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Char「Char」(1976)

ゴダイゴにチャーが加入する動きがあったことは有名な話ですが、このデビューアルバムを聴く限り、やはり彼は主導的立場のバンドの方がフィットするような気がします。本作は超有名なデビューアルバムです。

当時若干21歳。中学生の頃からスタジオミュージシャンとして活動していたというから驚きです。デビュー時点ではその筋では有名人だったのでしょうね。
SMOKY MEDICINE時代からの盟友、佐藤準(Key)を中心に、自らロスで探してきたメンバー(ジェリー・マーゴシアン(Key)、ジョージ・マスティッチ(B)、ロバート・ブリル(Ds))の4人をバックに、チャーがやりたかった音楽を伸び伸び演奏しています。

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チャーというとギタリストというイメージが強烈にあるのですが、このアルバムでは彼のライターとしての才能も十分感じ取れます。
その彼の才能が堪能できる①「Shinin' You, Shining Day」はすべて英詩で、ちょっとスペイシーでフュージョンタッチなロックです。当時のティンパン系といい、十分洋楽と対等に渡り合えるクオリティですね。

フュージョン系ファンクチューンの②「かげろう」。
最初このアルバムには期待していなかったのですが、この1,2曲目でノックアウトされました。スゴイ才能ですね。彼の作曲・アレンジ能力に脱帽です。
ちなみにこの曲の作詞はNSPの天野滋。天野氏は他に3曲、本アルバムに詞を提供しています。

③「It's Up to You」は一瞬ライトなAOR系かと思いきや、ジェフ・ベックを彷彿させるスペイシーなロック。ドラム&ベースの熱い演奏に煽られる形でチャーが弾きまくります。いやいや、かっこいい。

チャーのデビューシングルは⑤「Navy Blue」ですが、これはブルース系歌謡曲っぽく、選曲としてはどうなんでしょう。他にもっとインパクトのある曲があると思うのですが・・・。やはりこのアルバムのハイライトである⑥「Smoky」なんか、強烈なロックですが、インパクトはあると思うのですが・・・。
この曲はチャーのギタリスト&作曲、編曲の才能を堪能できる最高な1曲でしょうね。ひょっとしたら日本のロック界の最高峰の位置する楽曲ではないでしょうか?

実は密かに大好きな⑧「空模様のかげんが悪くなる前に」。
これも作詞は天野滋氏なんですが、チャー流のバラードといいましょうか、もちろん静かな曲ではないのですが、魂がこもっているような気がするんですよね。味わい深い楽曲です。

エンディングはスリリングな⑨「」。
タイトルだけ見ると、何やらフォーキーな香りがしますが、カッティングバリバリのスペーシーなロックです。フュージョン系ロックとでもいいましょうか。⑧とはまた別の意味で味わい深いナンバーです。ちょっとソウル系ディスコの香りもしますね。

クロスオーバーなる音楽ジャンルも一時期持て囃されましたが、チャーのデビューアルバムは、ロックとジャズ、フュージョン、フォーク、R&B様々な音楽がクロスオーバーされた、日本のロックであり、これってもっと堂々と世界に誇ってもいいようなアルバムですね。

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