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介護業界のススメ

大学生の夕(ゆう)です。今回は、4月からグループホーム(認知症対応型共同生活介護)で介護のアルバイトを始めてみて思ったことを書いていこうと思います。

新型コロナウイルスの影響で様々なアルバイトができなくなっていると思いますが、介護の仕事は、絶対になくならないエッセンシャルワークの1つです。この状況でもできるバイトを探している人や、そもそも介護って実際どんな仕事なの?という方に読んでいただければと思います!

それでは目次からどうぞ!

なぜ介護の仕事を始めたのか

①福祉の現場で長期間働いてみたい!

大学で福祉政策や社会保障を学んでいて、福祉という領域にはもともと興味がありました。社会福祉に特化した大学・学部ではないため、1年生の頃から福祉の現場を見に行くということは意識して取り組んでいました。

ただ短時間のボランティアや数日間のインターンでは、人間関係を構築することができず、当然大変な仕事も任せてもらえないので、もっと深く知りたいなという気持ちが残っていました。そこで、アルバイトという形で長期間1つの現場に関わってみたいなと思うに至りました。

②死に向かう人をケアするってどんな感じなんだろう

先ほどいろいろな現場に行ったと書いたのですが、福祉が「高齢者・障害者・児童」の三領域に分けられるなかで、高齢者福祉に関しては何も経験したことがありませんでした。子どもたちや障害を持つ方には、「これからの彼らの未来により多くの選択肢を作ることができるといいな」という精神で関わっていました。(気持ちだけで何もできていないような気がしますが…)しかし、既に私の何倍もの人生経験を持っていて、死がだんだんと近づいている高齢者の人にはそれがあてはまらないように思いました。

介護職がどのような気持ちで高齢者を支援しているのか、あまり想像できなかったからこそ興味が湧いてきました。

③資格を取得してみたい!

せっかくなら何か入門的な資格をとってから働きたいという気持ちもありました。

福祉関連の資格はいろいろありますが、一番とっつきやすいのはおそらく「介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)」だと思います。厚労省に務められている先輩がこの資格を取得していらっしゃったことにも影響され、春休みに講座を受講しました。座学と実技あわせて計100時間くらいで、介護の理念や制度、実際の介助の方法などを学びました。介護の仕事をするつもりがあまりなくても、高齢者や介護保険制度に対する理解が深まりますし、家族に介護が必要になったときの心構えにもつながるので受講する価値はあると思います。

グループホームって何?

私が働いているグループホームは、認知症の高齢者が少人数で共同生活をする施設です。正式名称を、認知症対応型共同生活介護と言います。

福祉施設というよりは、家に近い感じで、それぞれの入居者の個室、リビング、キッチン、浴室、お手洗い複数というような作りになっています。1つのユニットに入所できるのは最大9人までです。

入居者が共同生活を送る場であるので、料理や洗濯といった家事もできるだけ利用者の方々に行っていただきます。どうしても難しい部分は職員が担うというのが基本的なスタンスです。介護というと何から何までやってあげることをイメージしがちかもしれませんが、人としての尊厳を保ったり、身体の機能を維持したりするためには、できることは自分でするというのがとても重要です。利用者一人ひとりの心身の状態をみて、その人のできることを見極めるのも介護職として持つべき技術ということになります。

高齢者以外にも、障害者や親と一緒に暮らせない子供たちのためのグループホームもあります。少人数で家庭的な雰囲気のもと生活できるグループホームは近年注目されていて増加しています。

介護の仕事の魅力

巷では3K(きつい・汚い・危険)と言われていたりもしますが、個人的にはとても楽しくて興味深い仕事です。ここが魅力だなと思ったことをいくつか紹介します。

①利用者さんの笑顔が見られる

やはりいろいろなお手伝いをして、利用者さんが笑顔になっているのをみると嬉しく思います。入浴介助を例にあげると、お風呂に入る前は嫌がられることもあるのですが、入って新しい服に着替えたあとには清々しい顔をされていることが多くて、汗だくになりながらも(暖房が効いた浴室で服を着てマスクを着けたまま介助するのは本当に暑いです、、)やってよかったなという気持ちになります。

仕事を始めた日に、上司から「本意と本位」の話を聞きました。簡単に言えば利用者本意とは、利用者がしたいようにするのを支援することで、利用者本位とは、人として必要だと思われることを支援することです。

お風呂の例でいうと、「風呂なんか入りたくない」と言われて、そうですかと言ってお連れしないのがある意味利用者本意です。しかし、人として数日に1回はお風呂で身体を清潔にするべきですよね。だから、体調が普段と変わりないか見極めた上でお風呂に入っていただくというのが利用者本位ということになります。介護職に裸を見られることとか、水がかかることとか、お風呂が嫌だと感じる理由は人によっていくつか考えられると思います。最初は嫌がられていた(本意ではなかった)としても、嫌かもしれない要素に気を配りながら入浴してもらい、お風呂から上がったあとには、入ってよかったなと感じてもらうのが利用者本位のケアと言えると思います。

この例も含めて全て受け売りなのですが(笑)、上司からこの話を聞いたからこそ、お風呂に浸かったときに、「気持ちいいね」と笑顔でおっしゃっているのを見ると嬉しい気持ちになります。

②毎日が新鮮!

認知症のおじいちゃんおばあちゃんたちは最強のストーリーテラーです。認知症は、最近のことほど忘れやすく反対に過去のことは覚えているという特徴があります。なので、ただ「グループホームのリビングで座っている」という何の変哲もない状況が、彼らの頭の中で七変化します。職員のことを先生と言ったり、職場の人だと思ったり、お客さんだと思ったり…。学校に行かなきゃとか、夕方も働かなきゃとかそういったことをおっしゃたりもします。毎日突拍子もないことを言い出すので聞いていて飽きません。

ちなみにそういうとき、職員は利用者の話を否定するのではなく、物語の中に入り込んでなだめるようにします。例えば、「主人はどこに行ったかしらねえ」と言われたとしたら、「ご主人はいまお仕事中だと思うのでここで待っていれば大丈夫ですよ」などと返して安心してもらったりします。

何回も同じようなことをおっしゃる方ももちろん多いです。それはそれでいいこともあったりします。私は若いからか利用者さんから「あなたかわいいね」というようなことを言われたりするのですが、認知症の方はさっき言ったことをすぐ忘れてしまうので、1日に何回もかわいいねと褒められます!(笑) 自己肯定感が上がりますね!!

③一緒に働く人が素敵!

福祉業界全体に言えることだと思いますが、介護の仕事を選んでいるだけあって優しくて話しやすい人が多いです。そして、みなさん信念を持って働いかれているので、日々の仕事で学ぶ点が数多くあります。認知症ケアの知識面や介助の技術はもちろんのこと、テキパキ仕事を進めながらも周りが見えていて、観察力があって、利用者さんとの信頼関係を築くのも上手くて、声のかけ方の引き出しも豊富で、、すごいなと思うことが本当に多いです。

ただし、統計を見ていると職場での人間関係が悪いことが介護職の離職の理由として一番多いようなので、採用される前に職場の雰囲気をみて、この人たちと働きたいと思えるかどうか確かめるのが重要だと思います。

私が働いている職場は、職員同士が経験年数に関わらず尊敬しあう風土があって、ケアに対する考え方に多少の食い違いはあれど、コミュニケーションをとりながら擦り合わせていく雰囲気があるなと感じます。そういった職場の環境づくりの面でも学ぶべき点が多くあります。

おわりに

いかがでしたでしょうか? 私は、資格を取得し、さらに働き始めてみて介護の仕事のイメージがだいぶ変わりました。接点がないと敷居が高く思えるかもしれませんが、興味を持った方は飛び込んでみてもいいと思います。(人手不足ゆえ)未経験でも、何歳でも歓迎してくれる施設が多いはずです。

(ただし、介護施設で職員が新型コロナウイルスを持ち込んでしまい集団感染が発生したケースもあるので、同居家族が電車通勤しているなど感染のリスクが高い人は今の時期に限っては新たに就職するのは避けるべきかなと思います。)





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