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Carpenters「A Song for You」(1972)

何かあると聞き返してしまうアーチストの一組にカーペンターズがいます。完璧なまでのアレンジ、楽曲、そしてカレンの素晴らしいヴォーカル。艶やかなアルト・ヴォイスは心落ち着かせる安定感があります。

そんな彼らの1972年発表の4枚目。次作「Now&Then」に負けず劣らず、素晴らしいアルバムです。ジャケットも愛らしいですね。本作がカーペンターズのアルバムの中で一番好きだ…という方も多いのではないでしょうか?

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もう①~⑤まで一部の隙もないくらい素晴らしいポップスが続きます。
①「Song for You」はレオン・ラッセルの名曲。泣かせるサックスはバンド・メンバーのボブ・メッセンジャー。このサックスがいいんですよね。従来のカーペンターズサウンドになかったアダルトな雰囲気を醸し出してます。
バンド・メンバーといえばカーペンターズのバック・バンドは強烈です。本作のレコーディングメンバーと同じですが、ベースがジョー・オズボーン、ドラムにハル・ブレイン。この2人が鉄壁のリズムを支えます。この2人、ポップス好きな方はご存知ですよね??60年代のポップス業界には欠かせなかったメンバー。モンキーズのセッションでもおなじみのメンバーですね。

何の説明も要らないでしょう。名曲②「Top of the World」。私のカーペンターズ・デビューはこの曲だったかもしれません。カントリー調のポップス。スティール・ギターはレッド・ローズ。レッド・ローズはこの当時、元モンキーズのマイク・ネスミスとバンドを組んでました。

ギターのトニー・ペルーソのソロが話題となった⑤「Goodbye to Love」。私のカーペンターズ・ベスト3の1曲。イントロなしのカレンの ♪ I'll say Goodbye to love ♪ の歌いだしから引き込まれます。この曲のポイントは分厚いコーラスとそれに導かれるように始まるディストーションのかかったギターソロ。このソロはポップスの王道をいくカーペンターズには似合わないハードなもの。当時はクレームもあったようですね。リチャード・カーペンターの後のインタビューを見ると「あれは素晴らしい名演」と、完璧主義の彼にしては大絶賛してます。

⑧「Flat Baroque」はカーペンターズがただのポップス屋ではないことを証明するクラシカルな曲(リチャード作)。リチャードが素晴らしいピアノを披露します。このドラムはカレンかもしれませんね(カレンは実は素晴らしいドラマーでもあります)。

⑩「I Won't Last a Day Without You」もあまりにも有名な曲ですね。ロジャー・ニコルス&ポール・ウィリアムス作。ポップスの名曲中の名曲。今更ながら、やっぱりいい曲です。

ちなみにポール・ウィリアムスはこの曲をセルフカバーしてますが、そのデュエットの相手はヴァレリー・カーター。これがまた素晴らしいのです。

カレンのヴォーカルは本当に暖かい。そして素晴らしいリチャードのアレンジ。完璧なコーラス、演奏。そんな素晴らしさに気づいた頃、当時私は中学生でしたが、カレンの死が突然報道されました。驚きましたね。
そんな思いで「青春の輝き」のプロモーションビデオを見ると泣けてきます。このプロモはYouTubeでみれますので、一度ご覧ください。


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