いちばん大好きでいちばん嫌い

当時18の私が恋をしたのは、アルバイト先のマネージャーだった
彼は当時24歳で私より6歳年上

何がビビッときたのかは今も分からないけれど
初めての一目惚れだった

働き始めてからもいちばん気にかけてくれて
いちばん可愛がってもらっていた

でもそれは、私が彼のことを好きなことを
彼自身が気付いていたから

彼は女癖がいいとは決して言えない
むしろとても悪い

それでも彼に愛されたくて
彼女になりたくて必死だった

だけどバイト先の仕事内容が耐えられなくなり
私は、私から彼から離れることを決めた
どうせ本気で愛して貰えないことも
彼女にして貰えないことも
実際ちゃんと理解していたから

彼の連絡先もなにも知らないまま離れて
約8年が過ぎた頃、Instagramで彼を見つけた

私ももういい大人だ、大丈夫
そう思ってフォローしてしまった
彼からはすぐに反応があり、
ついには当時ですらしなかった連絡先の交換を
してしまった、これはとても後悔している

やっぱり私は彼の前だとただの恋する乙女だ
ただの女の子になってしまって大人になれない

何がいけないのか。
彼は結婚している
それは噂で知っていたことだった

でもどうしても繋がりたくて
たまにでいいから連絡を取り合えたらと
欲が出てしまった

そのあとはもう彼の思うがまま、
会いたいと言われれば
新幹線のチケットを取って会いに行った

消して悪いことはしていない、
ただ映画を見たりごはんを食べたり、
ただそれだけのこと、友達みたいに、ね

でも彼からある日突然言われた
愛している、と、あの時も愛していた、と
それはもうだめだ、
それを言葉に出してしまうのならば
私たちはもう会えないねと

もう今では本当に私は大人になって
彼とは一切連絡を絶った

正直今でも彼が目の前に現れたら
私は泣いて喜ぶだろう

彼は私の生涯できっといちばん愛して
いちばん憎んでいる男