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Faces「Long Player」(1971)

フェイセズを聴きだしのは10数年前…。なんとなくフェイセズというと、後に「I'm Sexy」で賛否両論を巻き起こすロッド・スチュワートのイメージが強く、この頃のロッカー・ロッドのことはあまり認識しておらず、ずっと聴かず終いでした。

フェイセズについては今更解説の必要もないと思われますが、以下WIKIより。
「フェイセズ(Faces)は、1970年代のイギリスのロックバンド。スティーヴ・マリオットがハンブル・パイを結成するためスモール・フェイセズから脱退し、残されたロニー・レーンイアン・マクレガンケニー・ジョーンズの三人にジェフ・ベック・グループからロッド・スチュアートロン・ウッドが加わり結成された。」
結成は1969年ですね。そもそもジェフ・ベック・グループにロッドやロンが在籍していたこと自体、若い方にとっては驚きかもしれませんね。

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本作は1971年発表のフェイセズのセカンドアルバム。プロデュースはフェイセズ自身。

本作はフェイセズの魅力を1曲目の①「Bad 'N' Ruin」から思いっきり伝えてくれてます。
粘ちっこいロンのブギースタイルのギターで始まるこの曲、ロッドの♪ Mother, Don't you recognize your son!♪の一発目のシャウトで、すっかり参りました。テクニックのあるバンドとは思いませんが、このノリ、これこそがロックですね。こうしたルーズ感覚が出せること自体、テクとは別の次元で上手いバンドだと思います。
間奏、4小節だけケニーのドラムだけの部分がありますが、いや~、決して上手いとは言えませんね(笑)。でもこのノリ、これがいいんですよ!

1997年に難病で亡くなってしまったロニー作の②「Tell Everyone」や④「Richmond」は英国フォーキーな感覚がプンプン漂い、これもいいですね。

後にソロで「セイリング」等のバラードを大ヒットさせていくロッドですが、③「Sweet Lady Mary」にはその原点が見出せます。
こうしたフォーキーなバラードを歌わせたら、ロッドに敵うヴォーカリストっていないんではないでしょうか??間奏のロンのスライドギターも胸に染み入ります・・・。

本作には貴重なライブ音源が2曲収録されてます。その1曲、私はその曲が収録されていることを全く知らずに本作を購入しました。ですからこの曲が流れたとき、うん??え??意表を付かれましたね。
その曲とはポール・マッカートニーの影の名作、⑤「Maybe I'm Amazed」!
当時でさえ、ポール自身、この曲をライブではやったことがないのではないでしょうか?すごい選曲のセンスです。これには参りました。
出だしはロニーのヴォーカル。そしてサビからロッドのヴォーカルですね。おおっ、違和感なし、という感じです。間奏、イアンのオルガンがいい感じですね。

スタジオ録音のフェイセズではキーボードのイアンって、あまり目立たないのですが、⑧「I Feel So Good」のライブ音源を聴くと、結構演奏のキーとなっていることが分かります。
「I Feel So Good」のホンキートーク調のキーボードなんかいいですね。
でも⑤と⑧のライブ音源を聴いて、フェイセズってライブバンドなんだなあ~と思ってしまいます。後にロッド自身も「フェイセズはスタジオでは持っている力を出し切ることができなかった。」と語っていたようです。⑧の観客を盛り上げ方なんて尋常ではないですよ!

本作をじっくり聴き、久しぶりにロックの真髄を堪能した気分ですね。
1975年にはこの素晴らしきロックンロールバンドも解散。すでにソロ活動で大成していたロッドはそのままソロへ。ロンは、これも彼のギタースタイルからすれば、違和感なくローリングストーンズに加入。ケニーはあの変人ドラマー、キース・ムーン死去後、その後釜としてフーへ。イアンもフーへの加入が検討されたようですが、当時イアンはローリングストーンズのツアーに参加していたことから、加入が見送られたようです。ちなみにイアンの奥さんはキース・ムーンの前妻とのこと。

偉大なるB級ロックンロールバンドは、その後のメンバーの活動も含めて70年代ロックには欠かせないバンドとなったのです。

今回よりSpotifyの当該アルバムを埋め込んでみました。1曲30秒試聴すると1曲聴いたことになり、アーチスト等に還元されるようなので、少しは貢献しようかなと思いまして…。


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