マガジンのカバー画像

音楽の杜がおススメする70年代洋楽

366
人生の大半を音楽に注いできた「音楽の杜」がおススメする洋楽アルバム集
運営しているクリエイター

#フュージョン

Deodato 「Prelude」 (1972)

デオダートのCTIレーベルからのファーストアルバム。邦題「ツァラトゥストラはかく語りき」。もちろんタイトルトラックはストラウス作のクラシックの名曲。 ブラジル生まれのデオダードは国内では1964年にレコードデビュー。ブラジルといえばボサノバですが、60年代後半頃からアストラッド・ジルベルトやルイス・ボンファといった大物アーチストのアレンジを手掛けていきます。そして敏腕プロデューサーとして著名だったクリード・テイラーに認められ、1968年に渡米。 その後テイラーはCTIレーベ

Donald Byrd「Street Lady」(1973)

3連休最終日、まったりしたい方のために、今回は洒落たジャズをご紹介します。ジャズは聴かないんだよね~って方でも、とっつきやすい1枚だと思います(これをジャズと呼ぶにはどうかと思うのですが)。 ドナルド・バード…。ハード・バップと呼ばれるジャズの巨匠ですが、70年代のドナルド・バードはかなりクロスオーバー・ミュージックをやってます。特に今回ご紹介する作品の前に発表した「Black Byrd」は、フュージョンの先駆けと呼ばれている作品。そして、その次に発表されたのが本作であって

Bob James 「One」 (1974)

今回は言わずと知れたフュージョン界の大御所、ボブ・ジェームス。彼もデビュー当時(1962年)はバリバリのジャズをやっていたんですが、CTIレコードの創始者でもあるクリード・テイラーで出会い、60年代後半からジョージ・ベンソンやミルト・ジャクソン等のレコーディングに参加。所謂クロスオーバーな音楽の中心人物として活躍。 そして本作…。CTIレーベル時代の経験をベースに満を持して発表されたソロアルバムなんです。タイトルは「ONE」ですが、自身3枚目のアルバム。ただしフュージョンライ

Azymuth 「Azymuth」 (1975)

あまりにも暑いので、少しクールダウン…と思い、今日はフュージョンをセレクトしました。アジムスをご存じない方も多いと思いますが、以前放送していたNHK-FM「クロスオーバーイレブン」の主題歌「Fly Over The Horizon」をご存じの方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。その主題歌を演奏していたのがアジムス。ブラジルのフュージョン・バンドです。本作は彼らの1975年のデビューアルバム。 アジムスは1971年(Wikiには60年代後半とありますが、本作ライナーノー

Marlena Shaw「Who Is This Bitch, Anyway?」(1975)

マリーナ・ショウが今年1月に亡くなられましたね。 私自身はそれほど彼女の音楽を聴きまくっていたわけではないのですが、ブルーノートのCDが999円で売られていた際に、本作を購入。 マリーナ・ショウってあまり意識して聴いたこともなく、このアルバムがどういった内容であるかも全く分からなかったのですが、「Feel Like Makin' Love」が収録されていたこと、デヴィッド・Tやラリー・カールトン、チャック・レイニー等が参加していたこと(このメンバーを見ただけで、音を聴かなくて

Jeff Beck「Blow By Blow」(1975)

70年代洋楽ファンにとって3大ギタリストといえばエリック・クラプトンにジミー・ペイジ、ジェフ・ベックですが、ジェフだけはそのキャリアも孤高の人って感じがします。 ジェフ・ベック・グループ解散後、1972年、クリームばりのトリオのロック、ベック・ボガード&アピスを結成。来日まで果たすのに、またまたセカンド・アルバムの制作途中でグループは解散。ベックらしいというか…。 でもベックはビリー・コブハムの「スペクトラム」に感銘を受けたらしい。というかそこでギターを弾いていたトミー・ボ

Patti Austin「End Of A Rainbow」(1976)

スタッフの心地よい演奏とパティの素晴らしいコラボ! オフィス前のさくら通りの桜も散り、段々暖かくなってきました。 春を感じさせる時期となりましたね。こんな時によく聴いているのがパティ・オースティンのデビューアルバムです。 パティ・オースティンというと1983年の大ヒット曲「Baby Come To Me」のコンテンポラリー系の楽曲が思い起こされますが、実はデビュー当時はかなりフュージョン・ポップス系の、素敵な音楽を聴かせてます。 ジャケットが結構インパクトありますね~。頭

Earl Klugh 「Earl Klugh」 (1976)

心地良い天気が続いて気持ち季節となりました…。 こういう時は、ついついフュージョンを聴いてしまいます。私のお気に入りはアール・クルー。昔からこの人のアコギは大好きなんですが、なぜか彼のファーストアルバムは日本CD化が遅れていたこともあり、長らく未聴だったのですが、7,8年前にブルーノート999シリーズ(名盤999円)が発売されたなかに、本作が含まれており、遅ればせながら購入。当時はコレばっかり聴いておりました。 これがまた実にイイ! なぜ長らく国内CD化が遅れていたのでしょ

Jeff Beck「Wired」(1976)

ジェフ・ベックが、ビリー・コブハムの「Spectrum」からインスパイアされて制作したのが「Blow By Blow」という素晴らしいギターインストアルバム。そこから更にフュージョン色を強めていったのが今回ご紹介する「Wired」です。 「Blow By Blow」発表後、ジェフはスタンリー・クラークの「Journey To Love」の制作に参加し、そこから更にインスパイアされ「Wired」の制作に着手します。本作はヤン・ハマー、ナラダ・マイケル・ウォルデンの参加がサウンド

Stuff「Stuff」(1976)

インストミュージックの楽しさを教えてくれた一枚!TOTOよりも早く結成された、あまりにも有名なスタジオミュージシャン’s バンドですね。メンバーはリーダーのゴードン・エドワーズ(B)、コーネル・デュプリー(G)、エリック・ゲイル(G)、リチャード・ティー(Key)、スティーヴ・ガッド(Ds)、クリストファー・パーカー(Ds)の6人。ニューヨークのライブハウス「ミケルズ」でセッションを繰り広げていた凄いメンバーです。 このメンバーが奏でる音楽が悪いわけありません!これを聴いた

Mike Mainieri「Love Play」(1977)

NYのヴァイブ奏者として有名なマイク・マイニエリ。ヴァイブ奏者というと、AOR系アルバムには必ずクレジットされているヴィクター・フェルドマンや、ジャズ界の巨匠・ゲイリー・バートン等が有名ですが、このマイクも個人的にはよく知っている名前でした。 彼のソロアルバムはAORやフュージョンの名盤ガイドブックでは定番。特に本作は同時期の名盤として紹介されていることが多いですね。1977年というのはフュージョン・ブームが到来してきた頃で、ここでのサウンドは、まさに時代を反映したフュージョ

Brecker Brothers「Heavy Metal Be-Bop」(1978)

果たして本作がお洒落な音楽と目されている「フュージョン」というカテゴリーにいれていいのかどうか、多いに悩ませる作品です。 ブレッカーブラザーズは、兄ランディ・ブレッカー(tp)と弟マイケル・ブレッカー(ts)が1974年に結成したフュージョン・グループで、1981年に一旦解散しますが、1992年に再結成。しかしながら2007年1月に弟マイケルが白血病で57歳の若さで亡くなります。 とにかくこの2人、ありとあらゆるレコーディングに参加しているので、AOR、フュージョン系のア

Bob James「Touchdown」(1978)

ここしばらく蒸し暑い日が続いてましたが、今日の朝はすこしだけクールダウン…。ちょっとだけ気持ちよい朝です。 そんな清々しい気持ちを代弁してくれるような1枚。クロスオーバーミュージックの立役者、ボブ・ジェームスの1978年発表の代表作。 1977年、ボブは自身のレーベル、Tappan Zeeを設立。以降フュージョン業界そのものの牽引者として大活躍していくのですが、本作はその自身のレーベルからの2枚目のアルバムということもあり、非常に丁寧な作りこみがなされております。 名曲①

クロスオーバーイレブン・・・、アジムスの素晴らしき世界

街も深い眠りに入り 今日もまた 一日が終わろうとしています 昼の明かりも闇に消え 夜の息遣いだけが聞こえてくるようです それぞれの想いをのせて過ぎていく このひととき 今日一日のエピローグクロスオーバー・イレブン アラフィフ世代には懐かしいクロスオーバーイレブン。NHKFMで放送されていた音楽番組。そのオープニングのテーマをご存じでも、誰が演奏していたのか、認識している方は意外にも少ない。                ブラジルのジャズ・フュージョンバンド、アジムスの「Fly