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本のバーコードとニブい私の話

こんにちは、ゆのまると申します。

昨夜、「購入したコミックの裏表紙にバーコードがなくて驚いた」といったことをつぶやきました。

すると、「最近はビニールにバーコードが貼られていることが多いですよね」というコメントをいただき、そういえば!と一人で納得。それから少し調べてみましたので、今回はそれをメモとして残しておこうと思います。


まずは、つぶやきではあまり触れられなかった『雨と君と』について。

雨の日に出会った1人と1匹のお話。現在ヤングマガジンで連載中で、「次にくるマンガ大賞2022」にもノミネートされています。

「たぬきって飼えるのかしら」?大丈夫、この子は「犬」ですから。

妙に芸達者な「犬」とクールなお姉さんの間に流れる、ゆったりとした時間がなんとも心地よいこちらの作品。pixivで無料で読める話もあり楽しく読んでいたのですが、先日Twitterにて公開されたこのエピソードにグッときて、単行本も買うことに決めたのでした。

(というか、このお姉さんのビジュアルがなんとも好物でして)

動物×お姉さんというジャンルは、いつの時代も鉄板ですね。そしてやっぱりおとぼけたぬきってかわいい……いや失礼、「犬」でした。


さて。今回の本題に入ります。

昨夜もあげた画像ですが、この『雨と雪と』1巻の裏表紙はこのようになっています。

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本来そこにあるはずの2列のバーコードがなく、世界共通のISBNコードのみが小さく表示されています。

こちらはネット通販で購入したものですが、手元に届いた際はビニール(シュリンク)が巻かれており、その上にバーコードシールが貼られていました。なので、それを破ってしまえばこのように表紙のデザインだけを楽しむことができます。

当初、「最近はオシャレな装丁が多いなぁ」なんてのほほんとしていた私。つぶやきにいただいたコメントを読んで、そういえば……と手元にある講談社コミックを調べてみたんです。すると、「最近」どころじゃなく、もっと以前からこの形であったことが判明しました。

わかりやすかったのは、2011年から2020年まで連載されていた『鬼灯の冷徹』。

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左は2014年11月に発行されたもので、奥付には(定価はカバーに表示してあります。)の表記がありました。

一方、右は2015年2月に発行されたもので、奥付の表記は(定価は外貼りシールに表示してあります。)と変わっていました。

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こちらは2016年12月発行の『カードキャプターさくら クリアカード編』の第1巻。コミックそのものにバーコードはありませんが、さくらちゃんの場合は特装版としてドラマCDやトランプなどの付録がつくことが多く、そちらの外箱には従来通りバーコードが印字されていました。


「コミック バーコード ない」などと調べてみたところ、現在この手法を取っているのは講談社だけのようで、なんと2013年(!)に出荷されたものから採用されているとのこと。

(先日、めでたく参院選に当選された赤松先生が2013年当時に言及したツイートも発見)

その背景には、書店で行うシュリンク作業の削減だったり、万引き対策などがある様子。支払総額表示義務化への対応や、流行り病の蔓延により知らない人の手に取った物を買いたくない、という潔癖志向が広まったことも影響していそうです。

「スリップがなくなって売上げ管理ができない」「立ち読みができない」など、売る側・買う側にも様々な声があるようですが、バーコードのシール化に一定の効果があると実証されれば、他の出版社にも広がっていくのかもしれませんね。

ちなみに、すでにコミックだけでなく講談社文庫もフィルムパックでの出荷が始まっているんだとか。

講談社文庫といえば、私が今持っている綾辻先生の本の大部分は講談社のもの。今後新刊が出れば、バーコードがないスタイルになるのかと思うと興味を惹かれるところです。


ということで、今回は講談社書籍のバーコードについてのお話でしたが、私が最も衝撃を受けたのは、「シュリンクにシールが貼られているから本そのものにはバーコードがない」と気付けなかった自分のニブさでした。あぁ改めて書いていても恥ずかしい……。

ここ数年の私は、買い続けているシリーズや気になる本がすでに決まっていることがほとんどで、書店で立ち読みをするということ自体が稀です。時折本屋さんをぶらついてみたりもしますが、結局お目当ての本が見つからなくてネットで購入することも多々。

そうして講談社の本を手に取ることも多かったのですが、そのたびに「ぴっちりビニールが巻かれていて剝きにくいなぁ」としか感じなかったのです。手でうまく破くことができず、ヒヤヒヤしながらハサミを入れることに恐怖を覚えながらも、「どうしてこんなふうに全面シュリンクされているのか」と考えてみたことはありませんでした。

「以前と比べて変わったこと」「同業他社と違うやり方をしていること」には、多かれ少なかれ理由があるはずです。原材料費の高騰を、「お腹にもお財布にも優しいサイズになりました」などと言い換えているように……。

これからは、「前と変わったんだなぁ」とぼんやりしているのでなくて、「どうしてだろう」と一歩踏み込んで考えたい。自分のニブさに衝撃を受けつつ、もう少し目を見開いて生きていかねばと、そんな焦りを覚えた私なのでした。おしまい。


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