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Crosby, Stills & Nash「Crosby, Stills & Nash」(1969)

事あるごとに、60年代~70年代のフォーキーな音楽をよく聴いております。特にウエストコースト系の人脈には関心が深く、例えばママス&パパスのジョン・フィリップスCS&N。一見繋がりはないようですが、実はCS&N結成の背景にはママパパのキャス・エリオットが関係したりしております。

1968年当時、ジョニ・ミッチェルデヴィッド・クロスビーが恋仲にあり、彼等の近所にはジョン・セバスチャン(ラヴィン・スプーンフルですね)、キャス・エリオットが住んでいました。彼等はよく集まっては騒いでいたようですね。そんななかスティーヴン・スティルスとデヴィッド・クロスビーのハーモニーを聞いていたジョンが、グラハム・ナッシュの加入を提案。グラハムとは友人関係にあったキャスがグラハムを誘い、ここにCS&Nが誕生したのです。ちなみに彼等のマネージメントはあのデヴィッド・ゲフィンが担当しました。

元バッファロー・スプリングフィールドのスティーヴン・スティルス。元バーズのデヴィッド・クロスビー、元ホリーズのグラハム・ナッシュ。この3人が集まったバンドがCS&N。元祖スーパーバンドですね。
この面子にドラムがジョン・セバスチャンの紹介で加わったダラス・テイラー。アルバムの裏ジャケに映っている怪しげな人物はダラスですね(多分)。

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実にいいアルバムです。このアルバム①②で完全にノックアウトされます。アコギでロックする①「Suite: Judy Blue Eyes」。なんと7分以上の大作にも関わらず、一気に聴かせてしまいます。アコギやエレキの効果的な使い方など本作に限らず、アルバム全体を通じて、サウンド・プロダクションを担当したスティーブン・スティルスの才能が爆発した感じのアルバムですね。
それから彼等の魅力の3声ハーモニー。彼等のハーモニーは音楽の魔法を感じさせます。どんな曲でも、このハーモニーが聴こえてくるとうっとりしてしまいます。この曲のエンディング、スキャット風コーラスも最高ですね。

グラハム作②「Marrakesh Express」。これはシングルカットされた作品。
グラハムの作品ってとても愛らしくてポップな曲が多いんですよね。POPS好きの私としてはグラハムの作品はお気に入りです。また彼のヴォーカルも愛らしくて好きですね。そしてももちろんこの「Marrakesh Express」もそんな1曲。グラハムが頑張ってます。                    ちなみにアップした映像は1969年のウッドストックでのライヴで、「Marrakesh Express」に続いて、なんとビートルズの「ブラックバード」を3人で歌ってます。ハーモニーの魅力を堪能してください。

ちょっとフォーキーな④「You Don't Have to Cry」。これこそCS&N誕生前夜に3人で3声ハーモニーを試した1曲。この3声ハーモニーの素晴らしさに彼等自身が気付き、グループ結成となりました。

⑧「Helplessly Hoping」は彼等のハーモニーが堪能できます。この曲の3人のそれぞれの声は妙にクリアに聴こえます。ですから余計にどうやって歌っているのか、よく分かります。
このハーモニーはやっぱり出来そうで出来ない(当たり前ですね)。

デヴィッド・クロスビーの曲は重たいですね。⑥「Wooden Ships」や⑨「Long Time Gone」はデヴィッドの曲ですが、ポップスばかりではないブルースやソウル色漂うナンバーです。個人的には少し苦手ですが、こうした楽曲が本作の味わい深さに貢献してます。「Wooden Ships」の渋さが大好きという方も多いでしょうね。

本作発表後、ニール・ヤングが加入し、CSN&Yとして名作「Deja Vu」を発表します。鬼才ニールはソロとしても大成していきますが、ニールの永遠のライヴァル、スティーヴンは、なぜかソロとしての商業的ヒットに恵まれないんですよね。本作もそうですが、バンド内でのクリエイティブ性は思いっきり発揮する人なんですけどね。

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