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2019.7.28【伝統芸能となったテレビ】

7月28日(日) ※7月30日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
一日の食費は800円もかからない極貧生活をしていますが、髪の毛は飛行機に乗ってフィリピンまで切りに行っている『不思議系セレブ』のキングコング西野です。

さて。
結論は無いのですが、今のテレビについて思うことを正直に書き出してみたいと思います。

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『伝統芸能』となったテレビ
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昨日、マネージャーの須藤君から教えてもらったのですが、僕個人のクラウドファンディングの支援額が2億5000万円を突破したそうです。

そのうちの10%~20%がサイトの手数料で、クラウドファンディングは『収入扱い』ですから税金も発生します。
リターン(返礼品)の製作・配送にも、お金がかかるので、まさかまさか2億5000万円(全額)をプロジェクトに使えているわけではないのですが、どんな形であれ、2億5000万円分の価値を世の中に落としたことは確かです。

クラウドファンディングといえば、それこそテレビに「詐欺ですかぁ?」「宗教ですかぁ?」とイジられた歴史があるわけですが(今だと、オンラインサロンがそれにあたるのかな?)、当時から今も変わらずテレビに対して思うのは、「ジャンケンのルールをイジって笑いにするのではなく、ジャンケンのルールを一旦覚えてしまって、そこからジャンケンを使った遊びをやった方が笑いの総量が増えるのに」

一昨日、フジテレビのスタッフさんと、ゆっくりお話しする機会があったので「他意はなく、純粋な質問としてお訊きしたいのですが、テレビは何故、10~20年前のエンタメを今も作っているのですか? 頑としてアップデートをしない理由は何かあるのですか?」と訊いてみたところ、「心苦しいのですが、それは我々も感じていて……ただ、視聴者さんがそれを望んでいないのです」と返ってきました。

僕はこのコメントを『逃げ』だとは思わなくて、テレビマンはスポンサーさんからお金をいただいている以上、視聴率の呪縛は甘んじて受けるべきだし、10年~20年前のエンタメ…言葉を選ばずに言っちゃうと、「まだ、そんなことをやってんのかよ!今、2019年だぞ!」というエンタメを面白がっている人が大多数いるのならば、その人達を楽しませるのは大きな大きな正義です。

テレビというのは視聴者の鏡で、もっと踏み込むと『50代~60代の鏡』で、彼らがテレビに求めているのは、新しいエンターテイメントではなくて、伝統芸能です。
テレビに対して「いいかげんアップデートしろよ」と思うのは僕のエゴで、「テレビは成長していくもの」という前提がそもそも間違ってたことを知りました。

ややこしいのが、今の50代~60代の人達(テレビのメインターゲット)が20代~30代の頃のテレビというのは成長を続けていて、当時は毎日あの手この手で新技が炸裂していました。

テレビの歴史は人間の成長と似ていて、テレビのメインターゲットが50代になった辺りから、成長角度が緩くなり、その高さに留まろうとします。
テレビが成長角度を緩めないと、テレビのメインターゲットに「話についていけない…」という劣等感を抱かせてしまうからです。

落語や歌舞伎が試行錯誤を繰り返して「今の型」に落ちついたように、テレビも試行錯誤を経て「今の型」に落ち着いたのだと思います。
そう考えると、そういった型が決まった伝統芸能に対して、「新しいことをしろよ!」というツッコミがいかに野暮なことなのかが見えてきます。

歌舞伎には歌舞伎の型があって、テレビにはテレビの型があって、まもなくYouTubeにもYouTubeの型ができます。
YouTubeなんて生まれて間もないですが、エンタメが伝統芸能化する(型が決まる)スピードが猛烈に上がっているということでしょう。

心配事は、今の60歳の方の教科書としてテレビが機能しているわけですが、今の60歳の方々にお伝えしたいことは「お忘れかもしれませんが、皆さん、あと40年生きるんですよ。40年っすよ、40年!20歳の頃から今までの時間を、もう一周っすよ。このまま新しい文化に蓋をして、勉強せずに逃げきることは絶対に不可能ですよ」ということです。

今の60歳なんて高齢者でも何でもなくて、まだまだ全然若手で、学びを放棄するには早すぎます。
ウチの父ちゃんや母ちゃんや、サロンメンバーや、川西のオジちゃんオバちゃん達には、「今は、こうなっててね…」と直接お話する機会があるのですが、それ以外の人達にはなかなか。。

かといって、その役目をテレビに期待するのも酷な気がするので、やっぱり自分が圧倒的に結果を出して、耳を傾けてもらえる存在になるしかなさそうです。
誰も見捨てたくないので、鬼クソ頑張ります。