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「封印解除!」したかった少女と、おもちゃの話

こんにちは。昨日から少し喉が痛い、ゆのまるです。

今回は、最近の子供とおもちゃについてのお話です。


おもちゃの売上げが減っている理由は……?

いつものようにまとめサイトを見ていると、こんなブログを見つけました。

記事では、仮面ライダー、戦隊シリーズ、プリキュア、アイカツのグループ全体売上げの数字をもとに、その原因を考察されています。その文中に、

「おもちゃで遊ぶのではなく、おもちゃで遊ぶYouTubeを見て満足する」

といった推測があり、Twitterでも話題になっていました。

食事中は、ポケモンと遊戯王とアイカツを見てキャッキャしているアラサー子なし夫婦の我々。このニュースに衝撃を受けました。

子育てせずもせずに外野からあれこれ言う権利はないのですが、実際におもちゃで遊ばず、動画だけで満足してしまう子どもが増えているとしたら。映画を倍速で見たり、解説動画だけで見た気になっている層の存在と、同じ虚無感を覚えました。

こちらの記事では、YouTube視聴時間やおもちゃをどれくらい買うかといった調査をしたわけではなく、玩具業界誌などで

「この先はテレビ放送との連動だけでは玩具が売れなくなっていくので、ウェブ媒体などで様々な施策を行っていく」

と言及されていることから、おもちゃが売れなくなっていることの要因のひとつとして推測しているにすぎません。もちろん背景には、子どもの数自体が減っていることや、平均所得が減っているといった厳しい現実もあると思います。しかし、コンテンツの「消費」スピードがどんどん早くなっていること、モノにお金を使わない人が増えていると実感することなどから、この推測は、あながち外れてもいない気がします。


「手に入らないなら作る」ほど欲しかったおもちゃ

中身は8歳児の我々夫婦は、危機感を持ってこの話題について話していました。

買いたくても買えない、親の気持ちもよくわかります。1年間の放送の中で、新しいアイテムが出るたび、おもちゃを買い与えるわけにもいきませんから。

かく言う私も、もし億が一子どもができたとしても、ニチアサやテレ東系列を見せるか迷うところです。絶対欲しがるに決まってますもん。というか私が欲しい。

しかし夫はというと、「何言ってるの。興味を持てば見せるし、おもちゃだって買うよ」ときっぱり。

おお、ちょっと意外。でもなんちゃらフォームとかなんちゃらバージョンが欲しいとか言い出して、キリないよ。どうするの?と聞いてみると、

「段ボール渡して作れって言う」

欲しくても無いなら作る、が信条な創造神スタイルの夫。ポケモンに出会う前、お気に入りのおもちゃはレゴとトミカとプラレールだったそう。美術の成績は1だったとのことですが、「無いなら僕が書く」マインドですぐキーボードに向かう人間に育っています。


私のことを振り返ってみると、おもちゃはあまり持っていない子でした。

テレビはよく見ていましたし、誕生日やクリスマスにはハローマックに連れて行ってもらいましたが、逆に言えば買ってもらうのはその時くらい。その代わり、スーパーの食玩コーナーが好きで、母と買い物に行くといつもそこで時間をつぶしていました。

そんな私が、ねだって買ってもらった数少ないおもちゃというと『ひみつのアッコちゃん』のコンパクトが思い浮かびます。

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(画像はネットからお借りしました。1998年から放送された第3世代です)

コンパクトを開くと、「テクマクマヤコンテクマクマヤコン」と喋ってキラキラ光るようになっていて、ただそれだけなのに夢中で遊んでいました。コジマで買ってもらったということも覚えています。

あとはシルバニアが欲しかったのですが、「置く場所ないわよ」「リカちゃん持ってるでしょ」と買ってもらえず……スーパーで見つけたミニチュアのシルバニアもどきを、どこに行くにも持って行っていた記憶があります。シルバニアは大人になった今でも好きなのですが、お財布と部屋のスペースと相談してグッと堪えています。


しかしこうして記憶をたどってみると、私にもひとつだけ、どうしても欲しかったけど買ってもらえず、自分で作ったおもちゃがありました。

『カードキャプターさくら』の「封印の杖」です。

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(「絶対だいじょうぶだよ」が座右の銘だったあの頃)

『なかよし』で1996年から連載スタート、1998年からアニメ化もされ、あまたの少女と大きなお友達の性癖を歪めたこの作品。私の大好きなマンガのひとつでもあります。

当時6歳だった私も夢中になって見ていて、毎週土曜日はテレビの前でわくわくしながら待っていたものです。

ひょんなことから、魔法の力を秘めた「クロウカード」の封印を解いてしまったさくらちゃんが、カードキャプターとしてカードを集めていくお話なのですが、クロウカードを封印・解除するのがこのピンクの「封印の杖」。

闇の力を秘めし鍵よ 真の姿を我の前に示せ 契約のもと、さくらが命じる 封印解除(レリーズ)

一体どのくらい、さくらちゃんと一緒に「封印解除(レリーズ)!」したことでしょうか。

この杖がどうしても欲しくて、でも買ってもらえなくて……。私は割り箸を手に思い立ったのでした。作るぞ、と。

いま思えば、長さ的に段ボールとかを使った方がいいと思うのですが、図工の知識しかない小学生には思いつかず。割り箸をつなげて長くして、先端の鳥のようなモチーフは折り紙で。ついでに(?)リボンもつけたりして。

出来上がった代物は、実際の杖とは似ても似つかないものでしたが、それでも私の中では立派な封印の杖。アニメのさくらちゃんのセリフに合わせて、杖を振りながらくるくる回っていました。


今、私のような大きくなったお友達向けに、たくさんの復刻商品が発売されています。さくらちゃんの杖もそうですし、セーラームーンやおジャ魔女など、懐かしのアニメからどんどん商品展開されていて、「もうやめて!来月のクレカ明細が大変なことになるわ!」って感じです。当時のキラキラ感はそのままに、実用的なコフレとかを出してくるのだから、本当に商売上手ですよね……。

(こんなの欲しいに決まってる)

いつか、もう少し広い家に引っ越して「オタク部屋」を作れるようになったら。その時は、かつて手に入れられなかった「封印の杖」を飾るのが、私の密かな夢です。


終わりに

このまま『カードキャプターさくら』の話になってしまいそうなので、そろそろ締めに入ります。

子どもの頃に触れたおもちゃは、その後も心の中に、アンテナとして残り続けます。

もうそのおもちゃでは遊ばなくなっても、それに関する話題はなんとなく入ってきますし、好きなものや興味といった、自分の道しるべになることもあります。

やはりおもちゃは自分で触れて、遊んで、そして時には作ってみて、初めて自分の中に「楽しい」気持ちが生まれるものだと思います。

金銭面や子育ての手間という親サイドの現実的な問題もあるし、ホビー業界にとっても手ごわい敵が多いことと思います。しかし、子どもの頃から、そして今になってもおもちゃで楽しく遊んでいる一人の人間としては、これからも素晴らしいおもちゃを作り続けてほしいなと、そう願うばかりです。


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