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ブランド好き批判はもうやめた

シャネルのチェーンバッグ、プラダのサングラス、ハリーウィンストンの指輪、サイベックスのベビーカー、、絵に描いたようなセレブ妻と、先日バッタリ会った。大学の同級生だった。

全てを手に入れたと言っても過言ではない眩し過ぎる彼女に圧倒されつつも、すぐに、とある人を思い出した。

高級ブランド好きの私の母親だ。

私の実家は曽祖父が創業した会社を経営しており、自分でいうのもあれだがそれなりにお金に困らない方の家庭だ。(誰もがびっくりするような良家とかではない。)その為、母親は専業主婦でブランド物を買う余裕もある。

母親は、洋服、バッグ、靴、時計など全身に高級なものを身につけてお出かけする。

娘の贔屓目かもしれないが、ド派手な感じではなく、都会的でシックでセンスがすごく良くて馴染んでいるから、逆に鼻につく。(私って捻くれてるなと書いていて思った。)

ちなみに母親だけでなく、父親もブランド好き。特に車。私が実家へ帰省する度にベンツ、ポルシェ、別のポルシェ、ベントレー、など車種が変わっている。

そんなバブル世代ど真ん中で生きてきた両親を見て育った私は、ブランド物に対して、そして両親に対して、一歩引いて眺めてしまうところがあった。

また成金やってる、とさえ思ってしまうこともあった。いや、まだ拭い切れていないのが正直なところだ。大人になりたい。


ベンチャー企業の若手社長がいかにも言いそうな「ブランド品を身につける事で自身の価値のなさを表しているようなもの」というブランド否定論を目にし、自分の頭でよく考えもせずに、そうだよね、かっこ悪いよね、と同調していた。

自分で選んだ道でありながら、東京でのサラリーマン生活の不甲斐ない自分と比較してしまい、卑屈になっている影響も大いにある。


しかし、物心ついた頃から、高級品を当たり前に身に付けている両親を見ていたり、ジャガーで塾の送り迎えをしてもらったり、母親からお下がりのブランドバッグを譲ってもらって使ったりしていると(恩恵には感謝している)、ブランド品のよさという物ももちろん分かる。


母親から流行のバッグの情報が入ったりすると、心が揺らいで、2、3年に一度くらいの頻度で、欲しくなるブランドのアイテムが出てきてしまう。
好きとは認めたくなかったけれど、好きなのだ。

最近、3年ぶりに、30万円ほどのブランドバッグをに一目惚れして自分で手に入れた。ブランドバッグにしては可愛いお値段だが、私個人としては、勇気のいるお値段だ。
(それにしても最近の物価上昇による値上げには、本当に驚く。バッグなどは2,3年前よりも平気で20万、30万値上がりしていることもザラだ。)

3年ぶりに高級ブランドバッグを購入して、
実際に手にしてみると、
胸が高まって仕方なかった。

デザインや皮のなめらかな手触り、鏡に映るそのバッグを手に持ってしっくりくる自分に胸が高鳴ってしまった。心から惚れたバッグだ。

「やっぱり良いな」と思ってしまった。

それに、いい意味で見栄を張りたくなる。
こんな素敵なバッグを持つんだからこのバッグに合ったメイク、服装、アクセサリーを身につけたくなる。姿勢も良くしよう、ネイルもしっかり塗ろう、など。

ブランド主義は、他人軸っぽいが、自分軸寄りだと思う。
分かりやすく、ウキウキできる。
ブランドに頼ったっていいじゃないか。
自分が心地良いなら、いいじゃないか。

また、最近になって、母親が高級ブランドを買う背景には「やってられないわよ」という勢い、また「それでも生きていくしかない」という「前向きに生きる活力」のようなものを求めているのだと分かってきた。

お金に余裕があるとはいえ、母親でも50万円以上するブランドバッグや洋服などは、購入するときにはそれなりに考えてから買っている。


母親は長年、姑からの嫌がらせを受けてきたり、モラハラ気味な父親と過ごしていたりなど、苦労の多い人生だったのではないかと、そばで見ていて思う。

それでも折り合いをつけるために、ブランド物を身につけて自分を保っていたり、奮い立たせている部分はあると思う。本当のところは本人にしか分からないけど。

このあたりの「ブランドバッグとは〜」については、あきやあさみさんの下の記事で言語化されていて、これだ!!!となった。とっても面白いので、ぜひ読んでみてもらいたい。

高級ブランド品には「質の良さ」と
手にした時の「高揚感」があるのに加えて、
もしかしたら持ち主の「負のエネルギーをプラスのエネルギーに変えるための手段」であるかもしれないということも覚えておこう。

高級車が好きな父親にも、負にしろ陽にしろ、
購入するときには、何かしらのストーリーがあるに違いない。

そこに文句を言う筋合いはこちらにはない。
もう考えるのも面倒になってきた。

そして私は私で、身の丈に合ったブランドとの付き合い方をしていこうとも思った。

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