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息子たちを世の中にお返しして

子育てとは
「授かった子供を大人にして世の中に返すことだ」と
なにかで読んだことがあります。

息子たちは「ゆとり」と呼ばれる世代で
そのせいもあってか
優しくてか弱い

運動会では、みんなでゴールしましょうなんて
ほんとにやってた世代だ。

それだけが理由ではないけど
二人とも、専門学校をやっとこさ出て社会に出るも
荒波に耐えきれず
へなへなと座り込んでしまうことこれまで数回
なぜかひとりずつ交代制でやらかすので
気が気じゃない

びっくりしたのは
そのたびに私のところに
息子の職場から連絡があることだ。

先輩は、連絡のつかない息子にとても困っていて
どうしたらいいでしょうか
と心細い声で電話をくれる。

つい、「先輩がんばって!」と言ってあげたくなる。
うちの息子だけど
「そんなやつはクビでいいんじゃない?」と。

友達とケンカしたこともなく
豊かな家庭でなに不自由なく育ったのだろうな
「僕たちは一緒に働きたいと思っています」
と電話の向こうの重い空気は
先輩の真面目さと、課せられた責任の重圧だ。

この世の中は、
ある意味スマートで
でも、ストレスフルで
若い世代も
息をするのが大変だろうな

何十年も前の
昭和のことだが
自分の時はどうだったかな

入社して数週間のある日
先輩の変な指導に耐えられなくて
「帰ります!」
と飛び出したことがあった。

職場放棄なんて
今思い出すとぞっとするけど
その時の私はまだ
学生気分

だって、「鉛筆もって!」「書いて!」「鉛筆置いて!」なんて
こんな先輩やだ。

課長が追いかけてきて
「戻れ!」
と言われると思ったら
「映画でもみてこい」
と手に3000円握らせてくれた。

その時の私は、それがそんなに特別なこととは思わず
そのお金を握りしめて
電車に乗って
小学校時代大好きだった先生のお墓参りに行ったのを覚えてる。
先生に会いたかった。

「先生 社会って厳しいんだね。学校みたいにいかないね」

もちろん、先生はなにも答えてくれなかったけれど、時間が経つにつれ、自分がとっても子供じみたことをしてしまったことがだんだん恥ずかしくなって、さっさと家に帰り、次の日からケロッと出勤した気がする。

とんだ困ったちゃんだ。

でも、私が生きたあの時代は
若者の失敗を、笑って許してくれたり、先輩が身を切って教えてくれたり、少なくとも自分のまわりにいた大人達はもっと、どっしり構えていてくれた気がする。


これは、うちの息子をとりまく世の中だけを見て
私の感じたこと。

まぁとにかく、ゆとりとかいってないで
そろそろしっかりしてほしいぞ息子達よ。




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