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Bobby Caldwell「Carry on」(1982)

個人的にはAORが大好きで、なかでもボビー・コールドウェルは大好きなアーチストのひとりでした。今回はそんな中でも、彼の地味な3枚目のアルバム「Carry On」をご紹介しておきます。

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なぜか邦題は「シーサイド・センチメンタル」。でもアルバムの雰囲気をよく表した邦題ですね。ジャケットは相変わらずAORしてます。切り絵っぽい、いいジャケットです。

ボビー・コールドウェルというとマルチ・プレイヤーで有名で、実際殆どの楽器を自身でこなしてアルバムを制作しているといったイメージが強かったのですが、このアルバムではTOTOのメンバー(スティーヴ・ルカサースティーヴ・ポーカロデヴィッド・ペイチジェフ・ポーカロ)の他、ジョージ・チョコレート・ペリータワー・オブ・パワージェリー・ヘイ等々が参加しております。時代ですね~。
恥ずかしながら、ボビーとTOTOが一緒にプレイしていたとは知りませんでした。

このアルバムの代表曲といえば⑥「Jamaica」。ライナーノーツによるとこの曲、ジョン・レノンの死にインスパイアされて作った曲だそうです。曲調からはそういった印象は全く受けないのですが・・・。
ボビーの楽曲がCMで使われ、リバイバルブームが起きた1990年。確か来日した際のライヴ映像がTV放送されたと思いますが、そのなかの1曲「Jamaica」での女性パーカッションのプレイが印象的でした。その時の映像がYouTubeにアップされていたので、ご紹介しておきます。
最高の演奏、最高の楽曲・・・、Jamaicaに滞在している気分にさせてくれます。

再びライナーノーツに言及しますと、発表当時に書かれたものですが、このアルバムが「スティーリーダンっぽく聞こえてしかたない」とあります。特に②「Sunny Hills」はそのような楽曲と紹介されてます。
そのように聞こえるかどうかはともかく、本作中、もっとも落着いたAOR系サウンドかもしれません。私もお気に入りの1曲です。口笛のようなシンセ音が印象的ですね。
この楽曲はボビーの故郷、マイアミに住む老人を歌ったものだそうです。

ボビーはもちろん白人ですが、デビュー当時は露出も少なく、そのヴォーカルがあまりにもソウルフルなんで、黒人なんではなにかと思われていたようです。
どこかスティーヴィー・ワンダーに似ているヴォーカルは私も大好きです。本作でも④「Words」なんかはヴォーカルがスティービー・ワンダーそっくり。一番アーバンソウルな香りがしますね。
途中のTOPのホーンもいいし、80年代AORの香りが漂います。

コロナ明け、ボビーのライヴが妙に見たくなってきました。アメリカではジャクソン・ブラウンとジェームス・テイラーのWライブがスタートするらしい。日本でも音楽面でも早くライブが見れる環境になってほしいものです。

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