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運転免許を更新してきた

日本で一番取得されている免許は普通自動車第一種運転免許だろう。私も例に漏れず、持っている免許は普通自動車の運転免許のみだ。就職活動で履歴書の「免許・資格」欄にかけるのはこれだけなのは(唯一かけるのがこれだということが)ちょっと悲しくなってくるけど、みんなそんなものだろうと心落ち着かせている。

さて、今月誕生日を迎え、取得時に交付される緑の免許証が来月で有効期限切れになるのを前に運転免許センターに行ってきた。普段車を使っている私はそもそも免許の有効期限を切らしてしまったら大変なことになる。

ちなみに田舎たる故か、免許センターは車がないと行くのにはものすごく不便な場所に立地している。免許センターまで自宅から車で行くと30分、公共交通機関を使っていくと2時間半かかるのだ。不便すぎる。今は車があるから良いけど、免許を取得する時にはこの場所に辿り着かないといけないのがまず一つの関門となる。


運転免許センターに着くと、講習の前までは流れ作業のようにするすると進んでいった。

まずは質問票への回答。意識失ったことありますかーとか、アルコール過剰にとっていませんかーとか、医者から運転やめろと言われてませんかーとか。

次に暗証番号を設定する。4桁の番号を二つ用意する必要がある。二つも必要か?マイナンバーカードだってとりあえず設定するのは1つだぞ、と思いながら、そんなことを嘆いても仕方がないのでとっとと登録する。

次に更新料や講習料を払う。初回更新は3,850円。

次は本当は視力検査なのだが、ここで不意打ちが来る。都道府県の交通安全協会に加入しませんか?というものだ。半分戸惑いながら、そういえば免許取得時にもあったなと思いながら、流れに乗っていた私は払ってしまった。くうーー、これがお前らのやり方か、 、!! 1,000円を失う。

というわけで次は視力検査。私はまだ裸眼で問題なく生活できるくらいには視力がいいのでここは問題なく突破。そういえばある先生が免許証に「眼鏡等」と書かれるのがカッコ悪いから頑張って裸眼で乗り越えたと言っていたことを思い出してクスッと笑ってしまった。

次に証明写真の撮影。撮影時点ではうまく行っているのかどうかわからなかったが、後から交付された免許を見たら前よりはよっぽど写りがよくなっていた。というか前の免許証の写りが悪すぎた。

これにて講習前の手続きは終了し、残りは講習を受けるのみとなった。

講習開始まで40分ほどあったがうろうろしていた。完全に怪しい人だった。ハーレーの白バイが展示されていたけどその周りには乗らないでくださいという注意書きがこれでもかというくらい書かれていた。乗る人いるんだなぁ。


今回は初回更新なので、講習がたっぷり2時間あった。前半は最近の事故件数はこんな感じですよー、事故が起こる場所や原因はこんな感じですよーという紹介をされた後、確認不足や死角など事故の原因となる場面をまとめた動画を見させられた。65歳以上の高齢者が巻き込まれる事故が増えているので注意してください、というのを初回更新の講習の場に集まった若者たちに見るからに65歳を超えたおじさんが話すのはどうなんだと思いながら話を聞いていた。後半は昨今の道路交通法の改正状況を説明されたのち、今度は飲酒運転をすると大変なことになりますよーというドラマを見させられた。

そしてこのドラマが結構強烈だった。その内容は以下のような感じだ。

主人公(中年男性)は妻子と3人暮らしで妻のお腹の中には新しい赤ちゃんもいるという設定から始まり、ある日会社の大事な取引先との飲み会に上司と共に参加することになった。会社の社用車で帰宅する必要があったため飲酒しないという話で参加したが、その場で断ることができず結局ビールを1杯飲んでしまう。その状態で車に乗って帰宅している途中、ふらついて何かにぶつかったため車を降りて確認するが、ゴミ出しのカゴにぶつかっただけだとわかりそのまま帰宅した。
翌日、その周辺を通ると警察がひき逃げ事件の捜査を行なっていた。どうやら近所の母子家庭の母親が轢かれ、重体で病院にいるようだ。慌てて車を確認すると後輪に血痕があり自分がやったことを自覚する。出頭し捜査・裁判が行われる傍らで主人公の妻は生活費を得るために臨月にもかかわらず働きに出る。懲役刑が出された主人公の元には会社の上司から一通の手紙が届く。そこには妻がお腹の赤ちゃんと共に亡くなったこと、残された息子は施設に預けられるだろうということが記載されていた。
服役中、主人公にできることはただ遺族に謝罪の手紙を書くということのみだった。刑を終えて出所した主人公は墓参りに行き花を手向けるが、ここで遺族(被害者の娘)と遭遇する。主人公はそこで手紙はもういらない、墓参りもこれで最後にしてほしいということを告げられる。一度はその場を後にした主人公だったが手元に残った線香だけでもあげようと戻ると、そこには主人公がお供えした花を叩きつけ掻き乱れる遺族の姿があった。

このドラマをみてどうなって欲しくて公安委員会の人たちが見せているのかわからないが、私はこういうドラマでかなり感情移入してしまうタイプの人間なので見ているだけで辛くなってきてしまった。それから、事故を起こす前にお酒の席でお酒を断れなかった主人公と最後の場面で遺族からの言葉に何も言い返すことなく去っていった主人公を重ねた時に全く変わってないなということを思ってしまって悲しくなってきた。

まさか免許更新でこんなものを見させられるとは思ってもいなかった。こういうのを見ると早く自分で車を運転しなくても豊かな生活ができるくらい裕福になりたい、とか思ってしまう。もちろん、飲酒運転なんて絶対しない。そんなことしなくたって普段の運転も怖いなと思うくらいには私は臆病である。


そんなこんなで2時間の講習が終わり無事に新しい免許証が交付された。色は緑から青に代わり、成長したなと思う。これからも無事故無違反で過ごせるように安全運転をしていきたい。

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