルがまたちょっと弱々しく、非常に曲に合っているんですよね。

♪  さよならセシル 渚に今 思い出を集めて 君の書いたダイアリー 読み返すよ  ♪
♪  summertime  君はサリーを脱いで  ♪
当時サリーってなんだろう?って思ってました(笑)。でも歌詞が妙に切なく、また甘酸っぱい曲に合っているんですよね。

サビの ♪I love you my sweet cecile  君は愛のフォトグラフ 渚ににじむ  ♪もいいんですよね~。胸が締め付けられます。中学時代にこのサビを何度歌ったことか。このサビを聴くと、あの当時の様々な想いが走馬灯の様に思い出されます。
このあとの ♪  I say good -bye  ♪  は彼らの爽やかなコーラスが堪能できますし、その後のパートでは一聴して分かるハイトーンの田中さんのコーラスも素晴らしい。

クリスタルキングの楽曲のなかで、唯一カラオケでキーチェンジ無しで歌える曲でしょうか。でもこの切ない感情を表すのは結構難しいですよ。

後に私はAORや70年代ロックへのめり込んでいくのですが、実はこの曲、イントロがシカゴの名曲「愛ある別れ」にそっくりであることが判明。もちろんシカゴが本家ですが、本家を初めて聴いて、セシルだ!と直ぐに気付きました。
名曲「愛ある別れ」を見事に捉えなおした「セシル」は個人的に大好きな1曲です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?