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THE SQUARE「TRUTH」(1987)

スクエアのメロディメーカーだった和泉宏隆さんが亡くなられましたね。もちろん一般的にはスクエアのメロディメーカーといえば安藤まさひろさんですが、バラードとなると、和泉さんが書かれる楽曲が飛びっきり素敵でした。
この「TRUTH」は、スクエアがF1のテーマソングで一気にブレイクしたときのアルバムで、巷ではタイトル曲の「TRUTH」がかかりまくってました。私はそういった流行りモノの楽曲にはあまり興味はなく、むしろこのアルバムに収録された楽曲の、和泉さんが書かれた必殺バラードが大好きでした。

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先にその必殺バラードをご紹介しておきます。それが⑨「Twilight In Upper West」。

伊東たけしさんの泣きのサックスも素敵です。スクエアの曲の中で、この曲が一番好き…という方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。サビの直前のドラムが入ってくるところなんか、ドラマティックで最高ですね。
実は本作をご紹介しようと思ったのは、素敵な…、素敵な映像をご紹介したかったからなんです。その映像とは、当時バンドのベーシストだった須藤満さんが、亡き和泉さんを偲んでこの曲をプレイした映像です。何も語らず、和泉さんの写真を掲げながら淡々とメロディを奏でる須藤さん。「Twilight In Upper West」の美しいメロディが引き立ちます(泣)。

せっかくなのでアルバムの他の楽曲もご紹介致します。オープニングの①「GRAND PRIX」。
このアルバムは、wikiにも記載の通り「全体的にリバーブ(残響)が深い音作り」が特徴的で、まさにこのオープニングナンバーのイントロがそのサウンドを象徴しております。迫力あるサウンドですね。私はスクエアの8ビート系の楽曲が好きだったので、どうしてもドラマー目線でいえば、前任の長谷部徹さんのプレイが大好きなんですが、ここでの則武さんのプレイは凄みを感じます。

アフリカン・ビートを取り入れた③「BEAT IN BEAT」。
デジタルなサウンドに、アフリカン・ビートを取り混ぜた意欲作。でも気付けば陽気ないつものスクエア・サウンドです。伊東たけしさんが奏でるサックスは聴いていて心地いいんですよね。この曲なんか、隠れた名曲だと思います。この頃のスクエアはサウンド的にも完成されてます。

和泉宏隆さん作の⑥「BREEZE AND YOU」。
こちらの映像はライヴですが、イントロの則武さんのプレイが横のアングルから堪能出来ます。凄いプレイですね。天才ドラマー…、彼がスクエアに加入したのは前作からですが、間違いなく彼の加入がスクエア・サウンドを拡げました。そして本作からはベースに前述の須藤さんが加入。この2人のリズム隊も大好きです。
この「BREEZE AND YOU」は安藤まさひろさんや伊東たけしさんよりも、やはり作曲者の和泉さんが目立ってますね。綺麗なエレピの音…。

本作では一番のお気に入りの⑦「GIANT SIDE STEPS」。
本作中、唯一の伊東たけしさんの作品。彼のリリコンの爽やかな音が素敵です。
アップした映像は2015年のブルーノートでの演奏。Tスクエアは本作発表後、数年後にはメンバーチェンジがいろいろあったりして…。ただこの当時は「TRUTH」オリジナルメンバーが集まり、こうした演奏をしていたようです。この演奏、めっちゃいいんですよね。ブルーノートはご存じのような小さなライブハウス。それに合わせた演奏、特にドラムの則武さんのプレイ、神懸ってます!安藤さんのギターソロもカッコいいし、この映像はいつ見ても素晴らしいのです。ここに居合わせたお客さんは至福の時間を過ごされたと思います。そして和泉さん…、本当に残念。

本作以降のスクエア、つまりTスクエアは何作かつまみ食いした程度。機会あれば以降の作品もチェックしてみます。

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