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馬場俊英「鴨川」(2002)

ここ数年、馬場俊英さんの音楽から遠ざかっていたかもしれません。一時期はホントよく聴いてました。2006年に発表された7枚目のアルバム「人生という名の列車」、名盤ですね。あの時はまだ馬場さんも39歳。そして私も30代でした。その年、コブクロ&フレンズの野外ライブ「風に吹かれて」に馬場さんは登場。そのステージはBSでも放送されましたが、馬場さんのステージ、最高に素敵でした。

翌年、馬場さんは8枚目のアルバム「青春映画が好きだった」を発表。でも私の馬場さんに対する思いは、その年以降、なんだかフェードアウトしていったような・・・。実際「青春映画が好きだった」は、以降それほど聴いてません。ましてやそれ以降のアルバムはタイトルすら知らないかも・・・。

ストーリーテラーだった馬場さん、ひょっとしたら、以降の作品はそれほど私の胸には響かなかったのかもしれません。ただ「Boys on the Run」や「スタートライン」なんかは未だによく聴いてますし、コロナ前、カラオケでもたまに歌ったりしてました。

そして今もたまに聴き返すのが本作。

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いや~、実にいいですね~。本作は馬場さんがブレイクする直前の作品。まだまだ純粋な、そしてひたむきな作品ばかり。わずか7曲しか収録されてませんが、どれも味わい深いものばかり。本作のハイライトはやっぱり②「ボーイズ・オン・ザ・ラン」であることは間違いないのですが、でも不覚にもそれまで「鴨川」を聴いたことのなかった私としては、ダントツに③「鴨川」に胸が締め付けられる思い・・・なのです。

YouTubeでアップしたのコメントに「失恋の詞」とありますが、本当にそうでしょうか。私にはまた別の思い見え隠れします。

♪ さよならは そこで言おう あの橋をまた渡ろう ♪
確かに失恋っぽいですね。

♪ 忘れ物は無いかと 夜風が胸を叩くたび ♪
♪ もう一度 鴨川に行こう 僕らのあの街に戻ろう
  僕を好きだったあの頃の 君にもう一度逢いたい ♪

♪ 不意に鳴る電話にまた 僕らは潰れそうになる ♪

私にはこの歌、不倫の歌に聞こえてしまいます。お互いが好きであるのに、橋を渡って、一線を超えてしまったが、本当の意味でその橋を越えることが出来るのだろうか。お互いが潰れそうになってしまう。そしてこの曲の最後はこう締め括られます。

♪ 悲しかったね 苦しかったね
  でも頑張ったよね 僕ら 愛のために
  好きだよ 好きだよ ♪

ストーリーテラーである馬場さんの最高峰の作品かもしれません。

⑤「ふたつのハートがスローなダンス」も大好きなナンバー。これは軟派な歌謡曲だと指摘されるファンも多いと思いますが、私はこの曲こそ、メロディーメーカーとしての馬場さんの力量が現れているような気がします。アレンジはスマップの「セロリ」を思わせるメロウなフェンダー、リズムはカリプソ、ギターソロもアコギの心地いいサウンド。タイトルがあらわすように、恋が始まろうとしている様子を表現した素敵な詞とメロディー。
 ♪ ああ 君のハートが今 僕とリズム合わせ出している ♪
大好きです。

②「ボーイズ・オン・ザ・ラン」もアップしておきます。やっぱりコブクロとのコラボが最高ですね。またいつの日か、この曲を熱唱したい…。


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