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音楽の杜がおススメする70年代洋楽

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人生の大半を音楽に注いできた「音楽の杜」がおススメする洋楽アルバム集
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2021年10月の記事一覧

Nitty Gritty Dirt Band「Uncle Charlie & His Dog Teddy」(1970)

ニッティ・グリッティ・ダート・バンド(以下NGDB)。長いバンド名です。彼等との出会いは中学生のとき。たまたまラジオから流れてきたNGDBのヴァージョン「All I Have To Do Is Dream」(原曲はEverly Brothersですね)に感動し、即アルバム「Dream」を購入しました。 あれから40年近く経ちますが、最近彼等の名アルバム「Uncle Charlie & His Dog Teddy」を聴く機会があり、改めて感動してしまいました。このアルバム、以

The Mamas & The Papas「People Like Us」(1971)

関東は今日も気持ちのよい天気となりそう。こんな時は素敵なソフトロックを聴きたくなります。今日、チョイスしたのはママス&パパス。しかも彼らにとっては異色作のラストアルバム。 ママス&パパスっていうと、フォーキーなイメージがありますが、この作品はソウル色の濃いソフトロックの名盤。 ご存じのようにママス&パパスは男女4人の混成メンバー。1965年に結成されますが、バンド内の不倫騒動等、ドロドロの関係となり、1968年には解散してしまいます。ただし契約レーベルのダンヒルとはもう1枚

Full Moon「Full Moon」(1972)

AORファンには御馴染みのフル・ムーン。というかラーセン・フェイトン・バンドと申したほうがいいかもしれませんね。私もラーセン・フェイトン・バンドはよく聴いてました。 ニール・ラーセン(Key)とバジー・フェイトン(g)。フュージョン、AOR界では御馴染みのスタジオ・ミュージシャンで、この2人を核に1972年にフル・ムーン名義でアルバムを1枚発表しますが、敢無く解散。 それから8年後の1980年に再び2人が中心となり、ラーセン・フェイトン・バンド名義でアルバムを発表します。その

Eagles「Desperado」(1973)

イーグルスの「Desperado」、日本では2007年に放送された木村拓哉主演のTBSドラマ「華麗なる一族」の挿入歌として有名ですね。なぜ「Desperado」が使用されたのかよく分かりませんが、イーグルスのなかでも地味な本作が注目されたことは嬉しかったですね。 イーグルスって「ホテルカリフォルニア」のイメージが強いので、彼らのファーストや本作を初めて聴く人にとっては、「??」って感じかもしれません。個人的にはこれら初期のカントリータッチ、そしてそのカントリーフレイバーの中

Average White Band「Cut The Cake」(1975)

ブルーアイドソウル系バンドの中ではかなりファンク色の濃いアヴェレイジ・ホワイト・バンド(以下AWB)。 最初はAWBが英国出身と知って驚いたものですが、60年代のスコットランド界隈(北部イギリス)ではノーザン・ソウルが流行っていたようです。彼等は1973年にデビューしますが、当時のロンドンはグラムロックが全盛期で、彼等のようなソウルミュージックは全く相手にされなかったため、早々に渡米。アトランティックと契約し、セカンド「AWB」を発表します。 ちなみにAWBは1973年にデ

Van McCoy with The Soul City Symphony「Disco Baby」(1975)

「ドゥ・ザ・ハッスル!」 日本人の多くが、10年ほど前のCMのお陰でこの曲をご存知かと・・・。でも本当にこの曲の演者を知っている方はごく僅かかもしれません。洋楽愛好家としては、とても悲しいことですね。 ソウル・ディスコの仕掛け人でもあるヴァン・マッコイ。正直、私も彼のアルバムは聴いたことがなく、一発屋という印象すら持っておりました。今回縁あり、このアルバムを聴く機会があったのですが、これがまたいいんですよね・・・。 ヴァン・マッコイは1950年代から活躍していたアーチスト

Mike Mainieri「Love Play」(1977)

NYのヴァイブ奏者として有名なマイク・マイニエリ。ヴァイブ奏者というと、AOR系アルバムには必ずクレジットされているヴィクター・フェルドマンや、ジャズ界の巨匠・ゲイリー・バートン等が有名ですが、このマイクも個人的にはよく知っている名前でした。 彼のソロアルバムはAORやフュージョンの名盤ガイドブックでは定番。特に本作は同時期の名盤として紹介されていることが多いですね。1977年というのはフュージョン・ブームが到来してきた頃で、ここでのサウンドは、まさに時代を反映したフュージョ

Brecker Brothers「Heavy Metal Be-Bop」(1978)

果たして本作がお洒落な音楽と目されている「フュージョン」というカテゴリーにいれていいのかどうか、多いに悩ませる作品です。 ブレッカーブラザーズは、兄ランディ・ブレッカー(tp)と弟マイケル・ブレッカー(ts)が1974年に結成したフュージョン・グループで、1981年に一旦解散しますが、1992年に再結成。しかしながら2007年1月に弟マイケルが白血病で57歳の若さで亡くなります。 とにかくこの2人、ありとあらゆるレコーディングに参加しているので、AOR、フュージョン系のア

Melissa Manchester「Don't Cry Out Loud」(1978)

ドゥービー・ブラザーズの11年振りの新譜が心地いい。3人となったドゥービーですが、ギタリスト3人のバンドとなったこともあり、爽快なギターバンドになってますね…。 さてさて、今回はドゥービーとは同時期に活躍していたメリサ・マンチェスターです。メリサ・マンチェスターというとコンテンポラリー系シンガーというイメージで、80年代をリアルタイムに過ごしたものとしては、彼女のヒット曲「You Should Hear How She Talks About You」が印象的。正直、MOR

Peter Gallway「On The Bandstand」(1978)

山下達郎さんが「三種の神器」と評したアルバムをご存じでしょうか? 「Fifth Avenue Band」「Ohio Knox」「Peter Gallway」の三作品ですね。その三作品に共通するミュージシャンがピーター・ゴールウェイです。1968年に結成されたフィフス・アベニュー・バンドはラヴィン・スプーンフルの弟分としての位置づけだったようですが、商業的には全くの失敗に終わり、その後発表した「オハイオ・ノックス」や「ピーター・ゴールウェイ」も成功には恵まれず、ピーターはメイン

Felix Cavaliere「Castles in the Air」(1979)

私が最初に買ったCDはラスカルズのベスト盤です。特に「Groovin’」が当時から大好きで(もちろんリアルタイムではありませんが)、その曲聴きたさにCDを買ったようなものでした。その「Groovin’」、ヴォーカルのフェリックス・キャヴァリエの名唱が光ります。ブルー・アイド・ソウル、白人がソウルミュージックを取り入れた音楽を総称してそう呼ばれるようになりましたが、ひょっとしたら、その代表格はラスカルズ=フェリックス・キャヴァリエかもしれません。 本作はフェリックスの1979