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Raspberries「Side 3」(1973)

ポップス好きな私にとって絶対に外すことの出来ないバンドがエリック・カルメン率いるラズベリーズです。過去セカンド「Fresh」(1972)をご紹介していますが、今回は彼等のサード・アルバムです。

ラズベリーズは70年代前半に活躍したパワーポップの祖と呼ばれているバンドで、4枚のオリジナルアルバムを発表しております。このサードアルバムはジャケットのかわいらしさとは対極的に、彼等のアルバムのなかで一番ヘビーなサウンドに仕上がっております。

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このアルバム、いやラズベリーズを代表するハードポップの名曲が①「Tonight」です。エリックの「One、Two、Three、Four !!!」のイントロカウントにどれだけのロック小僧が震えたことか・・・。そのカウントの後に繰り出されるギターのリフはいつ聴いても胸躍らせるものがあります。またジム・ボンファンティのドラムはキース・ムーンに影響された華やかな、やたらと手数の多いドラムです。これがまたいいんですよね~。それからビートルズ、ビーチボーイズに影響されたと思われるコーラスもいい。この1曲だけでもラズベリーズは十分存在価値があると思ってます。
この曲を聴いたことがないという方、是非アップした動画をご覧頂き、震えてください(笑)。スタジオ盤でのエリックのカウントは曲のカッコ良さを十分伝えてくれるものと思います。

どうですか~、イマイチでしたか? この曲がハードすぎるという方は2枚目収録の「Let's Pretend」なんか如何でしょうか?  その「Let's Pretend」の路線を受け継いだ楽曲が④「On The Beach」。
ラフマニノフから影響を受けたというエリック・カルメン、彼の持ち味の泣きのメロディが堪能出来ます。聴く人が聴くと、これはちょっとやり過ぎじゃないの…って思っちゃうかもしれませんが、こうした仰々しいアレンジもラズベリーズの持ち味なんですよね。

ラズベリーズはエリック・カルメンのワンマバンドと思われがちですが、デイヴ・スモーリー(g)という有能なソングライターもおります。そのデイヴの作品は、エリックがあまりにも素晴らしいライターであることから、エリックと比較してしまうと見劣りすることは否めませんが、⑦「Should I Wait」のようなカントリーフレイヴァー溢れる楽曲はデイヴならではの味わいある作品です。コーラスといいアコースティックタッチといい、イーグルスに非常に似ていますね。

本作中のハイライトは⑧「Ecstasy」かもしれません。
「Tonight」と同じようなハードポップチューンですが、このイントロはラズベリーズの楽曲中、一番ハードなものかもしれません。それに続くメロディ、サビはやたらとポップ、そのギャップがラズベリーズの真骨頂だと思いますね。よくこのコーラスは若気の至りで大声で歌ってました(笑)。
間奏前のメロディや間奏でのハンドクラッピングなんかはかっこいいの一言!
今聴くとわざとらしい感じもするのですが、この楽曲こそラズベリーズの素晴らしさを現してますね。

ちなみに彼等の公式サイトによると、2007年の再結成ライヴDVDも発売されているようですね。サイトの試聴コーナーにあるライヴ音源はそのときのものでしょうか? 
その時の写真もアップされてますがエリックは若いですね~。我々もこうありたいですね。

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