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【広島戦】ここがきになる(ミニ)

「得点のにおいがしない」「塩試合」とSNSではかなり厳しい評価が飛び交った試合。中央のFW登録の選手が山崎に引き続き金崎も負傷交代。ビルドアップ中の意思疎通のミスから先制点を取られ、その後も広島のプレッシャーと撤退のリズムに翻弄された。どんなことが起こっていたのか、振り返っていく。

541の壁と532の圧

スクリーンショット (39)

ボール支配率、パス数、成功率。スタッツは圧倒していた。それでも打ち抜けなかった壁と圧。どういう事だったのか。

541の壁

名古屋がボールを保持しだすと広島は541で構える形に。低い位置のビルド時はボランチがスライドして組み立てる名古屋は、この541の構え方によっってボランチが横方向の動きに限定されてしまった。

ボールが持てて、ボールが回るがその先まで中々いかなかったのは541の壁の効果にあった。

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532の圧

名古屋は広島の壁がずれないためボールを持ちながら下がっていく。そうすると広島は532の形に変更。縦に名古屋を引き延ばしながらプレッシャーをかけていった。

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3センター打開法

鳥栖戦でシャビエルが投入された後見せた、阿部を一つ下の位置に落とした3センターシステムで名古屋は何とか広島の壁に穴をあけようとした。

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サイドをピン止めし、中央にスペースをあえて作る。(フィニッシュ時に侵入する場所)両サイドの配置で数的有利を取り、攻撃のスイッチと同時に空いているスペースに選手が侵入する形だ。この形にしてから数回、シュートまであと一つ噛み合えば・・と言うシーンが見られた。が時すでに遅し。

名古屋の状態

3センターにする直前まで「個が抑えられてどうにもならない」と言う状況で、その個を活かしてくれるボールの収め役も負傷。監督としては「したくないシステム」を場に出すしかなくなり、その変更も後半の途中から…とにかく苦しい試合だった。

センターバックの位置

開始一分で違和感を覚えた。中盤からやり直すためにセンターバックにボールが届いた時のセンターバック二枚の位置に。ボールを返した稲垣と米本がセンターラインぐらいにいるのに対しボールを受けたセンターバックがいた先はペナルティエリアの角が見えるぐらいの位置だった。センターバックと中盤、サイドバックの間の不自然に空いた縦の距離。

広島の先制点はその縦の距離感を狙われてしまった。広島のプレッシャーに耐えられなかったのか、広島の壁に穴をあける為かわからないが「守備から入る」「守備が堅い」と言われるチームらしくない未整理具合だった。

まとめ

縦の楔を入れる役がもともと少ない状態を広島側にスカウティングされており、受け役、出し役、サイドの要の場所に的確なプレッシャーが来た。それを解決しようとしたゴールキーパーにミスがでてしまった。役割が決まっており、配置もカオスにしたくない整理を好むチームが対策されたらこうなってしまうよな。という試合展開に。

この状態を打開するには選手がアイデアを使いピッチでカオスを作るしかない。(ごくまれに監督がそれを仕込める場合があるが、フィッカデンティ監督はおそらく無理)

最後に

東京戦は6ポイントマッチ。さらに広島と似たように、ボールを持ってもらって構いません&球際は厳しくファイトしてくるチームスタイル。広島戦をきちんとフィードバックして試合に挑んでもらいたい。

余談・・・343vs4231の試合のお互いの攻略の基本を分析解説した動画が下記にあるので暇な方は見てから広島戦を見直しても面白いかもしれません。(全編英語ですが、選手配置のアニメーションを見るだけでも分かりやすいかと。)


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