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音楽の杜がおススメする70年代洋楽

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人生の大半を音楽に注いできた「音楽の杜」がおススメする洋楽アルバム集
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#1978年

Pages「Pages」(1978)

今回は直球のAOR、ペイジスです! ペイジスといえば3作目のアルバム「Pages」が有名ですが、今回ご紹介するファーストも実に味わい深い。実は私、長らく本作をスルーしていたのですが、ちょっと気になってチェックしてみたら、これが実にいいのです。セカンド、サードと較べて、ちょっとフュージョン・テイストが増している印象ですね。 サードアルバムでは完全にリチャード・ペイジとスティーヴ・ジョージのユニットになってしまいましたが、デビュー当時は完全なバンドでした。あ、ちなみにペイジスの

Cecilio & Kapono「Night Music」(1977)

ハワイを代表するバンドのAORの名盤! カラパナと供にハワイを代表するバンド、セシリオ&カポノ。1973年に結成されたセシリオ・ロドリゲスとヘンリー・カポノ・カアイヘウの2人組で、彼らのどの作品もサーファーご用達の海風を誘う素晴らしい作品ですね。 本作はそんな彼らの素晴らしい作品群のなかでも、もっとも人気の高い作品。特にボズ・スギャックスの超名曲「We're All Alone」がカバーされていることから、AOR度が極めて高いアルバムです。 題名からするとムーディーな音楽

Queen「Jazz」(1978)

クィーンのアルバムをご紹介するのに、最初にこのアルバムを持ってくる方はあまりいらっしゃらないかもしれませんね。              実は中学時代、クィーンのオリジナルアルバムで、最初に購入したアルバム(LP)が本作だったんです。知っている人は知っていると思いますが、例のポスターに感動したことは言うまでもありません(笑)。 でももちろん素晴らしい内容のアルバムなんです。1978年発表のクィーン7枚目のアルバム。 この一風変わったジャケットは、ブライアンが本作レコーディ

Billy Joel「52nd Street」(1978)

70年代後半のビリー・ジョエルはカッコ良かった。なんとなくニューヨークの香りがするようなロック、バラードもセンスあるし、「Glass Houses」あたりまでのアルバムはどれも素晴らしいですね(実はリアルタイムに聴いたビリーのアルバムは「The Nylon Curtain」からなんですが…)。 個人的にはこのビリー・ジョエルのサウンドを支えていたのがリバティ・デヴィートのドラムだと思ってます。 ご存じのようにビリー・ジョエルとビリー・ジョエル・バンドの関係は後に不仲となり、

Brecker Brothers「Heavy Metal Be-Bop」(1978)

果たして本作がお洒落な音楽と目されている「フュージョン」というカテゴリーにいれていいのかどうか、多いに悩ませる作品です。 ブレッカーブラザーズは、兄ランディ・ブレッカー(tp)と弟マイケル・ブレッカー(ts)が1974年に結成したフュージョン・グループで、1981年に一旦解散しますが、1992年に再結成。しかしながら2007年1月に弟マイケルが白血病で57歳の若さで亡くなります。 とにかくこの2人、ありとあらゆるレコーディングに参加しているので、AOR、フュージョン系のア

Melissa Manchester「Don't Cry Out Loud」(1978)

ドゥービー・ブラザーズの11年振りの新譜が心地いい。3人となったドゥービーですが、ギタリスト3人のバンドとなったこともあり、爽快なギターバンドになってますね…。 さてさて、今回はドゥービーとは同時期に活躍していたメリサ・マンチェスターです。メリサ・マンチェスターというとコンテンポラリー系シンガーというイメージで、80年代をリアルタイムに過ごしたものとしては、彼女のヒット曲「You Should Hear How She Talks About You」が印象的。正直、MOR

Valerie Carter「Wild Child」(1978)

AORの名盤って、男性アーチストが多いと思いませんか? リッキー・リー・ジョーンズもカーラ・ボノフもリンダ・ロンシュタットも直球のAORとはちょっと違いますね(AORの定義にもよりますが^^)。強いて言えばローレン・ウッドやキャロル・ベイヤー・セイガーでしょうか?? そして本作の主人公、ヴァレリー・カーター。ジェームス・テイラーのバックコーラス等で有名な彼女。コレ、ジャケのインパクトが強いので、長らく聴かず嫌いだったのですが、今ではすっかり愛聴盤になってます。AOR名盤に常に

Boston「Don't Look Back」(1978)

鬼才トム・ショルツの才能が炸裂したボストンのセカンドアルバム コロナ禍よりずっと前、2007年11月、たまに顔を出していた洋楽カラオケバーに行き、ボストン熱が復活。当時何回もボストンを聴きかえしておりました。 あのポラロイド社に勤めながら自らの電子工学の知識を用いて素晴らしいギターサウンドを創造し、デモテープまで作ってしまったトム・ショルツ。ボストンは彼自身のバンドといっていいでしょう。スティーリーダンが実質ドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーのユニットであるのと同

Jerry Corbetta「Jerry Corbetta」(1978)

私のような雑食派にとっては、皆が知らないような、でも聴いてほしいアルバムを紹介するのが一つの義務だと思ってます(そんな大げさなものでもないですが…)。 本作の主人公、ジェリー・コルベッタ。一体どれだけの方がご存知でしょうか?知っているという方はよほどのAORマニアですね。私は未だにこのアルバムをブログで紹介されている方を見たことがありません。 ジェリーはもともとは1970年にデビューしたシュガーローフというロックバンドのリーダーであり、同年「Green-Eyed Lady

The Who 「Who Are You」 (1978)

今回ご紹介するのはザ・フーのアルバムの中でも、あまり評価が芳しくないキース・ムーン在籍時、最後のスタジオアルバム「Who Are You」です。 私もザ・フーのアルバムは「Who's Next」止まりかな・・・という先入観から、永らく本作は放置しておりましたが、今回じっくり聴いてみてビックリ。意外にもいいじゃないですか! AMAZONのご意見なんかは、結構辛辣で星ひとつ評価の方もいらっしゃるくらいですが、そこまで酷くないのでは?? と思ってます。 本作発表の2週間後にドラ

Bob James「Touchdown」(1978)

ここしばらく蒸し暑い日が続いてましたが、今日の朝はすこしだけクールダウン…。ちょっとだけ気持ちよい朝です。 そんな清々しい気持ちを代弁してくれるような1枚。クロスオーバーミュージックの立役者、ボブ・ジェームスの1978年発表の代表作。 1977年、ボブは自身のレーベル、Tappan Zeeを設立。以降フュージョン業界そのものの牽引者として大活躍していくのですが、本作はその自身のレーベルからの2枚目のアルバムということもあり、非常に丁寧な作りこみがなされております。 名曲①

Kenny Loggins「Nightwatch」(1978)

ここ最近、AORの名盤をご紹介していなかったので、ここらで1枚ご紹介したいと思います。 ケニー・ロギンス。エイティーズファンの間では「フットルース」「デンジャーゾーン」といった商業ロック的イメージの強い優男ですね。そのケニー、もともとはライター出身で、1971年に念願のメジャーデビューを果たします。その時のプロデューサーがバッファロー・スプリングフィールド→ポコと渡り歩いたジム・メッシーナ。ジムはケニーと意気投合し、ケニーのソロの筈が、気付いたらロギンス&メッシーナになって

Randy Meisner「Randy Meisner」(1978)

元イーグルスのランディ・マイズナーの訃報に接し、追悼する意味で本作を拝聴。ランディのソロは、私が洋楽を聴き始めた頃に発表されたサードアルバム「Randy Meisner」(ランディの声がスティーヴ・ペリーにそっくり)しか聴いておらず、このファーストは未聴だったのですが、こちらが想像以上に素晴らしい内容でしたので、ご紹介致します。 ランディのイーグルス脱退経緯は、グレン・フライとドン・ヘンリーの横暴に辟易したとか、「Take It To The Limit」ばかり歌わせること

Frank Weber「As The Time Flies」(1978)

もう1人のピアノマン、フランク・ウェーバーのデビューアルバム 堪らなく大好きなフランク・ウェーバー。殆ど知る人も少ないと思いますが、私は彼のセカンドアルバムである「Frank Weber」が大好きで、よく聴いてました。 本作はそのフランクのデビューアルバムです。永らく入手困難で困っていたのですが、2007年11月に紙ジャケ化されたのを機に、購入しました。 まず驚いたのが、その豪華な参加ミュージシャンの面子です。リチャード・ティー(Key)にスティーヴ・ガッド(Ds)のスタ