「普通の人」との壁

 ’訳あり’なことを少しだけ知っている友だちがいる。
だからちょっと相談事のような、年度末にあるコース選択を迷っている話をした。
私「ハイリスクハイリターンの法曹コースか、安定の公務員コースか迷ってるんだよね〜〜」
友「あ〜コース選択ね」
私「失敗した時に受け皿がある人と違って一発で全部通らないと一気に人生詰んじゃう」
友「ん〜〜(数秒考える)、俺はそうやってリスクばかり気にするのはよくないと思うけどな」
心のシャッター下ろしそうになった。奨学金なんて一円も使わなくても大学生活を送れて、いつでも帰る家がある。そういう人たちとの土俵の違いを感じて悲しくなった。

 「似てるんだよな〜」とか言わないで欲しい。心身ともに健康でお金持ちで家族がいるあなたと似てるわけがない。私は少なくともあなたほど無意識の凶器で刺さない。人に対して「かわいそう」とか言わないし、闘病中の人に「もっと頑張れ」とか「怠けるな」とか冗談でも言わない。いちいち訂正するのもめんどくさくて何もしてないけど、初めてこういう人と出会ったので困惑。痛みを知らないだけで、人を傷つけている意識は微塵もないんだろうな〜と。
 まぁでも結局社会に適合できるのは彼のように口達者にうまく切り抜けていく人なんでしょうね。馬鹿みたいに誠実でいないと気が済まない私は気付けば一人で損を被っていることは昔から幾度となくあった。私に罪をなすりつけて逃げていく友だちが憎かった。器用に生きたいけどそんな人間になりたくないと思ったりもする。万人に認められたいけれどそれよりも身の回りにいる大切なひとを大切にできる人間でありたいとも思う。いろんな矛盾。器用に生きたい。

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