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音楽の杜がおススメする70年代洋楽

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人生の大半を音楽に注いできた「音楽の杜」がおススメする洋楽アルバム集
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#1974年

Fleetwood Mac「Heroes Are Hard to Find」(1974)

GWの真ん中3日は普通に出勤していたので、あまりGWという意識もないのですが、皆さんは如何お過ごしでしょうか。私も音楽三昧…ということで後半4連休で、アルバム2枚をご紹介したいと思ってます。 まずはフリートウッド・マックです。Note MateのSkyBlue⚽️さんの記事にインスパイアされ、フリートウッド・マックの「噂前」の作品、「Heroes And Hard to Find」をチェック。1曲目から先入観によるイメージとは全く違う展開に驚いてしまいました…。 そもそも

Steely Dan「Pretzel Logic」(1974)

スティーリー・ダンというと圧倒的に「Aja」が有名ですが、私はバンドサウンドが楽しめる本作も結構好きだったりします。 スティーリー・ダンの1974年発表の3作目。既にバンドとしての形態は形骸化しており、ドナルド・フェイゲン&ウォルター・ベッカーのプロジェクトと言ってもいいかもしれません。 本作には「Aja」のような独特なクールな世界観が垣間見られる楽曲もありますが、総じてアルバムとしての統一感は乏しく、むしろ様々な楽曲を詰め込んだ作品集としての色彩が強いように思います。

Queen「Queen II」(1974)

クィーンの美学が貫かれたセカンドアルバム非常に気品に満ちたアルバムです。 クィーンのなかでは一般的にはメジャーでないアルバムですが、コアファンの間では人気の高いアルバム。 クィーンはこの後発表されることとなるシングル曲「Killer Queen」の世界的な大ヒットで、一躍メジャー級バンドとなりましたが、この当時は本国英国でもそれほどの人気はなかったと思われます。 本作はそのメジャー級バンドとなる直前の、1974年4月に発表されたクィーンらしい名盤。ジャケットが名盤の佇まいを

Boz Scaggs「Slow Dancer」(1974)

ボズ・スキャッグスというと、一般的に1976年発表の「シルク・ディグリーズ」におけるMr.AOR的なイメージが強いかと思います。その「シルク・ディグリーズ」の前作にあたるのが本作。このアルバムにフォーカスする記事もたまに見受けられますが、やっぱりマイナーな存在でしょうね。 もともとR&Bやサザンソウルといった泥臭い音楽をやっていたボズ。この「スローダンサー」は「シルク・ディグリーズ」へ繋がる重要な試金石的なアルバムで、フィリーソウルをベースにAOR、サザンソウル、ファンク等

Joni Mitchell「Court And Spark」(1974)

ジョニ・ミッチェルの永遠の名盤本作は70年代、ジョニがフォーキー路線からフュージョン色を強めていった最初の作品と言われてます。 私自身はジョニの作品は1980年のライブアルバム「Shadows and Light」を所有しておりましたが、実はあまり聴き込むこともなく、せいぜいカバー曲で唯一のポップな「Why Do Fools Fall in Love?」を繰り返し聴くくらいでした。ちょっと暗くて、難解、というのが素直な感想でしたね。 そういった印象を持っていたジョニですが、

Deep Purple「Burn」(1974)

ディープ・パープルというと正統派ハードロックのイメージが強いですが、このアルバムもブルージー感が増した傑作アルバムです。 それまでのイアン・ギラン(Vo)、ロジャー・グローバー(B)に替わり、当時全くの新人であったデヴィッド・カヴァーデイル(Vo)、元トラピーズの歌えるベーシストのグレン・ヒューズ(B)が加入した第三期ディープ・パープルの最初のアルバム。 中学時代にディープ・パープルを初めて聴き、一番衝撃を受けた曲がこのアルバムのファーストトラックの①「Burn」です。当

Humble Pie「Thunderbox」(1974)

4月6日のジェームス・テイラー来日公演参戦に際して、音楽愛好家の大先輩にチケットはお願いしていたのですが、そのチケットが到着して度肝を抜かれました。 東京ガーデンシアターって8千人収容のホールなんですが、その大きなホールのアリーナ、なんと1列目!!真ん前じゃないですか。しかもステージ正面区画の1列というプレミア級の席。周りに著名人が座るんじゃないかと、別の意味でもドキドキしております(笑)。 またJTのアルバムはご紹介するとして、今回は(全くJTとはイメージの違う)ハンブル

Rolling Stones「It's Only Rock 'N Roll」(1974)

ミック・テイラー在籍最後の素晴らしき名盤ローリング・ストーンズというと根っからのワンパターンロックンロールというイメージが先行していたため、特に70年代のストーンズのアルバムって十数年前まで一枚も聴いたことがありませんでした。 ただ本作をきっかけに次々と購入。特に本作の、ファンク色の強いかっこいいストーンズに当時感動したものです。 ミック・テイラーは初期ストーンズのリーダーであったブライアン・ジョーンズの代わりに加入したギタリストで、1971年の「Sticky Finger

Raspberries「Starting Over」(1974)

ラズベリーズは私の大好きなバンドの一つです。エリック・カルメンが率いたバンドで、ビートルズ・ビーチボーイズが好きなポップスファン、またフーなどが好きなハードロックファンなら絶対に気に入って頂けると思います。 本作は1974年発表。ラズベリーズの4枚目にしてラストアルバムです。本作ではベースがスコット・マッカール、ドラムがマイク・マクブライドに替わったものの、ラズベリーズの持ち味は全く変わっておりません。 ラズベリーズは1971年にデビューし、4枚の素晴らしいアルバムを残し

Deep Purple 「Stormbringer」 (1974)

第3期ディープ・パープル、特に新加入したデイヴィッド・カヴァデールとグレン・ヒューズが活躍(暗躍??)し出す本作については賛否両論ありますね。やっぱりリッチーが本作を「最低!」と評したことでもお分かりの通り、特にリッチーも含めて第2期を愛するファンにとっては、この作品、最初聴いたときは違和感だらけだったのかもしれません。実は私も最初はそういった印象だったのですが、じっくり聴いた今ではいろいろな発見をしております。 邦題、嵐の使者の通りのジャケットが素晴らしい。パープルにとっ

Kenny Rankin「Silver Morning」(1974)

秋らしい気持ちの良い天気が続いてますが、こういう日はケニー・ランキンの音楽がピッタリ。日本ではケニー・ランキンをご存じない方が多いのではないでしょうか。ボサノバの父と呼ばれているジョアン・ジルベルトが称賛していたというケニー、彼の音楽はフォーキーでありながらも、かなりボサノバに近いサウンドで、カバー曲も原曲を大胆にアレンジしてしまう名手でもありました。 そのケニー・ランキンの代表作といえば、1974年発表の4枚目のアルバム「Silver Morning」。前作「Like A

Eric Clapton「461 Ocean Boulevard」(1974)

程よくレイドバックしたECカムバック作 1970年代前半、エリック・クラプトンは薬物依存症に陥ってしまいます。 盟友ジミ・ヘンドリックス、デュアン・オールマン等の死、そして親友ジョージ・ハリスンの夫人であるパティとの不倫・・・。様々な出来事が重なりました。そしてクラプトンは1971年、バングラディシュ・コンサートを最後に一線から退いてしまうのです。 そして1973年1月、ピート・タウンゼントの呼びかけで開催されたレインボー・コンサートでクラプトンは復活しました。 クラプトン

Queen 「Sheer Heart Attack」 (1974)

数年前に大ヒットした映画「ボヘミアン・ラプソディ」でクィーンを知った若い世代の方々も多いと思いますが、個人的には「やっぱりクィーンはパンキッシュだった初期がいいなあ」と思っちゃいます。 特にこのサード・アルバム、内容もさることながら、ジャケットがロックしていてカッコいい! クィーンのアルバムジャケで、メンバー全員が写っているものは実はあまりなく、そういった意味では本作、ジャケ、内容とも素晴らしい作品です。 前作「QueenⅡ」から1974年2月にシングルカットされた「Se

Orleans「Orleans II」(1974)

今日から新年度の方々も多いのではないでしょうか。 しかも今年は桜咲く時期と重なり、妙に気分がウキウキするものです。 子どもが小さかった頃、車中のドライブソングの選択にいつも悩んでましたが、こういう日よりにはよくオーリアンズをピックアップしてました。 オーリアンズといえば「Dance With Me」ですね。多くのカバーバージョンが存在しますが、私はフュージョンギタリストのアール・クルーのカバーが最高だと思ってます。 オーリアンズの原曲は彼等らしく土臭い香りがしますね。 本