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推しに会いに行った話

推しとの出会い


김지철に恋をした。


ELF(super juniorのファン)である私は、ある日いつも通りリョジトを見ていた。(メンバーリョウクのvlog)(とても良質なりょうくちゃんが見れるで有名)

この日見たのはミュージカル「ファンレター」の稽古場vlog

共演俳優との交流を微笑ましく見てたら1人明らかに様子のおかしい人がいた。

テンションが高い。異様に高い。

周りの俳優が紳士っぽい感じの方が多い中その人は、なんというか、おかしかった←

テンション高かった人


この時私はまだ2ナノくらいしか韓国語が分からなくて雰囲気だけを楽しんでいたのだけどとにかくその人が印象に残った。


もちろん韓国ミュージカルなんてこれっぽっちも興味ない。俳優なんて全くわかんない。

だからりょうくちゃん、面白い人と共演したんだなぁってその時はそれだけだった。

再会

そんなことも忘れてた1年後。
『ファンレター』のDVDが出た。

DVDと台本を韓国人の友達に買って来てもらい、早速見ることにした。

台本とDVD(とりょうくちゃん)

ずっと見たかったファンレター。
カーテンコールで引くくらい泣いてたりょうくちゃん。一体どんな作品なのかな。

初めてフルで見る韓国ミュージカルにもちろん字幕はない。この1年でハングル検定3級まで成長した私は「もう韓国語は出来てる」くらいの謎の自信があった。

だから1曲目から何言ってるかわかんなくて打ちのめされた。(だろうな)

そして場面が変わって2曲目。リョウクちゃん扮するセフンのもとにやって来た囚人服?を着た男性。囚人とは思えないくらいテンションが高い。いたずらっぽくて、その雰囲気はかのキレのキムシニョクのよう(←推し)

……この人…vlogの人だ………。

1年ぶりの再会。初めてみる演技する姿。ほんのり鼻にかかった歌声。テンションが高いのは最初だけでどんどん影を秘めた表情に…。


虜になった。

「イユン役 キムジチョル」

見終わって速攻インスタをフォローした。
しかも熱の冷めないその数日後、インスタライブがあった。普段絶対コメントなんかしない私が

「오빠!!!!저는 일본 팬이에요!!!!」(オッパ!私は日本のファンです!)

と、すかさずコメントをした。
とにかくなんかこの愛を?伝えなきゃと思った。

上から全部コメントを読んでいた彼は私のコメントももちろん読んでくれた。


「오빠...オッパ…!?!?俺が…オッパですか???うわぁぁぁ…この年になると…なんか………あ、ありがとうございます…」



さっきまでのイケボはどこへやら。死ぬほど動揺してた…。
俳優にはオッパじゃなくて배우님(俳優さん)って呼ぶんだね…。知らなかったよ…。
その後コメ欄が「オッパ〜」ってからかうファンで溢れてた。なんかごめん……。

オッパ呼びに照れてる俳優さん

↑その日のインスタライブ
(当時の私の語学力じゃ何言ってるか9割8分分かんなかった。庭?で1人バーベーキュしてた。まぁまぁ夜。10時半とか。暗くて何も見えずソーセージ真っ黒に焦がしてた。かじっては焦げてる部分吐き出して、結局ほぼソーセージ吐き出すだけの時間だった。何したいかほんとわからなくて可愛かった。)


まさか「日本」じゃなくて「オッパ」の方が拾われると思わなくて予想外だったけど、私が書いた韓国語を読んでくれたこと、リアルタイムで韓国人と韓国語で意思疎通ができたことがとにかく嬉しくて俳優さんのことを推していこうと思った。


会いに行った日。会えなかった日。

そこから半年後の2023年10月。
念願の韓国に行くことにした。

小さい時に海外に行ったことはあるらしいけど記憶はないから実質初海外!

観光とかロケ地巡りとか色々計画した父との2人旅。

半日だけお互い1人時間を作った。
もちろん私はジチョルさんのミュージカルを予約。初めてのチケッティング!なんと最前列が取れた!仕事サボった甲斐ある!!

歴史物だったから用語と内容の予習はかなりした



当日は大学路で一旦聖地巡り。

ジチョルさんが奥様と行ってたカフェ。

もちろん同じ席で同じ飲み物飲んだ。ドリンクが抹茶かと思ったらヨモギで一瞬頼むの躊躇したけど意外に美味しかった!!!

大学路は一目で気に入った。
街も人も雰囲気も、全部好きだった。

そして私はというとそんな綺麗な街で、もうすぐ最前列で推しに会えることに緊張で吐きそうになってた。

そんな状態なこともあってTwitterに来てたお知らせは全く気にしてなかった。韓国語だから読めなかったし。(ツイート部分はすぐに翻訳できるけど画像だとなかなかめんどくさくて基本読まない派←)(スジュの「あにょはせよSMエンターテイメントいむにだ。」は例外。すぐ読む。)

それはその日の公演中止のお知らせだった。

真っ暗な劇場。

簡素な張り紙。

あー、、せっかく来たのになぁ。

でも自分が演劇をしていた人だからこれが仕方ないことだと言うことは理解できたし、だから舞台は生物で面白いんだよねって自分を納得させて帰ろうとした。その時




意味わからないことが起きた。




ジチョルさんが日本から来た私のこと知っててくれて劇場前に来てくれたのだ。





それは本当に短い時間だったけどミュージカル最前よりも確実に濃い時間だった。


呆然としながら真っ暗な劇場の前を何往復もした。


ジチョルさんが私と写真を撮ってくれた。
ジチョルさんが私に話しかけてくれた。
ジチョルさんが私に笑ってくれた。
ジチョルさんが私にグータッチしてくれた。
ジチョルさんが私にサインをくれた。



推しと韓国語で話せた。





韓国語勉強して良かった。



放心状態ってこういうことを言うんだなって言うくらいホテルに戻るまで自分を失ってた。(落ち着くために入ったカフェで「アイスコーヒーのホットください」って言うてた。私も店員もパニックすぎる。)

代わりに見たかったミュージカルの会場に行ってみたけどその作品もその日の公演は中止で、結局なにも見ずに大学路をただただ歩いた。

どこかの店からイェソンのソロ曲が流れてた。涙が止まらなかった。


そして2日後。家に帰った私は次の飛行機とミュージカルのチケットをとった。


なんとしてでもジチョルさんの舞台を観に行かないとと思った。お礼がしたかった。1人の観客として。

私が会うべきなのは優しくて親切なジチョルさんではない。俳優キムジチョルだ。ちゃんとお金を払って推しに会わなくちゃと思った。


私は달수という1人の両班を演じるジチョルさんに会いに行ったのだ。

舞台に立つキムジチョルに会わなければならない。


そうして私は12月、念願のミュージカル俳優キムジチョルの舞台を見に行くことになった。


初めての海外一人旅だった。

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